「平成30年7月豪雨」災害レポート―NO20

増島智子の現地レポートを紹介します。以前のレポートで、“思い出守り隊”が作業する大切な思い出の詰まった写真の洗浄ボランティア、保育ボランティア、学習サポートボランティアなどなど、ボランティアが不足する中で、こうした「痒いところに手が届くようなボランティアも求められます。今日の現地レポートは“宝もの探したい”の話ですが、阪神・淡路大震災でも、倒壊した家屋の中から大切なものを探し出すボランティアが活躍していました。多彩なボランティア活動が被災者に寄り添うことで、被災者が笑顔を取り戻したり、
暮らし再建の心の第一歩を踏み出したりされます。

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この間、避難所では足湯をしたり、家屋の土砂出しをして来ました。神戸で一緒に活動した仲間が久しぶりに東京と香川から駆けつけてくれました!
家屋の泥出しでは、大量の土砂を前にスコップを持つ手も力強く、台所スペースがすっきりしてきました。そして、お位牌がありそうなスペースにも捜索の手が伸びてきます。持ち主のお母さんも、「もう無理よね。でもここにあるかもしれない」と気持ちが揺れますが、土嚢袋を広げたり、時には鍬をもってお手伝いしてくれます。みんなでお位牌を探します。お陰で、次々と泥がなくなり、お母さんも「こんな風になるとリフォームできるかもしれないね~」と思わず笑みがこぼれます。長年住み慣れた家を急に失うということのつらさを感じます。夢なら覚めてほしいと・・・。

翌日には、埋まったタンスを壊しながら、中の洋服を救出しました。土砂をよけ、荷物を出しての繰り返しです。昔のタンスは、以外に丈夫なのでびっくりしました。こうしてボランティアさんの地味な活動がつながって、少しずつ大切な品や思い出を救出しています。果てしない土砂との戦いですが、確実に進んではいます。
そして、やっとみなし仮設のアパートへの転居が決まり、少しで引っ越しのお手伝いをさせて頂きました。冷蔵庫や布団、電子レンジなどここからまたあらたな生活が始まります。

被災者のみなさんは一部新居が決まり、安堵の表情を浮かべますが、新しい生活への不安と被害に遭った住宅をどうするか心が揺れています。
復旧作業しながら、新しい家の準備などまだまだ心は休まりません。ボランティアの手も全く足りておらず、手つかずの家屋もあります。被災者の皆さんはこの酷暑の中を汗だくでフラフラしながらひとカキひとカキ土砂をすくい、家の外に排出しています。
もっともっとボランティアに来てください。どうぞよろしくお願いします。
(増島 智子、2018年8月3日)

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「平成30年7月豪雨」災害レポート―NO19

「平成30年7月豪雨」災害から、ようやく1ヶ月が過ぎた。「被災地での死者は、岡山、広島、愛媛3県を中心に15府県で225人に上り、平成最悪の豪雨災害となった。」「死者が113人と最多の広島・・・」(神戸新聞、2018・8・6)と、広島は4年前の大規模土砂災害の人的被害をはるかに超えてしまった。災害から1ヶ月にあたっていろいろな検証報道を見ると、そのほとんどが“救えたいのち”と言えるだけに悔しい。そして未だに「3日現在で11府県約2万3000人への避難指示が続き、約3600人が避難所に身を寄せる。」(毎日新聞、2018・8・6)

一方、ボランティアはこの猛暑の中、懸命の作業に従事している。しかし、5日神戸で開かれた兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科での報告会では、「ボランティア不足が課題」と浮き彫りになった。同8月6日付朝日新聞新聞では、「ボランティア不足深刻、被害広範囲・活動内容が制限」という見出しの記事が目に止まる。
被災者(地)にとって深刻な課題であろう。その上で敢えて考えなければならないことは、根本的な問題が何かを掘り下げなければならない筈だ。それは、阪神・淡路大震災後、「ボランティア元年」と称賛され、通称NPO法が成立し、いわゆる「新しい公共」の幕開けとなり、以来23年間全国各地で「災害ボランティアコーディネーター養成講座」など再々開かれ、災害時のボランティアの有効性が説かれてきたにも拘わらずだ?

