2017九州北部豪雨災害救援ニュース 第12報

福岡県東峰村にて活動を通じて

九州豪雨水害の被災地東峰村の岩屋地区において活動を続けております。ここは大分から福岡へと流れる筑後川の支流・大肥川、この大肥川に県境付近で合流する「宝珠山川」の周辺に位置するところです。
この岩屋地区の下鶴集落で活動を続けておりますが、ここにたどり着くまでにいくつもの大規模な土砂崩れなどによって道が寸断されていた場所を通り抜けて、さらにこの下鶴集落の間を抜ける県道も土砂崩れと濁流が一気に流れ込んで県道自体を破壊しながら流れて行ったため、現在道路の復旧作業が国交省を中心に行われているという状態です。

かなりの流木が流れ込んできているため、まずそれを取り除く作業として、昨年の熊本地震で被災をされた西原村の古閑地区の皆さんが重機やチェーンソーなど様々な道具を持ってこられていたので、それを持って活動を始めました。

まだまだ家の中の土砂を出したり、また家の周りの片付けや、家財の運び出しもこれからという状態です。

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このあたりは「日田杉」で有名なところです。東峰村は特に福岡県内では年間4万㎡もの木材を出している、県内で有数の林業のところでもあるそうです。ですが、徐々に従事者も少なくなっている状態だそうです。

ふと疑問に思い、他県ですが林業に従事する方からお話を伺うことができたのは、「杉とヒノキの植樹はどう棲み分けているのか」ということです。
中山間地に参りますと、何気なく杉やヒノキを目にするのですが、これは実は「土地が肥えている、水分が多いところに杉を植え、土地が痩せているところにヒノキを植える」ということだそうです。
また、その方は九州に来られた際、山を見てこんな感想を持たれたそうです。
「挿し穂(挿し木)がほとんどだなぁ」と。これは木を植樹する際、別の場所で育てた苗を山に植樹するということだそうです。種を植えることを「実生(みしょう)」というそうですが、一般的には挿し穂(挿し木)がほとんどです。

また研究(松永孝治(2008)九州森林研究 61 : 124-127.)によると、「スギにおいてさし木は実生に比べて初期成長が劣るものの,通直性や形質の均一性に優れるといったこれまでの通説(有井,1986;藤澤,1998;宮島,1989)をほぼ支持する結果となった。ヒノキではさし木は実生に比べて通直性で優れること, 実生は成長量でさし木より優れることが確認された」とあります。一定の品質の木材を生産するためにはやはり挿し木の方が好まれるということが経験や研究などからも分かっていることのようです。

この挿し木と実生には根の違いもあるようで、成長において実生は直根で深く地中に根を伸ばし、その後横へと根が生えてくるそうですが、それに比べて挿し木の場合は根が横に生えていくようです。

こうして、有数の杉の生産地での今回の被害、ということは逆に今やほとんど従事者がいないような山林に今後大きな雨に見舞われた時にはどのような状況になるのか、ということにもつながります。これは、日本全国、今後この量の雨に見舞われた時、こうした被害がどこでも起こりうる可能性があるということとして捉えることができます。

そして今一度、山古志で聞いた言葉が思い出されました。
「これらの工事は山の中に災害を閉じ込めて、下流にある都市部を守るためのものでもある」

これから様々な砂防工事などが被災地では行われていくと思われますが、それはこの雨で被害を受けた方々のくらしを守るものであると同時に、この土砂が流されて下流にある都市部に影響が及ぼされないためのものでもあることを考えること、この災害は決して他人事ではないのではないでしょうか。

今はまだ復旧に、そしてまだ行方の分かっていらっしゃらない方々もおられる中、多くの方々が被災地で尽力されていますが、まだまだこれからです。
どうか心を寄せていただければ幸いです。
                     (鈴木 隆太)

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■活動支援金にご協力をお願い致します。
郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
*お手数ですが、通信欄に「2017九州豪雨」と明記下さい。
ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座
0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

九州恩返しボランティアにご協力ください

2017九州北部豪雨災害救援ニュース 第11報

■九州恩返しボランティアにご協力ください!
当センターが熊本地震の支援活動で連携している西原村rebornネットワークが下記のように九州豪雨支援に動き出しました。ぜひご支援をよろしくお願いします。

