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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第96報

被災地レポートは、ここ数日球磨川の治水対策に関する話題を現地熊本日日新聞や人吉新聞の情報をもとにお届けしています。熊本県知事は、20日に赤羽一嘉国交相との会談に臨む予定で、これまで述べ467名が参加した「お聴きする会」などでの“声”のまとめに入るようです。
 これまでも川辺川ダム建設反対の意見をいくつか紹介してきましたが、過去に同ダム建設を残念した経緯の中で、流域住民が賛否によって分断されるという苦い経験をしているだけに、慎重で、かつ深刻な意見も多いように思います。
 ここ数年日本の政治では、政府や地方自治体の為政者に対する住民の信頼が極めて薄いということも関係しているのではと言わざるを得ない事件が多いので、問題の本質はいわゆる「民意」とどれだけ真摯に向き合えるのかが問われているのではないかと思います。
 例えば、今回の治水対策をめぐって、熊本日日新聞によると「ダムでは命と清流が守れない」と県に抗議をした3団体のことが紹介されていますが、「ダムがあれば浸水面積を6割減らせた」とする国の試算の根拠を示すよう求めたが、県側の回答はなかった。」とのことです。どうして、反対の意見に真摯に向き合って回答を出せないのでしょう?浸水面積を6割も減らせたというならば、その根拠となるデータを示さなければ、話し合いが進まない。「何か都合の悪いことでもあるのか?」と勘繰りたくなるのも当然ではないだろうか。

 さて、私が住む兵庫県では武庫川という河川があり、その上流にダムを造るという兵庫県の計画があったが、県はダム建設凍結を決断したのです。(2011年)
その背景と経緯について、兵庫県保険医協会の当時環境・公害対策部長の森岡芳雄さんが述べた下記の談話を紹介しておきたい。(2010年2月15日同協会の談話により)
―兵庫県は1月26日、今後20年間の河川整備目標を定めた「河川整備計画(原案)」で、武庫川ダムの建設を回避すると発表した。新規ダム建設は、合意形成と建設に長時間を要するため回避し、河床掘削や堤防強化などの河道対策、遊水池、学校・公共施設の雨水貯留施設などの流域対策など、流域全体で考えるダム以外の早期実現可能な治水対策に取り組むとしている。(中略)計画の内容は有識者や地域住民でつくる武庫川流域委員会の提言に沿ったものとなっている。―と。
 ポイントは、ダム凍結に至った経緯において見逃せないのは、上記談話にも紹介されている武庫川流域委員会(委員長松本誠以下、公募を含む25名の委員)が、賛成・反対の両意見を300回以上にわたる約1000時間に及ぶ侃々諤々の議論を行い、「ダム凍結」という結論にまとめてあげたことである。2003年に開催された第1回同委員会準備会から実に8年間にわたっての議論の結果ということに注目しなければならないのです。
 球磨川の話に戻りますと、賛成・反対の両意見を徹底して議論させるということが不可欠です。どのような結論になろうとも、その結果を背負うのは次世代を担う子どもたちであることだけは忘れてはならないのではないかと、強く思う。それが「民意と向き合う」ということではないでしょうか。もちろん目の前の暮らし再建を優先してのことですが・・・・・。(村井雅清)

〈〈まだまだお米を集めています!〉〉
 まだ避難所生活をされている方もおられますが、被災地では今後の復興ビジョンづくりのための動きが活発になっています。こうして、被災者の復興への足音が聞こえてくる段階に入ってきたように感じます。全国から送られてくるおいしいお米を味わいながら、じっくりと将来のことを考えて下さることを切に願います。まだまだお米は喜ばれます。当センターが責任をもって、援助の届きにくい人たちを優先し、かつ必要な被災者に届けたいと思いますので、少しでもいいですからお米を提供して下さいませんか。何卒よろしくお願いします。
【送り先】
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
「被災地NGO恊働センター」まで
(注)現金でもお受けしていますので、下記の方法でお申し込みください。その場合通信欄に「お米代」とご記入ください。

■活動支援金のご協力をお願い致します。
・Yahooからも募金ができるようになりました!!
https://donation.yahoo.co.jp/detail/5240003/
・クレジットカードでも寄付ができます。
https://congrant.com/project/ngokobe/605
・郵便振替
    口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
・銀行振込
    ゆうちょ銀行 一一九支店 当座番号 NO 0068556
 名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「7月豪雨」と記入して下さい。

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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第95報