来る南海トラフ大災害や首都直下地震に対する備えが叫ばれている中、この状態では「ボランティア元年」が築いたボランティア文化が綻びたと言われてもやむを得ない。
忸怩たる思いで、昨日も神戸からボランティア・バス2台を派遣した。まさに“砂漠に1滴の水”に過ぎないかも知れないが、参加されたボランティアは猛暑の中、もくもくと活動し被災地をあとにして帰神された。下は18歳から、上は78歳まで約40人。ほんとに頭が下がる。
次は8月10日(金)に再度ボランティア・バスを派遣する。まだ空席があるので是非申し込んでください。→詳細は、078-574-0701 被災地NGO恊働センターまで。                            (村井雅清)

以下長くなりますが、現地広島市小屋浦地区に入っている頼政代表からのレポートを
紹介します。
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8月3日は小屋浦地区にある「たかね荘」という特養に向かいました。ここは避難所には指定されていませんでしたが、現在は避難者20名ほどを受け入れています。
この避難所では、まだダンボールベットがうまく導入されていませんでしたので、兵庫県立大学のメンバーと共に設置をすることになりました。

はじめは、「私は布団だけの方が都合がいいんよ」と遠慮していた方もいましたが、
兵庫県立大のメンバーが話をしていると、「じゃあ作ってみてもらおうかな」とダンボールベットを使ってみてくださいました。

避難所の中では、「周りに迷惑をかけるから」「狭くなるとみんなが困るのでは」
という遠慮から様々な支援を遠慮される人が多くいます。

しかし、少し話を聞いてみると被災者の方の気持ちが少しずつ滲み出てくるように思います。
町営住宅への引っ越しのお手伝いをした方は、「ひとまず半年は家賃が無料じゃけえ、その間に先が見えるように頑張るわ」また、別の方は、「やっと家が決まって一安心。ボランティアの方が手伝ってくれて地域の方もよくしてくれるので、少しずつ前向きになってきたよ」というお話をしてくれました。

災害発生から1ヶ月が過ぎた今、みなさん、少しずつ次の生活へと移るステップを踏んでいる中でなんとか前向きに進んでいこうとしている様子が見受けられました。
まだまだ先が見えない不安があるのですが、こうした被災者の方々の後押しをできるように支援を続けていきたいと思います。
(頼政良太)

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「平成30年7月豪雨」災害レポート―NO18

「平成30年7月豪雨」災害発生から1ヶ月を前にして、政府、地方自治体、民間企業、地域コミュニティなど各々の課題が浮き彫りになってきた。気候変動により、つい「異常気象」と言いたくなるほどの気象災害が次々と発生している現実と向き合うならば、あらためておのおのがしっかりした検証が不可欠だと言える。
一方、大阪北部地震後、一貫して大阪に踏ん張ってボランティア活動を展開している人たちがいることを忘れてはなるまい。中でも、壊れた瓦屋根のためにブルーシート張り講習会を続けている。この技術は、もちろん今回の同地震の被災者に喜ばれていることは言うまでもないが、きっと今後の地震災害には役立つことは間違いないと思われるので、大阪はじめ近隣の人たちは是非この研修を受けて欲しいと願う。
(*問い合わせは、070-3149-9333:茨木ベース代表電話)