————————————–
西原村rebornネットワークです。昨年の熊本地震以降、県内外から数多くの支援をいただいております。ありがとうございます。

このたび、隣県の福岡県・大分県で甚大な豪雨災害が発生してしまいました。九州北部豪雨の被災地のみなさんにも、私たちはこれまで多大な支援をいただいています。

西原村rebornネットワークでは、これまでの熊本地震からの復興活動を経て培ったつながりを活かし、恩返しの支援活動を行っていくことを決定いたしました。支援活動第1弾として、西原村社会福祉協議会と共にボランティアバスを走らせます。被災地ではたくさんのボランティアを求められています。
ぜひ多くの方のご参加をお願いいたします。(詳細はhttp://www.asoyamabiko.hinokuni-net.jp/…/post-56.htmlをご覧ください)


また、あわせて活動支援金の募集を始めています。(詳細は以下に掲載しています)今後も、被災地の復興のために、復興のための知恵とネットワークを活かした支援活動を続けて参りたいと考えております。みなさまのご協力をどうぞよろしくお願いします。


■活動支援金の募集
郵便振替
番  号:32276381
加入者名:西原村rebornネットワーク
※通信欄に九州豪雨と記入をお願いします。

銀行振込
ゆうちょ銀行 七一八支店 普通口座 
口座番号:3227638 名義:西原村rebornネットワーク

お振込していただいた皆様のお名前や使途がわかるよう、なるべく「郵便局からの振込」をお願いします。銀行からのお振込みはお名前のみの記載になりますので、事前にE-mail(nishihara.reborn@gmail.com)までご連絡をお願い致します。

当センターも引き続き活動支援金を募集しています。
■活動支援金にご協力をお願い致します。

郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター

*お手数ですが、通信欄に「2017九州豪雨」と明記下さい。

ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座

0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター 

★クレジットカードでもご寄付いただけます。
 https://www2.donation.fm/kobe117ngo/form.php

2017九州北部豪雨災害救援ニュース 第10報

(2017年7月22日)
2017九州北部豪雨水害救援ニュース第10報

被災地NGO恊働センターです。
当センターでは日田市への支援を続けていますが、昨年の熊本地震で被災をした西原村の方々も支援に動き出しています。
西原村の住民有志の方々は東峰村の被災現場に入り、家具撤去や土砂だしなどの活動をされています。こちらの情報についても今後、お伝えしていきたいと思います。

本日ご訪問した家の方は、70代のご夫婦でした。家の裏山の溝が埋まってしまい、水が流れて来てしまうのでなんとかしてほしいとのお申し出でした。
夜は裏山が気になってなかなか寝付けないというお話もされています。
これから心のケアが大切な時期に入ってくると言われますが、心のケアは必ずしも精神的な問題だけでなく物理的な問題から、心の問題につながっていることも少なくないということを感じます。
ガテン系のボランティアとソフト面をケアするボランティアの双方が多様な活動を展開しなければ解決しない問題がたくさん山積みになっていることを感じます。

また、田んぼに水を引く用水路をなんとか通してほしいという声も多数上がって来ています。土砂崩れの被害を免れた田んぼも用水路が埋まってしまっており、水が引けない状態です。このままでは秋の収穫は難しく、なんとか水を通してほしいという声が増えて来ました。
こうした場所の復旧にはまだまだボランティアの人手が多く必要です。

被災地の方々の生活は必ずしも住居の中だけで成り立っているわけではありません。
被災した地域の「暮らし」をしっかりと見つめ、どのようにその暮らしを取り戻していくか、ボランティアも知恵を出し合っていく必要があります。

引き続き、被災地へのご支援をよろしくお願いします。

■活動支援金にご協力をお願い致します。
郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
*お手数ですが、通信欄に「2017九州豪雨」と明記下さい。
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2017九州北部豪雨災害救援ニュース 第9報

被災地NGO恊働センターです。
当センターでは日田市での支援活動を行なっています。
日田市災害ボランティアセンターでは、大鶴地区でのサテライトが稼働して2日がすぎました。多くの方にボランティアに参加していただいていますが、大鶴地区は大きな家も多く、なかなか作業が終わりません。