前号94号で、熊本県は「2020年7月豪雨災害」からの復旧・復興計画に、球磨川の治水を重点課題においており、ダム建設も選択肢の一つとあらためて表明したことをお伝えしました。
 市民団体「7・4球磨川流域豪雨被災者・賛同者の会」は、11月10日松岡隼人人吉市長に会員60人の声を集めた冊子を手渡し、被災者の要求実現を求めた、と人吉新聞は報じています(11月11日)。
 その冊子には、川辺川ダム建設に反対する声が多いそうですが、ダムの前に「川底の土砂の撤去」を訴える声も強い。さて、素人の知識に過ぎないかもしれないが、川の増水などで被害を被るのは、圧倒的に下流ではなかったかと思うのだが、その下流域で暮らす八代市坂本町の住民は、必ずしもダムを求めていないことが浮き彫りになってきています。

 11月13日付熊本日日新聞「民意」によると、「球磨川の治水方針を判断するため、蒲島知事が10月下旬に坂本町で開いた意見聴取会には34人が参加した。さまざまな意見の中に、ダム建設を求める声は一つもなかった。」と紹介しています。
坂本町に住むある住民は「ダムによって川は死ぬ」(同紙)と、続けて「洪水で自宅が冠水しても、以前は水が引けばきれいな砂がのこるだけだった。ダムができてからは、ヘドロがたまるようになった。」と。坂本町は、全国初のダム撤去の歴史を刻んでいます。それは、発電専用の県営荒瀬ダムのことで、「1955年に荒瀬ダムが建設されると、清流は一変した。ダム湖には土砂やヘドロが堆積し、流域住民は悪臭に悩まされるようになった」(同紙)と。

また同紙11月16日付「民意」では、八代市の球磨川右岸にある全長約2㎞にわたる「萩原堤防」にふれ、同堤防は江戸時代の1755年に決壊し、約500人の死者を出し、1965年には堤防の一部が崩れ、堤防沿いの旅館が流出したことを苦い経験とし、地元の区長さんは「日頃から水害に備えるように住民同士で啓発し合っている。球磨川の氾濫に対する地域の危機感は高い。」と強調されています。
ある住民は、「復興に向けて地域がまとまることが一番大切。ダム建設議論の賛否によって分断されたくない」(同紙13日付)と強調されていますが、球磨川流域で育った多くの住民は、同じ気持ちだろうと思う。県はこうした民意を汲むべきではないか!
                                 (村井雅清)

〈〈まだまだお米を集めています!〉〉
 仮設住宅に移られた被災者が、冬物の衣類などを求めて当センターがご支援しているPOSKOに来られます。その時に、最後に申し訳なさそうに「お米はまだありますか?」と聞かれるそうです。もちろんはじめて仮設住宅の暮らしを経験される被災者にとって、美味しいご飯を食べるひとときは、きっと深い感慨に包まれるのだろうと思います。「たかがお米・・・・」かも知れませんが、ほんとうに元気をもたらしているようです。今後もまだまだお米を届けますので、ご協力をお願い致します。東日本大震災後に出会った東北のある農事組合から2度目の100㎏の玄米を寄贈して下さいました。一方で今年は新型コロナウィルス感染症の影響なのか、米あまり現象が起き、次年度は生産制限をするようなニュースも出ています。
 お百姓さんの事情も理解できますが、是非今困っている被災地に少しでいいですからお米を送って下さい。よろしくお願い致します。
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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第94報

本支援レポートNO.85~87でお伝えして来ましたように熊本県は、10月下旬から「豪雨からの復旧・復興及び治水対策のあり方等に対する住民の皆様からの御意見・御提案をお聴きする会」という会を、被災地各地で重ねて来ました。「復旧・復興及び治水対策のあり方等」とありますので、球磨川やその支流などに関する治水対策についての議論も必要でしょう。
 しかし、被災者らでつくる市民団体「7・4球磨川流域豪雨被害・賛同者の会」は10月29日に会見を開き、「国や県、流域12市町村らで進められている治水協議の進め方に苦言を呈し、ダムの議論より被災者の生活再建を優先するように」(人吉新聞、10月30日付)と訴えています。先述した「お聴きする会」の開催にあたって参加者に出したあいさつ文で、知事は「今回いただきました皆様のご意見・ご提案を踏まえ、県としての治水の方向性の考え方を整理し、出来るだけ早く復旧・復興プランを取りまとめて参ります」と記しています。
 これでは、先の市民団体が訴えるダムの議論より生活再建をという声を明らかにかわした内容ではないかと思わざるを得ません。すかさず同知事は、11月11日支流の川辺川へのダム建設を容認するような発言をしています。これでは、ダムありきでの復旧・復興計画だと指摘されるのも当然でしょう。
 2020年11月11日付毎日新聞「記者の目」で平川昌範記者は、「球磨川豪雨検証委員会まとめた報告書には、全134ページもの内容だが、そのうちソフト対策の検証に割いた部分が26ページしかなかったので違和感を覚えた」と指摘しています。明らかにダムありきで進められいることを表わしています。熊本日日新聞11月13日「新生面」は、
 ― 一つのダムで本当に洪水を制御できるのか。「清流を守れ」という声は強い。今回の被害にしても詳しい検証はいまだ不十分だ。被災者の生活再建もままならない中での百八十度の方針転換には違和感が残る