また、豪雨災害による西日本の被災地では、相変わらずボランティアが不足し、もう1ヶ月になるにもかかわらず、コツコツと被災者自身が片づけをされている姿も少なくないようだ。夏休みに入って各地のボランティアチームが動き始めているようだが、残念ながらまだまだ本格的とは言えない。そうした現実を前にして、当被災地NGO恊働センターは以下のように神戸からボランティア・バスを走らせる。ご協力をお願い致します。
①日時:8月5日(日)JR神戸駅南口集合
午前7時出発(集合6時40分 活動場所:倉敷市真備町
(定員になり応募は締め切りました。)
②日時:8月10日(金)JR神戸駅南口集合
午前7時出発(集合6時40分) JR神戸駅前午後6時半頃着(運行:名鉄観光)
活動場所:倉敷市真備町 定員 15名(先着順)
③KOBE高校生豪雨災害ボランティア(参加者は高校生に限定)
日時:2018年8月24日(金)6:50~19:00頃
集合・解散場所 JR住吉駅南2号線沿い(東灘区民センターうはらホールすぐ南側付近)活動場所 岡山県倉敷市真備町
*いづれも問い合わせは被災地NGO恊働センター村井まで(090-3160-3816)

今後お盆明けから、随時ボランティア・バスを走らせるつもりですので、神戸のみならず周辺の主要駅から「ボランティア・バスを出すなら、私は引率できますよ!」という方がおられましたら是非申し出て下さい。一人の引率者が手を挙げて下されば、最低20人のボランティアを被災地に派遣することができます。是非ご協力をお願い致します。
(村井雅清)

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「平成30年7月豪雨」災害レポート―NO17

この間、少しずつですが避難所では環境改善のお

手伝いや足湯などを提供させて頂いています。それでも広い被災地でとても私たちだけの手では足りません。
そこで、呉市社会福祉協議会のご依頼で地元の民生委員の方々に足湯を覚えて頂いて、それぞれの地域で取り組んでもらおうと、足湯講習会が呉市の吉浦という地区で開催されました。そこには呉高専の生徒さんと教師の方も参加してくださいました。
民生委員さんの中には「自分たちでも何かしないとと思ってね、水害の当時はみんなに安否確認の電話をして、避難者の人がいるから、地域の施設にお願いしてお風呂を借りたり、お弁当を作ってもらったり交渉したのよ」と話してくれました。自ら率先して行動されたことに驚きとともに、感動しました。こうして地域の事情が分かっている人たちがいて、地域力がたくさん

あって、ボランティアが少ない中でも、地元住民が助け合い、支え合う姿が各地にあるんだなと思いました。

そして私たちが、避難所で段ボールベッドを作っていると、最初は怪訝な様子で見ている被災者の人も「私も手伝うよ!」とベッドづくりを一緒にしてくれます。そして「この人は足が悪いからベッドがあった方がいい!私が聞いとくから!!」と避難所の人たちに必要かどうか聞いてくれます。そして「ベッド屋さん、いくつ必要だよ!」と教えてくれて、いつしかベッド屋さんになってしまいました(汗)。

また、坂町の小屋浦地区の避難所でも、ベッドを作っていると台風で緊急避難してきたおばあちゃんが「避難所にいても何もすることないからね。私も手伝うとよ!」と段ボールベッドづくりをボランティアと一緒にしてくれました。「水害前は、プールに泳ぎに行ったり、家庭菜園をしていたり、いろいろ身体を動かしていたからね」とつぶやきながら、、、、「ささやかに暮らしていたのにこんなことになるとはね~」と淋しそうに・・・・。
そして、中には小学5年生の女の子もお手伝いしてくれました!おばあちゃんが「他の子にはできない貴重な体験ができていいね。」と笑みもこぼれます。被災し、避難生活が長引く中で、土砂の片付けまではできないけれど、避難所で何かできることがあれば一緒にして、少しでも避難所での暮らしを快適にできればと思いました。
(2018年7月30日、増島 智子)

*お詫び:前号で広島市東区の「馬木避難所」と表記しましたが、正しくは「福木避難所」です。申し訳ありませんでした。

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「平成30年7月豪雨」災害レポート―NO16

1951年以来の観測史上初めてという、東から西に向かって進む台風12号が西日本の被災地を舐めるように過ぎ去っていきました。幸い大きな二次被害にはならなかったようですが、住民の多くは不安と恐怖の数日間を過されたようです。さすがに今回は早めの避難をされた方が多かったことで、今後の対策にいろいろな教訓を残したのではないでしょうか?