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今日は依頼があったお宅数件を回らせていただきました。
今までは家族でなんとか作業してきたけども、疲れも溜まってきておりボランティアさんにお願いをしたいという方がいらっしゃいました。
ここ数日で多くのボランティアさんが活動したことで、遠慮していたけど実はお願いしたかったんだという方もありました。

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中にはまだ全く手付かずの状態の家も残されています。
家が被災して遠くへ避難していたため、まだ何もできていない。土日しか帰れないのでそれに合わせてボランティアしてほしいという声もありました。

まだまだ被災地ではそういった家が多く残っており、連休が明けてもボランティア活動は求められています。是非引き続きご協力をよろしくお願いします。
(頼政 良太)

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■活動支援金にご協力をお願い致します。
郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
*お手数ですが、通信欄に「2017九州豪雨」と明記下さい。
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0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

2017九州北部豪雨災害救援ニュース 第8報

(2017年7月15日)
2017九州北部豪雨水害救援ニュース第8報 

 今日14日は西原村百笑応援団河井さんと一緒に立ち入り禁止が解除された日田市の小野地区を回りました。小野地区は土砂崩れにより、自然のダムが出来ており水没した家もある地域です。迂回路を通ってダム湖の近くまで行くことができました。ダム湖近くの家にも入れるようになり、早速住民の方々が家の片付けをしている様子も見受けられました。水没してしまった家を含め、長期的な避難が余儀無くされる方への住宅の提供も始まっていますが、まだ十分な数が確保されていません。
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 山に入っていくと、ところどころ被害が大きな箇所があり、土砂崩れや流木が橋にたまっている様子が多くみられました。九州の山々は火山灰地質の上に真砂土が体積しているため、そもそも土砂崩れが起きやすい地質だそうです。その上に根が弱い杉が大量に植林されており、そのまま土砂崩れが起きてしまったというパターンが多いように見受けられました。
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 日田市は“日田杉”が有名であるように林業に携わる方も多いようですが、間伐した木材を里まで下ろす労力やコストが見合わず、「切り捨て間伐」と言って、山の中に積んであった木材も多かったようです。今回の水害ではそうした木材も流れ出て、大きな被害につながった可能性も否定できません。小野地区の下流域や大鶴地区など川の中腹の地域が大きな被害を受けています。
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毎回、水害のたびに感じることですが、山を整備することが水害を防ぐことにつながるということを改めて日田市の現状を見て感じました。
(頼政 良太)

<事務局より>
連日被災地でも暑い日が続いています。大量の土砂と水分を含んだ家財道具はかなりの重さとなり、多くの人手が必要になります。ボランティアはまだまだ必要です。どうぞ、みなさんの力を貸してください。現地に来られない方は、ニュースを拡散したり、募金などのご協力の呼びかけなどをお願いいたします。

■活動支援金にご協力をお願い致します。
郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
*お手数ですが、通信欄に「2017九州豪雨」と明記下さい。
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0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

ボランティアが足りない!!

11日、12日の活動報告です。

日田市の災害ボランティアセンターでは、県外の方も含めボランティアを募集していますが、まだまだニーズに対してボランティアが足りていない状況です。

この日は、日田市の地域おこし協力隊の方々と共に、災害ボランティアセンターのニーズ班として、被災した家を回らせていただきました。
日田市内の豆田地区や城町といった場所は、川沿いで少し低くなっており浸水の被害が出ています。大鶴地区などの土砂崩れがおきた場所と比べると流入している土砂の量は少ないですが、5年前の被災を経験された方も少なくありません。
フローリングの下に泥が入ってしまっているのですが、全面張り替えるとなるとかなりのコストがかかります。しかし、そのまま放置しておけば悪臭につながったり、家の劣化につながるため、悩んでいるという方が少なからずいらっしゃいました。
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「一人暮らしだから、どうにもできない。床板は息子が来てやってくれたけど。乾燥が大事だけど窓を開けていても蒸し暑いから大変。一部屋だけ冷房を入れて過ごしているの(床が剥がされている部屋に冷房を入れ、一枚だけ畳を敷いて過ごされていました)」
「体が悪くてどうにも作業ができない。畳はなんとかあげてもらったけど、見るとまだ水が残っていてどうしようかと思っている。大家さんに言ってもなかなか取り合ってもらえない」
「旦那が市役所の職員で会議、会議で家に帰ってこない。だから、家をどうするかも考えるのが大変だし、男手がないからどうしたらいいか。ボランティアさんにお願いできると嬉しい」
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みなさん、ご訪問すると様々な話をたくさんしていただきました。こうしてお話を聞くだけでも少し気持ちが和らいでいただけたような気がします。
ボランティアはまだまだ足りていない状態です。
泥出しをする作業系のボランティアと同時に、被災者の方々とお話をしてコミュニケーションをとっていくボランティアも必要であると改めて感じました。
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■活動支援金にご協力をお願い致します。

郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター

*お手数ですが、通信欄に「2017九州豪雨」と明記下さい。

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0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

2017九州北部豪雨水害救援ニュース 第6報

 <事務局より>
今日、豪雨被害から一週間が経過しました。犠牲になられた方々には心よりお悔やみ申し上げます。昨日のニュースでお伝えした日田市の避難者の方は、冷房設備があるところに避難を終えたようです。日々刻々と変わる被災者の状況に配慮しながら支援活動を展開していきたいと思います。

今朝(2017/7/12)の神戸新聞では、福岡・大分県の両県で住宅被害が計700棟近くに上っていると伝えています。自治体では仮設住宅の建設や公営住宅の提供、また被災者再建支援法など、被災者への生活再建に向けた支援がはじまっています。
例えば、応急修理は災害救助法にもとづく制度の一つで、半壊または大規模半壊の被害を受けた世帯で、修理した自宅での生活が可能となる見込みがある世帯が、限度額54万7千以内の支給が受けられます。ただ、災害発生から1ヶ月以内であったり、この制度をうけると仮設への入居ができなくなりますので、被災者にとっては勘違いをしてしまいがちです。ちなみに、熊本地震では、期間、対象の拡大、実施要領の改正等がなされました。
ただ、いまだ現実に起きたことを受け止められず、これからどうしたらいいのか大きな不安を抱えている被災者に対して、一人ひとりのニーズにあった丁寧な説明が求められます。

また、今回の災害で特徴的なのは、予想をはるかに超えた雨量による大量の流木の被害です。このことにより被害をより深刻化させたと考えられます。大分県日田市では昔から日田杉と言われ、林業が盛んで、“日田下駄”というのも有名です。
今日の神戸新聞ではその林業についても触れられています。記事によると「ほかの木の成長を促すために切り倒された間伐材が放置され、流失したことが被害拡大の一因となったとの指摘もある。「『切り捨て間伐』が一般的。朝倉市農林課の担当者は、間伐材がそのまま放置されることが多いと打ち明ける。格安な輸入木材の流通で林業経営が悪化し搬出費を確保できないという。自宅床上まで流木が押し寄せ、避難生活中の朝倉市の大工三木正人さん(70)は『放置された木が5年前の九州北部豪雨でも流れ出した』と話し、教訓を生かし切れていないと批判する」と伝えています。
こうしてみると、日本のライフスタイルの変化によることも起因していると考えられます。国土の70%を占める森林をもつ日本では今後似たような被害がいつ起こるとも知れません。今回の土砂災害に関しては、日本の林業の歴史を振り返り、国の林業の施策の在り方についても考えなければならないと感じています。

 東日本大震災の原発事故などを含めて、災害のたびに私たち一人ひとりが豊かな生活を追い求めたきた結果が被害の拡大を引き起こしたのではないかと反省させられます。

■活動支援金にご協力をお願い致します。
郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
*お手数ですが、通信欄に「2017九州豪雨」と明記下さい。
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2017九州北部豪雨水害救援ニュース 第5報

 現地入りした頼政代表からの10日の報告です。

 本日は、災害ボランティアセンターが実質2日目ということで、災害ボランティアセンターの運営のお手伝いを行いました。
 合計で105名の方にお手伝いいただきましたが、まだまだ現場ではボランティアを求めており、もっとたくさんの方に参加していただきたいところです。大鶴地区では、避難指示解除と共にボランティアが入れるようにサテライト設置の準備が進められています。