▼思えば川の光景も随分と変わった。水源域は荒れて保水力が低下し、中流では耕作放棄地が目立つ。ダムやせきで土砂が堆積し、開発が間近に迫った下流も危険度が増した。加えて気候変動による豪雨である。川を気難しくさせているのは人の手でもあろうか。―と再考を促しています。

 「球磨川は悪くない。昔から恵みも貰って来た」という住民の声を忘れられない。(村井雅清)

〈〈まだまだお米を集めています!〉〉
 仮設住宅に移られた被災者が、冬物の衣類などを求めて当センターがご支援しているPOSKOに来られます。その時に、最後に申し訳なさそうに「お米はまだありますか?」と聞かれるそうです。もちろんはじめて仮設住宅の暮らしを経験される被災者にとって、美味しいご飯を食べるひとときは、きっと深い感慨に包まれるのだろうと思います。「たかがお米・・・・」かも知れませんが、ほんとうに元気をもたらしているようです。今後もまだまだお米を届けますので、ご協力をお願い致します。東日本大震災後に出会った東北のある農事組合から2度目の100㎏の玄米を寄贈して下さいました。一方で今年は新型コロナウィルス感染症の影響なのか、米あまり現象が起き、次年度は生産制限をするようなニュースも出ています。
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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第93報

八代市坂本町に入っている増島からレポートがきましたので紹介します。 

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  八代市坂本町で活動中のコミサポひろしまのみなさんと合流して前回から継続しているお宅に訪問しました。水害から4か月経って、自宅の再建をされている方がいます。当初は泥だらけの家をみて再建をあきらめた人もいますが、ボランティアの手によって、泥を出し、家財を搬出し、カビだらけの床や壁を剥がし、柱や床の根太材などのビスや釘を抜いて、こびりついた泥を拭いて、消毒をして、きれいになっていく家を見ているうちに希望が出てきたと、再建する人もいます。
 今回訪れたお宅もすでに大工さんが入り、みるみる家が出来上がっていきます。躯体をきれいに磨いて残しているので、大工さんは床や壁をすぐに張ることができます。住民さんも「ボランティアのみなさんが、きれいにしてくれたお陰で早く工事ができて助かります」と言ってくれました。 それでも家屋のすべては再建できないので、家の水回りがあるほうだけを再建しています。残りはぼちぼち再建していくそうです。被災者生活再建支援法では、家族がいれば満額のお金をもらえるのですが、単身世帯になると4分の3しかもらえません。ここにも制度に対する疑問を感じます。
 被災者も、家屋の建設資金から、最低限度の家財道具や生活用品などを一から揃えていかなくてはならないので大変です。制度的にももっと充実した制度を求めていきたいです。
 それでもボランティアの地道な活動で、「最初に家を見たときは、あきらめたけど、皆さんが来てくれて、ふわーっと希望が出てきました」と、いまはもうお家に数日寝泊まりしています。
 昨日は、POSKO支援をしている人吉の方のご縁でキッチンを頂き、コミサポのみなさんが設置してくれました。被災地から被災地へのリレーがここにもありました。みなさんからのお米もお届けしました。そして、このかけがえのないお父さんの笑顔が私たちのエネルギーの源です!みなさまのご支援、ほんとうに感謝しています。 (増島智子)
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〈〈まだまだお米を集めています!〉〉
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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第92報

昨日に続いて、水俣の谷さんからの現地報告PART・2を配信します。(村井雅清)

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ご支援をいただいている皆様へ11月8日―PART・2

 さて、仮設でも聞き取りをさせていただいた方々の被災現場を訪門し、被災状況を確認させていただきながら、今後の復興をどう考えていくか?一緒に考えていきたいと考えています。

