今日明日にかけて、九州から東海にかけて広い範囲で警報級の大雨の予想が出ています。すでに熊本では、早朝から激しい雨が降り続けているようです。該当地域の方は、空振りを恐れず早めに安全な場所や住宅に避難をしてください。
久しぶりに水俣のほたるの家の谷さんから現地のニュースが届きましたので、ご紹介いたします。水害から1年が経とうしている中で、やっと家財道具を出したり、行政が示す復興計画とのずれのはざまで再建に踏み出せない人もいるようです。
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2021年5月18日
昨年7月豪雨から10か月、復興もままならない中、南九州は例年より2~3週間早い梅雨の季節となりました。被災者の多くから「こんなに早いとは、まだ何もできていないのに」と不安の声があります。私も日常業務に追われながら、週1~2度仮設住宅や被災地を訪問しながら、被災者支援活動を続けています。
被災地の現状は、主要な幹線道路はある程度通行可ですが、支線となると通行止めや工事中、ほとんど手が付けられていない道路も多数あります。住宅も保険に入っていて、ある程度住めるまでに修復した家もあれば、7月の豪雨当時のままという家も多数見られます。市町村の復興計画は策定されていますが、コロナ禍の影響もあり、住民参加の議論は十分におこなわれたといえる状況にはありません。
現場で感じるのは、多くの事業が住民とは別の次元で決定され、いつ、どこで決定されるか見えないことです。住宅を再建するにしても、公費で全壊の家を解体するにしても、それをいつ作業に入るのかを判断できない状況が続いています。球磨川流域では国土交通省がダム建設など(?)を踏まえて、どの程度のかさ上げをいつ決定し、住民に提示するのか?時間が経つほどに集落での再建をあきらめ、移住を決める方も多くなっています。事業によって国、県、市町村と事業主体は違い、河川改修、土石流、急傾斜地、山林防災、道路補修など細分化されますから、自分の住んでいる地域がどの事業の対象となるかも定かではありません。
私が日々お伺いしているのは、芦北町女島仮設、女島、鶴木山、海浦、白石、箙瀬地区や津奈木町男島仮設、平国地区、球磨村神瀬地区などです。女島仮設では60戸が入居していますが、コロナ禍もあり、住民主体の集会は一度も開かれていません。一人暮らしの方々を中心に訪問してきましたが、先週、1人の方が体調を崩して入院、携帯で連絡が取れたので必要な生活用品などをお聞きして、届けてきました。ご家族は熊本や福岡ですから、入院されると面会もできないし、対応はとても難しくなります。
芦北町の8地区38世帯、津奈木町の2地区8世帯は土砂災害発生等の危険性があるため被災者生活再建支援法の「長期避難世帯」に認定されていますが、津奈木町で2月に仮設のみんなの家で地区説明会が開催されましたが、芦北町では地区説明会等は開催されず、個別説明のみ、修復工事にどのぐらいの期間がかかるかも明示されず、「先が見えないので不安だ」と話しておられました。芦北町では昨年7月以来、避難勧告(長期避難を含む)が続いている地域が88世帯238人います。友人らと協力して解体予定の住宅の家財の整理作業や様々な手続き書類の提出の協力などをぼつぼつとこなしています。
一方、球磨村神瀬地区ではこの間、住民らによる「こうのせ再生委員会」が毎週土曜
日35回にわたって行われてきました。現在は仮設住宅のある渡地区や錦町でも開催してきていますが、発災当初は安否確認や水道・電気などのインフラ整備、ボランティアの協力を受けての住宅の泥だし等が主なテーマでしたが、復興計画への意見、地域の再生についての意見交換、仮設などの課題や村への要請など、様々な話し合いが続いています。球磨村では地域の意見を地区協議会を設定して、集約しくことになっていますので、協議会への参加をしていく方向のようです。私も半数程度の場に同席し、支援物資の協力やお茶菓子の提供などを通じて、たくさんの被災者と知り合う機会となりましたので、今後も協力を続けていきたいと思います。
この1年近く被災者の支援活動に取り組み、たくさんの被災者の声を聴いてきました。発災当初はその場で、差しより解決できる課題を何とかこなしてきた感がありましたが、住宅の再建や集落の復興には大きな壁が立ちはだかり、困難を極めています。球磨川などの河川のダム建設や大規模改修には設計だけで数年、かさ上げ工事の完成には10年近くかからる言われています。高齢者の多い集落では、離村を決める方も多く、新たな暮らしを支える仕組みも必要です。ほとんどの住民が離村する集落、半数しか残らない集落を見つめながら、災害被災者支援活動の在り方を考えていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
NPO法人水俣病協働センター
谷洋一
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〈〈懲りずにお米を集めています!〉〉
昨年7月4日に豪雨災害が発生し、まもなく1年になります。それでも被災地にお米を、しかも「同じお米を送るなら美味しいお米を!」と銘柄にこだわり、送って下さる方が途絶えません。ほんとうに心から感謝致します。お米はほんとうに喜ばれます。仮設住宅を訪問していても、お独り暮らしの方々も「お米は自分で焚きます」という方ほとんどです。今後ともよろしくお願いします。
【送り先】
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
「被災地NGO恊働センター」まで
(注)現金でもお受けしていますので、下記の方法でお申し込みください。その場合通信欄に「お米代」とご記入ください。
■活動支援金のご協力をお願い致します。
・クレジットカードでも寄付ができます。
https://congrant.com/project/ngokobe/605
・郵便振替
口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
・銀行振込
ゆうちょ銀行 一一九支店 当座番号 NO 0068556
名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「7月豪雨」もしくは「POSKO 」と記入して下さい。