【東日本大震災】レポートNo.278

あれから6年、岩手県の被災地に入った増島のレポートをお届けします。
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「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり   
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 いつもお邪魔している大船渡の後ノ入仮設に伺いました。当初はみなさん仮設暮らしでしたが、この6年間で自力再建を果たした人、復興住宅に入居した人などがいます。ほとんどの仮設では、仮設から出てしまうと関係性がなくなるところが多いのですが、ここ後ノ入仮設では、仮設から出た人も、何かあれば戻ってきて交流を続けています。
今日は、久しぶりに会うぞうさんチームの人もいました。仮設の住民さんが車で迎えに行ってくれたのです。久しぶりの彼女は「昨日は、うれしくて興奮してなかなか寝付けないから、お酒を少し飲んで寝たよ」ととてもうれしそうに話してくれました。自家製のお漬物をたくさん持って来てくれました。他のメンバーさんも果物、煮物などを持ち寄ってくれて、お客さんから頂いたお土産などお昼ご飯を食べながら、久しぶりに話に花が咲きました。
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こちらの会長さんも、「いつでも寄って」とやさしく声をかけてくれます。この地域は、震災前から、災害の備えについてもしっかり取り組んでいて、何かあったときにはAさんはBさんを助けにいく、集約する人など徹底的にやっていました。元々のコミュニティがしっかりしているのかなと感じます。まけないぞうの人たちが集まる日でも、誰かが車で復興住宅に移った人を送迎したり、仮設でできたコミュニティも、それ以前からあったコミュニティも継続して育んでいます。なかなか他の地域では見られないですが、ここではそれが自然体のようにコミュニティづくりができています。
いま、仮設から復興住宅や自力再建した人たちのコミュニティが崩壊し、それを支える人も少なく、孤独や不安を感じている人がいます。
「まけないぞう」はそんな人に寄り添い続け、心の支えになっています。
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~まけないぞうの作り手さんからのメッセージ~
 私の住所の数字「88-8」漢字で縦に書くとハハのハ。このごろ気づき、笑顔でおらねばと思うのですが、知らない土地で好きで来たにせよ寂しいです。
南の方から桜の開花がちらほらと聞かれて、28年度も終わる。「まけないぞう」さんも新年度に間に合うように、旅たちたいのよね。そう思うと、縫う手に力が入る。全国の支援者のみなさま、買って下さるみなさまに感謝を込めて、一枚のタオルを「まけないぞう」さんにして、目の前に並べていく。1ヶ完成、でも寂しいよ!2ヶ3ヶと、そして50ヶの完成。
夢中な心が寂しさをなぐさめ、充実感、幸福感で満たされます。単身の私にとって、家族が増えていくみたいな感じがあって、心のケアになっているのだと思います。ありがとうね。お陰さまで2200個がすぐそこ、近くになりました。それだけ、みなさまに助けられています。感謝、感謝です。
                          (2017/3/28 宮城県石巻市)