本支援レポートで、被災地にボランティアが少ないことから被災者支援が手薄になることが不安だと書きました。先日、発災以後POSKO(支援拠点)支援として少しばかりのご支援をさせて頂いた球磨村渡地区にある雲泉寺(曹洞宗)を拠点として活動している「雲泉寺災害ボランティアセンター」の担当者に災害から7カ月が過ぎた現状についてお聞きしました。同センターには、みなさまから寄贈して頂いたお米をはじめいろいろな物資も届けています。このPOSKOは発災から救援物資の提供を中心に、活動の内容は被災者の暮らしの変化に併せて徐々に、被災家屋の清掃からリフォームの手伝いへとシフトして来られています。前号でもふれた仮設住宅でのつながりの希薄さに対して、被災者同士のつながりをつくるための炊き出しや集会所“みんなの家”での体操教室など工夫を凝らしています。というのは、仮設住宅ではそもそもお隣さんを知らないという方々が少なくないのです。全てではないですが、中には災害前のコミュニティをバラバラにして仮設住宅に入居して貰っているためです。この現象は、26年前の阪神・淡路大震災の教訓からも以後、私たちは「仮設に入居するときには災害前のコミュニティを壊さないように!」と言い続けてきたのですが・・・・、26年という歳月が経過しても、未だに十分な対応ができていないのが現実です。今回の被災地では、災害前はどちらかというと地縁・血縁が強く、相互扶助のつながりの強い地域で暮らしてきたので、仮設住宅での人と人のつながりが希薄になるということは、深刻な問題なのです。
一方、在宅被災者の場合も地域におけるコミュニティづくりの再生に苦慮されています。在宅被災者に関しては、災害前まで地縁・血縁の強い暮らしだったものが、一旦災害で避難所に行きバラバラになり、元のコミュニティが希薄になっているのです。若い人たちも暮らし再建の過程で、何か役割がないとやがて隣近所とも疎遠になってつながりが切れていくという状況だそうです。唯一、家屋清掃に入ったときにボランティアと被災者が会話に弾むという形で、ストレスを発散させ、辛うじて孤立するのを防いでいるというのが実情です。
コロナとの複合災害でなければ、これまでの被災地においてはボランティアが多彩に仮設や地域でのイベントを行うのですが、悉く中止になりストレスが溜まるばかりです。
コロナの影響ではあるのですが、最大の問題はやはりボランティアがほとんどいないということです。昨日2月4日の熊本日日新聞で報じられていましたように、ボランティアは激減で、この1月はゼロという状況です。同紙によると県災害ボランティアセンターの担当者が「今は一刻を争う支援が必要な状況ではなく、感染を防ぐため活動自粛はやむを得ない」と説明しているのですが、確かに感染防止は最優先でしょうが、県市町村あげて医療・保健態勢を整備し、最低限のボランティアを確保することは不可能ではないと思われます。
熊本は全国でも感染者が少なく、大変頑張っておられます。特に、医療従事者や介護関係者、保育士はじめ、エッセンシャルワーカーと言われる暮らしに欠かせないお仕事をされているみなさまには、心から敬意を表しますが、むしろ厳しい状況下でこそ全国にさきがけて模範となるような取り組みを披露して頂きたいと切に願う次第です。
(村井雅清)
〈〈まだお米を集めていますよ!〉〉
昨年7月4日に豪雨災害が発生し、7カ月を迎えようとしています。有難いことに、今でも被災地にお米をと送って下さる方が途絶えません。ほんとうに心から感謝致します。本文でも触れていますように、長引くコロナ禍のために直接被災地に足を運んでの支援活動は叶わないですが、こうしてお米の寄付という形で「忘れていないですよ!」「見守っていますよ!」というメッセージを届けて下さっていることが、どれほど被災者を勇気づけているか、架け橋役をさせて頂いている私たちにはズシンと伝わっています。まだまだ続きますが、引き続きご支援を賜りますようにお願い致します。
【送り先】
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
「被災地NGO恊働センター」まで
(注)現金でもお受けしていますので、下記の方法でお申し込みください。その場合通信欄に「お米代」とご記入ください。
■活動支援金のご協力をお願い致します。
・クレジットカードでも寄付ができます。
https://congrant.com/project/ngokobe/605
・郵便振替
口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
・銀行振込
ゆうちょ銀行 一一九支店 当座番号 NO 0068556
名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「7月豪雨」もしくは「POSKO 」と記入して下さい。