下記に29日の現地レポートを紹介します。今回の豪雨災害被害の80%が、土砂災害危険区域と指定された箇所で発生しています。また広島の場合は、近年において3度目の被害です。同県も何度も避難勧告や指示を発令したにもかかわらず、早期避難が徹底していない現実を浮き彫りにしました。しかし、このレポートでもわかるように、さらに根本的な問題が何なかを考えなければならないように思いました。
(村井 雅清)

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一部地域で被害が出てしまった異例の台風12号ですが、幸いにもここ広島では大きな被害がでることなく、通り過ぎたようです。この日は、被災地域ではほとんどで避難指示や避難勧告など出ていました。避難所では、みなさん“雨の音が怖い”“また、家がどうなるのか”心配と不安な声が聞こえてきました。そんな中で、足湯をさせて頂きました。神戸と岐阜から駆けつけてくれたボランティアさんと一緒に避難所(広島市東区馬木)を訪れました。

「今日はお風呂がないから、足湯ができてよかった」
「あー足が軽くなった~」(足湯をする前は膝を引きずるように歩いていました。)
「こんなことしてくれるのね。」
「私は足湯が好きだから」

中には、昭和20年の水害を経験した人もいました。その男性の話によると、「大きな岩がごろごろと地響きをたてながら転がってきた。今回も同じように地響きが聞こえた。でも今回のほうが大きな岩がごろごろ落ちてきて、当時より酷いよ。」と話してくれました。広島県内には50基以上の水害の碑が建立されていて、その教訓を先人は伝えようとしていました。東日本大震災でも同じように大津波の碑が三陸沿岸の各地にありました。多くの方が犠牲となってしまいました。


他の地区でも「明治40年の水害を経験したおじいさんが、「わしに金があったらお前にこの土地は買わせとうない。と言ってくれたのじゃが、その土地を買って今回こんなことになってしもうた」と話してくれた悲しそうに話すおばあちゃんもいました。

今回の台風12号のように異例のコースをたどるなど、これまで以上の豪雨をもたらす気候変動のなかでどう災害を防ぐのか、私たちはあらためて考えさせられます。
いまだ被災地では行方不明の方がいらっしゃいます。一日でも早く見つかることを祈っています。
(増島 智子)

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「平成30年7月豪雨」災害レポート―NO15

昨日の本レポートで、被災地支援ボランティア・バス派遣プロジェクトのご案内を差し上げましたところ、大分、島根、岡山、神戸から早速の問い合わせがありました。ありがとうございました。やはり、過去の被災地や近隣地域の方々は、今回の豪雨災害により被災者(地)支援に少しでもお役に立ちたいという思いを強く持っておられるようで、大変勇気づけられました。こうしたしくみを特に西日本で拡散することで、「今までボランティアの経験はないのでひとりで被災地に行くのは不安だけど、バスでみんなで行って、一緒に活動するなら、是非行きたい!」という方々のお手伝いができます。
しかし、このしくみを限りなく継続するのは資金の面で難しくなります。是非、被災地にボランティアを送り込むために、このプロジェクトにご支援ください。
日本には、お盆に亡くなった方々をお迎えするという習慣があります。もちろんすべての被災者ではありませんが、「お盆はゆっくりしたい!」という気持ちになるでしょう。従ってこのボランティア・バス派遣プロジェクトは、とり急ぎお盆までに可能限り派遣したいと思いますのでご理解下さい。
●“ボランティア・バス プロジェクト”ではボランティアバスの引率者を募っています。詳しくは下記URLをご参照ください。
https://www.facebook.com/KOBE1.17NGO/posts/1975498372469989