 市内の避難所では、帰宅困難である小野地区の方が多く避難されている避難所には冷房等がなく、厳しい環境にあります。
 日田市としては、環境が整った別の避難所に移動してもらうように準備をしていたようですが、ヘリコプターで避難したり別の避難所から移ってきたりしている疲労がたまっていること、また、別の避難所では居住していた地域から離れてしまうことなどを理由に避難所を移動したくないという声も出ており、移動は進んでいません。これから暑さもますます厳しくなる中で、避難所の環境整備が急務の課題となっています。

 被災した地域では、連日の作業によって住民の方々も疲れが見えて来ています。
「ボランティアが来てくれるのを待っている。早く来て欲しい」という声も聞こえて来ます。

 土砂崩れや崩落などにより、帰宅が困難で避難が長期化しそうな方も出てきています。
日田市役所では、そうした方々のために今日から公営住宅の入居募集の受付も始まっていますが、数は十分に確保されていません。避難所をケアするボランティアも求められています。                               (頼政 良太)

<事務局より>
 雨と暑さで作業も思うように進まない被災地では、被災者の疲労の色も濃くなりつつあります。避難所では、冷房などもないところもあり、この梅雨時期の湿気や暑さはより被災者を身体的にも精神的にも追い詰めていきます。 避難所の環境整備は急がれます。また、過去の被災地では食事の面でも多くの被災地では、コンビニの食事が3食、数か月続いたり、段ボールベッドや間仕切りがない、さらに障害者へのバリアフリーがなされておらず、被災家屋で過ごしていたという事例もあります。内閣府からは2016年4月に「避難所運営ガイドライン」が出ていますが、その中でも「避難者の健康管理」、「寝床の改善」には冷暖房の完備・間仕切り、段ボールベッドなどの確保について書かれています。また同時に「福祉避難所の確保・運営」、「避難所のおけるトイレの確保・管理関係」などが示されています。被災者にとってよりよい環境整備が求められます。
(内閣府HPより http://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/)

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2017九州北部豪雨水害救援ニュース 第4報

 現地入りした頼政代表からの9日の報告です。

今日9日は雨のため、日田市災害ボランティアセンターは中止となりました。
現地にて西原村一緒に活動している西原村百笑応援団の河井昌猛さんと合流し、状況の確認を行いました。

 まず、市内の避難所に行ってみましたが、約70名の方が避難しているとのことでした。小野地区から避難されている方は、未だに道が通行止めのため自宅に帰ることが難しい状況とのことでした。一方で、こうした帰宅が困難な地区以外の方は、徐々に自宅に戻っている方が増えているようです。避難が長期にわたる方への支援が今後の課題となりそうです。

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 午後からは数名のチームに別れ、被害の大きかった地域以外の比較的被害の小さなエリアを見て回りました。私のチームは羽田地区というエリアを回りました。被害の小さいエリアとはいえ、川が氾濫して床上50センチの浸水があったりと、ところどころ甚大な被害が出ておりました。ボランティアがくる前に自治会など隣近所の方々が協力して家の中の荷物を取り出すなどの作業をされていました。

「5年前の水害で床上浸水して、フローリングや壁紙をやり直したばかりで、また被災した。お金がかかるのが大変だ・・・」
「この地区は水害に慣れているから助け合いがすぐにできている。家の周りがまだ片付いていないのでボランティアを頼もうと思ったが、山田地区の状況を見て取り下げた。こちらの地区よりも被害の大きな地区を優先してボランティアに行って欲しいと思って。」
「土砂が来てトイレも泥だらけで大変。近所の助け合いで家の家具は出したけど、それ以外はなかなか高齢者だから難しい」
「ライスセンターをやっているけど、機械が水に使って何百万かかかる。家の中に水が入らなかったのは良かったのだけど・・・」

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 今回、回ったエリアの中には集落の中で1件だけ床上浸水したというお宅もありました。自宅の片付けを家族の方々でされており、疲労も溜まってきているとのことでした。