芦北町の被災地の状況は様々で、その地区にあった対応が必要かと思います。佐敷川流域地区、土砂崩れ災害被災地、球磨川流域地区など被害の形態も様々です。特に球磨川流域は壊滅的被害を受けた集落もあり、八代や親せきやうちなどに避難し、役場もまだ住民と連絡がいる状況です。住民の人たちが良く口にするのは、手続きがたくさんあり、証明書類をそろえるのが大変で、もうちょっと何とかならんのだろうか?
すべての手続きは本人申請主義ですから、罹災証明に始まり、被災住宅解体、なりわい支援、各種免税手続きなど、ワンストップサービスができないか?今後の課題です。

また、芦北町に隣接する球磨村神瀬地区には7月中旬から定期的に通いながら、カンパや支援物資を届けたりしていますが、9月からは毎週土曜日に「こうのせ再生委員会」が開催されて、住民たちの意見交流の場が作られ、数回参加させていただいています。道路や河川の修復、水道、電気の修復、住宅再建について、公民館や公共施設の修復、交通機関の確保など多岐にわたる要望をまとめ、村役場や熊本県への要望をまとめると共にボランティアの協力を得ながら、活動に取り組んでいます。また、11月末には熊本地震の被災地・西原村を訪問し、被災地の復興の糸口を考えようと見学ツアーを計画しています。
発災当初は泥に埋もれ、ほとんど住民も見られない村となっていましたが、支援の重機ボランティアの活動や住民の方々も200所帯中、30所帯ぐらいが戻り、復旧活動に取り組んでいます。昨日は熊本の蓮華院ボランティア会や熊本学園大学のボランティアの参加もあり、泥出し作業も少しずつ進んでいます。
住民の暮らしの再建を目指して、一歩一歩歩んでいる活動がそこにあります。
多くの被災地が神瀬地区のように住民同士が議論し、どのような復興を考えるのか?どのように住宅や暮らしを再建するのか?見守りながら活動を継続したいと思います。

NPO法人水俣病協働センター  水俣病被害者互助会 谷洋一
熊本県水俣市南福寺108 水俣ほたるの家気付 TEL/FAX 0966-63-8779
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〈〈まだまだお米を集めています!〉〉
 まだ避難所生活をされている方もおられますが、被災地では今後の復興ビジョンづくりのための動きが活発になっています。こうして、被災者の復興への足音が聞こえてくる段階に入ってきたように感じます。全国から送られてくるおいしいお米を味わいながら、じっくりと将来のことを考えて下さることを切に願います。まだまだお米は喜ばれます。当センターが責任をもって、援助の届きにくい人たちを優先し、かつ必要な被災者に届けたいと思いますので、少しでもいいですからお米を提供して下さいませんか。何卒よろしくお願いします。
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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第91報

本支援ニュースで何度も紹介して来ました水俣の谷さんから久しぶりに現地報告が届きました。長いので2回にわけて配信します。ご容赦下さい。(村井雅清)

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 ご支援をいただいている皆様へ11月8日―PART・1
7月4日の豪雨から4か月が経ちました。今も、週1~2回仮設住宅や被災地の現場、熊本県の振興局や役場などを訪問しながら、支援物資を届けたり、様々な要望の聞き取り等を続けています。被災地の状況、ご家族の状況も様々ですが、いくつか報告します。まず、私の地元の津奈木町では10件の仮設住宅が建設されていますが、7軒は住宅の被害はないもののみかん山などに亀裂があり、長期避難を余儀なくされています。この長期避難は芦北町でも90戸ほどがあり、多くは罹災証明もなく、基本的な支援の枠組みから外れてしまいます。多くは大きながけ崩れ・土砂災害の周辺地域などで、補修工事がいつ頃、始まり、いつ完了するかの情報もなく、生活設計が全くできない状況です。

この件については役場の災害担当者や地域振興局の土木部などに通い、情報提供を求めていますが、年内に調査を完了し、予算措置を国などに要望、その後地域説明会をするとのことですので、住民の方にお伝えしています。
この問題は球磨川流域や佐敷川流域も復興基本計画が決まらないとどう暮らしを再建するのか?も決まらず、その時、住民の意見はどのように反映されるのか?コロナ禍の状況の中で話し合いの場がほとんど持たれていないのが現状です。芦北町では女島地区に仮設住宅が60戸建設され、9月中旬から入居が始まり、週1~2回訪問しながら、支援物資を届けたり、困りごとの相談に対応しています。
主なケースはテレビのアンテナ接続のコンセントがない。(工事関係者に連絡、接続コードを設置)、つかまれる手すりが必要(役場に連絡、手すり設置済み)、電子レンジがほしい。(女島仮設は電子レンジと加湿器の選択制、電子レンジを調達しお届けしました。)、呼び出しブザーが夜や朝なって出ても誰もいないので不安である。(関係者に確認したところ同じ周波数のブザーで反応することがあるとのことで、改善を要望)、換気扇のスイッチが高く手が届かない。(未解決)ベッドを置くスペースがない。(狭い)などの施設面での要望がありました。家財道具や家電など多くの方が水害や土砂崩れや水害で失われており、新品を購入したり、親せきや友人からもらったりした方もいますが、やはり、年金生活などでお金はなく、これからがとても不安との声が多いです。この間、こたつや毛布、タオル、食料品などをお届けしています。

