<個庫茶屋メンバーの普段着の支え合い―6>
前号で片田敏孝教授の「今、日本の防災に求められることは、自然は時には抗えないことを前提にした防災への回帰なのではないだろうか?」というコメントを紹介しました。2016年の熊本地震で、当センターは熊本県西原村に入りました。その時、西原村の農家ではサツマイモの収穫時期でした。ところが地震の影響で農家も被災を受け、その作業が順調にいかず、ボランティアセンターに応援のボランティアをお願いしても、社会福祉協議会は「農家は生業に関るお仕事をされているので手伝えません。」???と断られたのです。やむ得ず私たちは隣県大分県の地域おこし協力隊のメンバーと「農ボラを受け付けます。(略称「農ボラ」」)と受付を開始したのです。社会福祉協議会は黙認していました。つまり黙って協力してくれたのです。
この事例で考えますと、災害時におけるボランティアの在り方として、農ボラを断るという姿勢は、自然のサイクルに抗うことになるのではないでしょうか。何故ならば、日々天候と闘いながら育つ生き物を相手の生業ですから、この時期に収穫しなければ次年度の生活が厳しくなるわけです。
このように被災者(地)支援に徹する災害救援ボランティアは、可能な限り自然に抗うことなく、被災者支援を行うことが望ましいということになりますね!昨年の豪雨水害の場合は、原因の大きな要素は清流球磨川の氾濫はじめ支流のウォーターバック現象や内水氾濫的な水害と土砂災害などですが、この災害を受けて熊本県知事は早々と上流の川辺川ダム建設容認の姿勢を示しました。いうまでもなく大災害を体験し、復興途上の中で、球磨川の流域治水をどうするかは重要課題です。自然との共存を追求しつつ、災害に遭っても減災を目指して取り組むことが不可欠です。災害後、マスコミで「暴れ川 球磨川!」という表現がところどころありましたが、球磨川の恩恵を受けて暮らしてきた人たちからは、「球磨川が悪いわけではない。暴れ川と言ってくれるな!」という悲痛な叫びもありました。また、「川だけではなく、山とも向き合え!」という指摘もあります。「森は海の恋人」というメッセージもありますが、災害から身を守るには、自然に抗うことなく、自然と共存し、暮らしていくことを第一義的に考えることが必要でしょう。被災者主体というのは、言うまでもなく「自然と共存する人(被災者)の主体性の尊重であることを肝に銘じなければならないことを痛感する次第です。(次号に続く) (村井 雅清)
(*『枕草子』の有名な「春は曙~~」で始まる冒頭の歌を詠み、球磨川の四季の変化を想像すると、ほんとうに「清流 球磨川」の美しさを共感することができるでしょう。)
〈〈懲りずにお米を集めています!〉〉
5月の被災地訪問のお話として、「先日の被災地訪問でご縁があってあるお宅の法要に出席した時のこと。法要が終わってご住職がお話しされた中で、『もうすぐ1年になるのに、未だにお米はありませんか?』と寺に訪ねて来られる被災者がおられます。まだまだなんですね・・・・」」とご紹介したところ、東北の同じ法人から昨年に続き、今年も大量のお米の提供をという嬉しい話がありました。また、お米代として寄付をして下さる方も絶えません。まだまだお米は集め続けたいと思いますのでよろしくお願いします。
【送り先】
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
「被災地NGO恊働センター」まで
(注)現金でもお受けしていますので、下記の方法でお申し込みください。その場合通信欄に「お米代」とご記入ください。
■活動支援金のご協力をお願い致します。
・クレジットカードでも寄付ができます。
https://congrant.com/project/ngokobe/605
・郵便振替
口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
・銀行振込
ゆうちょ銀行 一一九支店 当座番号 NO.0068556
名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「7月豪雨」もしくは「POSKO 」と記入して下さい。