2017九州北部豪雨災害救援ニュース 第12報

福岡県東峰村にて活動を通じて

九州豪雨水害の被災地東峰村の岩屋地区において活動を続けております。ここは大分から福岡へと流れる筑後川の支流・大肥川、この大肥川に県境付近で合流する「宝珠山川」の周辺に位置するところです。
この岩屋地区の下鶴集落で活動を続けておりますが、ここにたどり着くまでにいくつもの大規模な土砂崩れなどによって道が寸断されていた場所を通り抜けて、さらにこの下鶴集落の間を抜ける県道も土砂崩れと濁流が一気に流れ込んで県道自体を破壊しながら流れて行ったため、現在道路の復旧作業が国交省を中心に行われているという状態です。

かなりの流木が流れ込んできているため、まずそれを取り除く作業として、昨年の熊本地震で被災をされた西原村の古閑地区の皆さんが重機やチェーンソーなど様々な道具を持ってこられていたので、それを持って活動を始めました。

まだまだ家の中の土砂を出したり、また家の周りの片付けや、家財の運び出しもこれからという状態です。

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このあたりは「日田杉」で有名なところです。東峰村は特に福岡県内では年間4万㎡もの木材を出している、県内で有数の林業のところでもあるそうです。ですが、徐々に従事者も少なくなっている状態だそうです。

ふと疑問に思い、他県ですが林業に従事する方からお話を伺うことができたのは、「杉とヒノキの植樹はどう棲み分けているのか」ということです。
中山間地に参りますと、何気なく杉やヒノキを目にするのですが、これは実は「土地が肥えている、水分が多いところに杉を植え、土地が痩せているところにヒノキを植える」ということだそうです。
また、その方は九州に来られた際、山を見てこんな感想を持たれたそうです。
「挿し穂(挿し木)がほとんどだなぁ」と。これは木を植樹する際、別の場所で育てた苗を山に植樹するということだそうです。種を植えることを「実生(みしょう)」というそうですが、一般的には挿し穂(挿し木)がほとんどです。

また研究(松永孝治(2008)九州森林研究 61 : 124-127.)によると、「スギにおいてさし木は実生に比べて初期成長が劣るものの,通直性や形質の均一性に優れるといったこれまでの通説(有井,1986;藤澤,1998;宮島,1989)をほぼ支持する結果となった。ヒノキではさし木は実生に比べて通直性で優れること, 実生は成長量でさし木より優れることが確認された」とあります。一定の品質の木材を生産するためにはやはり挿し木の方が好まれるということが経験や研究などからも分かっていることのようです。

この挿し木と実生には根の違いもあるようで、成長において実生は直根で深く地中に根を伸ばし、その後横へと根が生えてくるそうですが、それに比べて挿し木の場合は根が横に生えていくようです。

こうして、有数の杉の生産地での今回の被害、ということは逆に今やほとんど従事者がいないような山林に今後大きな雨に見舞われた時にはどのような状況になるのか、ということにもつながります。これは、日本全国、今後この量の雨に見舞われた時、こうした被害がどこでも起こりうる可能性があるということとして捉えることができます。

そして今一度、山古志で聞いた言葉が思い出されました。
「これらの工事は山の中に災害を閉じ込めて、下流にある都市部を守るためのものでもある」

これから様々な砂防工事などが被災地では行われていくと思われますが、それはこの雨で被害を受けた方々のくらしを守るものであると同時に、この土砂が流されて下流にある都市部に影響が及ぼされないためのものでもあることを考えること、この災害は決して他人事ではないのではないでしょうか。

今はまだ復旧に、そしてまだ行方の分かっていらっしゃらない方々もおられる中、多くの方々が被災地で尽力されていますが、まだまだこれからです。
どうか心を寄せていただければ幸いです。
                     (鈴木 隆太)

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