この間、秋田からお米、石巻・女川のお菓子、鯖缶など、名古屋からお互い様助け合いセット、ウィンドブレーカー、神戸からお米、まけないぞうタオル、化粧品など様々な支援物資を送っていただいているので、それらをお配りしながら、聞き取りをしています。また、いただいたカンパを有効に使い、必要な物資をお届けしていきたいと思います。だんだん仲良くなり、「寄っていかんね!」と声をかけていただいてる方も少しずつ増えています。
ただ、昼間は仕事や自宅の修復で留守にされている方も多く、ようやく、半数の方々とお話ができるようになっています。昨日は、仮設住民支援活動として熊本の居酒屋さんのグループが屋台村など出張居酒屋を開催、たくさんの仮設の住民が参加して、にぎやかな集いが開かれ、カラオケなどで盛り上がっていました。多くの見知った顔の住民に笑顔が見られました。
  NPO法人水俣病協働センター  水俣病被害者互助会 谷洋一
  熊本県水俣市南福寺108 水俣ほたるの家気付 TEL/FAX 0966-63-8779
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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第90報

九州水害発生から4ヶ月が経ちました。被災地では、避難所が解消されつつありますが、自宅の再建が始まった人、いつになるかわからない大工さんを待つ人、自宅の再建をあきらめた人、どうしようかと悩んでいる人、それぞれの悩みは尽きません。
 読売新聞(11月3日付)では、「甚大な被害が出た熊本県では、人吉市など7市町村で10月末までに仮設住宅の予定戸数(808戸)の約9割が完成した。」と報じています。そして、球磨村、八代市、芦北町などでは、10月いっぱいで避難所が閉鎖されましたが、同紙では「人吉市では141世帯239人(10月30日現在)が避難所に身を寄せるが、年内に閉鎖される予定。」と伝えています。他にもみなし仮設や親戚などに避難生活を余儀なくされている人もいます。

 先日当センターで人吉市のPOSKO支援をしているところにお米を届けに行くと、物資を取りに来た女性が、「この3ヶ月間は片付けに追われ、ズボンしか履いていなかったので、スカートをはきたくてスカートを買いました。それに合う服がないかなと洋服を探しにきました。」という話をされていました。被災直後はみなさん着の身着のまま、お化粧道具すらなく、必死でした。時間が経つにつれ、お化粧をしたり、おしゃれに気をつかう心の余裕が出てきたようです。避難所ではできなかった料理ができるようになったり、当たり前にしていたことを少しずつではありますが、取り戻していく過程が、被災者の人たちの心を和ませていきます。
 球磨村の渡・峯地区長の大原さんもお米やくまもと生協さんからの支援物資を手に熱心に仮設に入居されている方を訪問されていました。中には小学生の頃の恩師がいて、久しぶりの再会に笑みがこぼれます。
 また先日、神瀬で行われた「神瀬の集い」では、被災地の隙間の道路を利用して、子どもたちが笑顔で思いっきり走り回っていました。神瀬マダム(被災住民の女性グループ)は、思い思いに腕を振るっておいしい料理を提供していました。
 コロナ禍により4か月経ってようやく、それぞれの道を歩み始めようとしています。(増島智子)

〈〈まだまだお米を集めています!〉〉
 まだ避難所生活をされている方もおられますが、被災地では今後の復興ビジョンづくりのための動きが活発になっています。こうして、被災者の復興への足音が聞こえてくる段階に入ってきたように感じます。全国から送られてくるおいしいお米を味わいながら、じっくりと将来のことを考えて下さることを切に願います。まだまだお米は喜ばれます。当センターが責任をもって、援助の届きにくい人たちを優先し、かつ必要な被災者に届けたいと思いますので、少しでもいいですからお米を提供して下さいませんか。何卒よろしくお願いします。
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