豪雨災害発生から3週間となり、各報道でも被害実態の詳細が発表されています。まず被災者にとっての暮らし再建の第1歩は、「住まいの確保」です。神戸新聞、7月28日付け朝刊に「被災者用住宅7500戸確保」と出ていました。すでにお伝えしましたが、政府は今回住宅を約7万戸用意したと発表していました。今朝の被害実態では、一部損壊・床上・床下合わせても約4万5000棟です。全壊・半壊をあわせても6万戸に達しません。ということはすべての被災者が一時的な住まいを求めればクリアできるということにもなります。
しかし、制度上はいろいろな壁があるため、今回の水害被災者に関しては、被害に遭った現在の住まいと用意された新たな住まいとの二重居住を時限的に認めれば、相当な被災者にとって朗報となるでしょう。東日本大震災の場合も、「東日本限定」という時限的制度が幾つもありました。これに倣って、こういう二重居住を認めると予想外の効果が表れることも期待できます。例えば、いわゆる「災害時要援護者」の方々が、場合によっては「今後、もし健康上の心配ごとがあればより医療機関や福祉施設に近いところに住まれる」ことで、対応する機関やNPOのサービスが届きやすくなるという利点が出てきます。南海トラフ大災害を想定しますとこうした社会的実験を思い切って実施して頂きたいと願います。
(村井雅清)

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「平成30年7月豪雨」災害レポート―NO14

豪雨災害から3週間が過ぎました。赤十字による洗濯ボランティアが現れ、被災者も一歩一歩もとの暮らし感覚に戻りつつあります。一方で、未だに家に堆積した土が撤去できず、また家の前の道路も土や流木や車はじめ流されてきた電化製品などが重なり合い、元の暮らしには程遠いという被災者も少なくありません。

とにかくボランティアが足りません。8月5日(日)神戸から出すボランティア・バスも、希望者が多くマイクロバスを1台追加しましたが、すぐに定員に達し、申し込みは締め切りました。もし「私が20人ほど集めて引率しますよ!」と言う方がおられましたら、バス代金は当方が負担しますので、村井まで相談してください。(村井:090-3160-3816)
*8月末には、神戸市内のある高校がバスを出したいと言う申し出がありました。

九州北部水害の被災地である「大分県日田市」からも宇和島市にボラ・バスがでます。
また、県内の被災地の片づけを終えて島根県出雲市からも近々でます。鳥取地震のあった被災地からも今準備中です。
こうして、いろいろなところからボランティア・バスを出すために資金が必要です。何度もご寄付の呼びかけをし恐縮ですが、何卒ご理解下さい。バス代への寄付は、通信欄に「バス代」と書いて下さい。
(村井雅清)

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「平成30年7月豪雨」災害レポート―NO13

気のせいか水害関連の報道が減って来たような気がします。ボランティア志願者の関心が薄れるのが心配です。まだ避難指示解除ができていない人たちが23,000人もおられます。
また避難所等に避難されている方々は、約4000人とのこと。
一方で、今日中にはすべての断水が解消されるようです。そして広島県坂町、愛媛県大洲市、西予市、岡山県倉敷市では仮設住宅の建設が始まりました。「みなし仮設」についてはすでに受付が始まっていますので、被災者はとりあえずの住まい確保の計画を立てることになるでしょう。

しかし、これまでの経験から可能な限り期限を決めずに、じっくりと考える時間を提供して欲しいと思います。政府は、熊本地震の際にも採用したフェリーの一時避難所使用を今回も倉敷市で採用しました。熊本では充分に活用されなかったとも聞きますが、他方少しの被災者でも活用されるならば、選択肢が増えるので継続して頂きたい。

ところで被災地でのボランティア活動も、保育ボランティアが現れたり、避難所での足湯ボランティアが動き出したり、東日本大震災でも注目された「大切な思い出を失わないように、写真洗浄ボランティア」(毎日新聞夕刊、018・7・24)も登場しました。まさにボランティアの多様性の本領発揮ではないでしょうか?長期戦を前にして、多彩なボランティア活動が期待されます。

もう被災者は披露困憊の上に、先々の生活設計に関する不安、避難生活のストレスなどから「災害関連死」が懸念されるところです。せっかく大災害を乗り越え、生き延びたにもかかわらずその後の避難生活でのストレスやエコノミー症候群発症で命を落とすということだけは避けたい。専門家の方々とボランティアが連携してさまざまなサービス提供をすることで関連死を防げることもあります。被災者の「自助」といろいろな関係者との「共助」が効果を発揮します。是非、一人でも多くの方がボランティアに参加しましょう!!
(村井雅清)

