以前にもレポートで紹介させて頂きました八代市坂本町、市ノ俣・横様地区のその後の様子です。この2集落は国道219から15分ほど山あいに入った場所に16世帯24人の方が暮らしていました。けれども、今回の豪雨災害により1軒のお宅が全壊となり、他にも敷地内が護岸の崩落により陥没する被害が発生しました。また、ライフラインや生活道路が寸断され、住居には豪雨による直接的な被害はないのですが、長期間避難し、家を空けているので、猿やシカが家屋内に浸入し、床や壁、電化製品まで被害を受けた世帯もあります。
ライフラインが閉ざされ、もちろん集落までの道も大きな土砂崩れが多く発生し、当時は国道から2時間半もかけて歩いて集落までたどり着く状態でした。一昨日、ライフライン(電気、ガス、水道)が復旧したということで避難指示が解除されたと、現地から連絡がありました。が、集落ではまだ携帯もテレビも使えません。そんな状況で、どう災害情報をキャッチできるの?いざというときの連絡方法は?現地の人も避難指示解除については、不安を隠せません。
集落までの道路は12月23日の八代市からの「道路啓開作業完了のお知らせ」にもあるように「通行に関しましては、本復旧工事が完了するまで『地元車両・緊急車両・工事車両等』のみと致します。また、市ノ俣線はガードレールがない区間や車両のすれ違いができない個所が多数ありますので、細心の注意のもと通行をお願い致します。」と連絡がきているのです。このような状況下での避難指示解除では、被災された方が安心して住宅に戻ることはできません。
直接家屋に被害がないということで、生活再建支援制度などの制度が受けられず、負担が膨らんでいます。長期避難認定などの制度の活用など、住居の被害だけに目を向けずに「災害ケースマネージメント」のような、被災者ひとり一人の暮らしの再建に向けた支援が必要です。
8ヶ月が過ぎようとしている中で、いまだ避難生活を続けている人たちにも手厚い支援が求められます。
時折、住民さんたちは家の様子を見に帰宅しています。お子さんは家の周りを元気よく走り回ります。その様子をみて、お母さんは「山に来ると、生き生きとしている」と。ちょっと不便でも、自然豊かな住み慣れた家はいいものですね。
*災害ケースマネージメントとは…。
東日本大震災をきっかけに提案された仕組みです。被災者ひとり一人の被災状況に合わせ、住居の被害だけでなく、収入・生活状況の変化や社会的な脆弱性などを考慮しながら被災者の生活再建を目指すものです。このような仕組みを法制度化して被災者「一人ひとりが大事にされる災害復興」を確立しようとしています。(増島 智子)
〈〈まだまだお米を集めています!〉〉
昨年7月4日に豪雨災害が発生し、7カ月が過ぎました。有難いことに、今でも被災地にお米をと送って下さる方が途絶えません。ほんとうに心から感謝致します。今も救援物資の拠点であるPOSKOに「お米ありませんか?」と訪ねて来られる被災者がおられます。本文でも触れていますように、長引くコロナ禍のために直接被災地に足を運んでの支援活動は叶わないですが、こうしてお米の寄付という形で「忘れていないですよ!」「見守っていますよ!」というメッセージを届けて下さっていることが、どれほど被災者を勇気づけているか、架け橋役をさせて頂いている私たちにはズシンと伝わっています。まだまだ続きますが、引き続きご支援を賜りますようにお願い致します。
【送り先】
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
「被災地NGO恊働センター」まで
(注)現金でもお受けしていますので、下記の方法でお申し込みください。その場合通信欄に「お米代」とご記入ください。
■活動支援金のご協力をお願い致します。
・クレジットカードでも寄付ができます。
https://congrant.com/project/ngokobe/605
・郵便振替
口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
・銀行振込
ゆうちょ銀行 一一九支店 当座番号 NO 0068556
名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「7月豪雨」もしくは「POSKO 」と記入して下さい。