「平成30年7月豪雨」災害レポート No.69

④「自分たちが住んでいた小屋浦を見届ける」 久しぶりの小屋浦地区を、少し車で回ることにしました。当時被害が大きかった地区の天地川沿いを山へ向かっていくと、あれっ見慣れた後ろ姿、Kさんです。みなし仮設住宅から、20分ほどかけて、被災された家の近くに作った畑へ行く途中でした。坂道を上り、ここまで歩いて来られることに驚かされます。以前ボランティアさんが手伝って作った畑には、すてきな物置き小屋も作られており、お野菜が植えられていました。しかし、動物が悪さをしたようで、植えたお野菜がひっこぬかれていました。私たちは、一緒に動物除けの網を買いにでかけました。一人で住まれているKさんがホームセンターで買ったものをここまで運ぶのはとても大変です。そしてこの地区は、またいつ被害が起きてもおかしくない場所です。でも、ここに畑を作って通われています。毎日自分の目で確かめながら、復興していく小屋浦を見つめています。Kさんはいま、どんなことを考えて生活をされているだろうか。お別れの時のKさんのお顔を見ながら思いました。

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「そして、これから」

 久しぶりの広島は、1年という時の流れを感じ、一人ひとりの生活、暮らしを感じる日となりました。それぞれの家には、家族が住まれるあったかい生活の場がありました。そして仮設住宅で一緒に過ごしてこられた仲間との関係は、本当にすてきだなあと感じました。 私たちが帰るとき、一人の方が仲間のみなさんにこんなことを言われました。「また集まろう。1年後はみんな離れてしまうけん、来られるときに一緒にやろうや〜。」。この言葉にはっとさせれられました。みなさんの生活の中には、一日一日を過ごしていくことを考えるとともに、「来年どうしたらいいのか」という不安がいつも心の中にあるのだということです。心配ごとをかかえながら過ごすことは、本当に大変であるとともに、私たちはこの心の声に耳を傾けなければならないのでないかと感じました。  

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                     (ボランティアスタッフ 柚原里香)

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