被災後の疲れがたまり始めている時期だけに、ボランティアの力がより求められていることを感じました。

■今後の展開について
ボランティアセンターでは、避難勧告が出されている大鶴地区に、解除と共に素早くボランティアが展開できるように、サテライトを設置していく準備をしています。今後は、避難所での足湯ボランティアも検討していきたいと考えています。(

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<事務局より>
現在までに被害の実態が出ていないので、何とも言えませんが、今回と同じ線状降水帯の豪雨により2年前の2015年9月に発生した鬼怒川決壊で浸水被害を受けた常総市では、床上1メートルを境に「大規模半壊」か「半壊」が決まってしまい、床上90センチで半壊の査定を受けた被災者もいました。半壊では生活再建支援法による支給はありません。半壊でもほとんどの家財道具も水につかり、壁は時間が経つにつれて水が上に上に浸透していきます。常総市では約3000世帯もの被害が出たにも関わらず十分な支援が受けられませんでした。(後に特例として茨城県と常総市が1/2ずつ出して25万円を半壊世帯に配分しました。)
今回の場合も被災者に対して、柔軟な対応を行政にはしてもらいたいものです。
ちなみに、火災保険に水害の補償がセットされていれば、最大で住宅の立て直しに必要となる保険金を受け取れるそうです。
(詳細はこちら(朝日新聞2017/7/)http://www.asahi.com/articles/DA3S13016294.html

■活動支援金にご協力をお願い致します。
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2017九州北部豪雨水害救援ニュース 第3報

日田市に先遣隊で入っている鈴木からの8日の報告です。 

今日は、日田市内の大鶴地区を回ってきました。ここはまだ避難勧告が出ている地域で、地域内の小学校で避難されている方々が80名ほどいらっしゃる地域です。
そこから山へと続く道が寸断されているため、まだその奥の集落にいらっしゃる方々も少なくないようです。

「家の裏をみてください。5年前にも水害があったところですが、これほどの被害はなかった。今回は前回の比ではありません。」
「一人暮らしだから、どこからどう手をつけていいのか…」
「ボランティアさんにも手伝ってもらおうにも、どこからどう手をつけていいかわからないくらいだから、もう少し自分で片付けてみます」
そうした声も聞かれました。

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 寸断されている道路が開通した後、また避難所に来られる方もいるかもしれない、ということで、まだまだ復旧のめどは立っていない様子です。

 どこから土砂や流木が流されてきたのかよく分からないくらい、川から、また山からと至るところでの崩落や崩壊などで被害が出ているようです。

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 大鶴地区は今後、ある程度の家屋や土砂の片付けなどが終わっても避難生活を余儀なくされる方もいらっしゃるようです。特に被害が大きい地域のひとつで、先行きが見えない不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 土砂や流木などによってかなりの被害があちこちで見られる日田市ですが、市内の観光地でもある豆田町の古い町並みでも泥をかき出す住民の方々の姿が見られ、場所によっての被害は異なりますが、様々な被害が出ている状態です。
ですが、水害ということもあり、「早く片付けなければ」と、住民の方々が必死に片付けておられる姿があちこちで見られました。

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 日田市ではボランティアセンターが本日開設され、今日は150名を超える方々がボランティアに訪れ、活動をされていました。今後避難指示、避難勧告が解除されるまで、アクセスできる地域での活動をしながら、解除後の次の展開へと準備をされています。

かたや、「今日ようやく父親と連絡が取れて、市内にヘリで運ばれてきたんです」という方にお会いしましたが、小野地区という、ここもまた道が寸断され、自然のダムが出来てしまっていて、その小野地区に取り残されている方々の救出が自衛隊や警察などによって進めれています。

 様々な日田市内での地域でそれぞれの被害状況の中、復旧活動がこれから本格化していくかと思います。とはいえ、三隅川(筑後川)へと流れ込む支流を多く抱える地域でもあり、家屋の被害がなくても土砂崩れなどによる道路の封鎖なども発生して、消防団や住民の方による撤去作業をされている地域もありました。もう少し目を凝らしながら、取り残されている方がいらっしゃらないか、フォローを続けてまいります。

本日9日より代表頼政も鈴木と合流し、引き続き現地調査などを行います。
引き続きのご支援どうぞよろしくお願いします。