水害から2月4日で7ケ月が過ぎました。先日、現地にお米をお届けに行ってきました。POSKO支援をしている人吉市の「POSKO個庫茶屋メンバー」へお届けしました。そこには入れ替わり立ち代わり、住民さんが訪れます。代表の園田さんは、忙しく走り回りながら、住民さんが支援物資を取りに来ると、「ちょっと20分ほど留守番お願い!」と言って、私たちを再建した住宅に案内してくれました。
ここに住む住民S
さんは、水害で被災し当時はお風呂場をきれいしてそこに寝泊まりしていたそうです。それから他の物件を園田さんはじめ一級建築士や大工さんを含めたボランティアのみなさんの手によって、新しく生まれ変わらせました。
目の前には麦畑が広がっています。ここの畑はやはり大柿地区で被災された住民さんの畑で、その麦は水害に流されずに残った貴重な籾をまき、芽を出したのです。麦は麦踏をすることで株がわかれて収穫量を増やしたり、根をよく張り、穂が倒れるのを防いだりと、麦の成長を促進するそうです。踏まれても踏まれても強く成長する麦の姿はまるで被災者のみなさんの再建へ歩んでいる姿と重なります。
園田さんは、収穫した麦で天然酵母のパンを作って、住民さんの居場所づくりに役立てていきたいとおっしゃっています。他にも障がいを持った人の仕事づくりや、被災された人たちの再建のお手伝いなど、たくさんの物語がそこにあります。
水害が怖いと言っていた人たちの心が時間の経過とともに少しずつではありますが、和らぎ、気持ちにも余裕がでてきたそうです。個庫茶屋にお邪魔した時にも、「水害当時、とても辛い想いをした人が、ずっと話すこともできなかったけど、今日は個庫茶屋の店先まで来てみんなと話していたので、よかった」とおしゃっていました。お米もお渡しできました。
そして、外国人のカップルが来ると、園田さんは「お子さんいるんでしょ?お米を持っていく?」とすぐにお米を渡しています。
支援物資を通して、生活再建の様子や体調などを問診し、その人の背景まで理解し、ニーズを掘り起こし、被災者のみなさんに寄り添っているスパーバイザーです!その個庫茶屋という「場」を通して、物資とともに情報交換したり、悩みを打ち明けたりしながら、それぞれが元気や勇気をもらい帰っていきます。個庫茶屋が物と人、情報と人、自然と人、人と人をつなぎ、元気の渦が渦巻いています。
コロナ禍でボランティアも活動を自粛していますが、避難所の閉鎖や応急修理制度を使った住民さんのみなし仮設などの入居期限は否応なしにせまり、住民さんは気をもんでいます。
緊急事態宣言の中ではありますが、私たちにできることをしてきたいと思います。
*元気の渦:立命館大学政策科学部元教授、元コープちば理事長田井修司さんの提言です。元気の渦が生み出すモノづくりというもので、商品開発をする際に商品を開発するということが、おいしいものを作ることではなく、商品ができ上るまでにたくさんの人とおしゃべりをして、大切にしていること、家族とか背景とかを一緒におしゃべりすることによって、私もあなたのことを大事にしているのだよと、しゃべっていくことが商品開発だということです。(増島 智子)
〈〈まだまだお米を集めています!〉〉
昨年7月4日に豪雨災害が発生し、7カ月を迎えました。有難いことに、今でも被災地にお米をと送って下さる方が途絶えません。ほんとうに心から感謝致します。本文でも触れていますように、長引くコロナ禍のために直接被災地に足を運んでの支援活動は叶わないですが、こうしてお米の寄付という形で「忘れていないですよ!」「見守っていますよ!」というメッセージを届けて下さっていることが、どれほど被災者を勇気づけているか、架け橋役をさせて頂いている私たちにはズシンと伝わっています。まだまだ続きますが、引き続きご支援を賜りますようにお願い致します。
【送り先】
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
「被災地NGO恊働センター」まで
(注)現金でもお受けしていますので、下記の方法でお申し込みください。その場合通信欄に「お米代」とご記入ください。
■活動支援金のご協力をお願い致します。
・クレジットカードでも寄付ができます。
https://congrant.com/project/ngokobe/605
・郵便振替
口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
・銀行振込
ゆうちょ銀行 一一九支店 当座番号 NO 0068556
名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「7月豪雨」もしくは「POSKO 」と記入して下さい。