8月5日(日)神戸からボランティアバスを出します。希望者は、被災地NGO恊働センターまで申し込んでください。
詳細はこちらを↓
http://ngo-kyodo.org/201807gou/2018/07/23/

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「平成30年7月豪雨」災害レポート―NO12

昨日の本ニュースで「被災者宅に行って、まずやることは被災者が休憩できるように、一部屋だけを集中して片付ける」というボランティアのユニークでかつ、被災者の心理を配慮したアイデアを紹介しました。偶然でしょうが、今朝(24日付け)の毎日新聞の「不安でも我が家に」という見出しが飛びこんできました。やはり、多くの被災者は「住み慣れた環境で暮らしたい。」(同紙)と願っているようです。一方で避難指示が解除されていない世帯もまだまだ多く、不安と同居しての暮らしになるようです。こうした被災者の思いを考慮すると、仮設住宅(みなし仮説)への入居という選択肢のみではなく、一部修理してとりあえず住んで見たいという(すでにこの救済制度はあるのですが)選択肢も可能にして欲しいものです。現行制度では、こうして応急修理をしてすむ場合は「仮設住宅への入居」はできないという制度なのです。被災者が一日も早く自立するとすれば、まず住まいの確保なのです。
とは言え、決断するまでにいろいろ考えることが“ヤマ”ほどあるということを理解して欲しいと願います。今日報告する広島からの現地レポートにも「暮らしに仮はない!」というメッセージを紹介しているように、どのような状態で住むにしても「仮ではない!」ということが自立の第1歩であることを受け止めたいと思います。       (村井雅清)

以下に広島で活動する増島智子からのレポートを紹介します。

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広島の被災地にきて初めて避難所で足湯をしました。本当に被災者の皆さんは連日の暑さの中と砂が堆積した悪循環な道のりを行ったり来たりして、疲れも限界を過ぎています。いまは気力でがんばっているように感じます。

今日の足湯は、坂町の小屋浦地区の小屋浦小学校の体育館でさせて頂きました。いつもお世話になっている地元のボランティアグループコミサポ広島の植木さんとゆめ風基金の会員で神奈川在住の宇田川さん、避難所改善で連携している兵庫県立大学減災復興政策研究科院生の立部さんが一緒に活動してくれました。

「こんなこともしてくれるの??」
「うわ~気持ちいい」
「昨日はマッサージで、今日は足湯でダブルで嬉しい」
「汚い足でごめんね」
「あー温かいね」
「毎日の片づけで、足がほてっているのよ。気持ちいいわ」
ととても好評でした。

ひとつ印象に残ったつぶやきですが、「ここは本当に快適ですよ。みんな優しいし、普段は3人家族だけど、たくさんの人もいるから、楽しいですよ」と笑顔を話してくれました。そして「息子がね、家に帰るってお友達にいったら、お友達がびっくりして、“お前の家は浸水したでしょ”と。そして息子は“うんそうだよ!いまは体育館が家だから、家に帰ると”というんですよ。そのくらい居心地がいいんですよ」と話してくれました。阪神・淡路から言われていることですが、まさに『暮らしに仮はない』ということですね。今回、あらためてそのことを実感しました。避難所でさえ、被災者の方にとっては、仮ではなく、そこが暮らしの場なのです。

また、女性の方では、食事について尋ねると、「毎食美味しく頂いています。残さずきれいに食べていますよ」と答えてくれました。「でも野菜が少ないんじゃないですか」と聞くと、「はいそうなんです。この間野菜はほとんど口にしていないですね。便秘になっています」と。これもまた毎回被災地で起こる課題の一つです。パンとおにぎり、お弁当など炭水化物や味の濃いお惣菜が多くて、この2週間でかなりの野菜不足になっています。

他にもボランティアに頼まず、家族だけで家の掃除や浸水した家具の運び出しをしている人も多くいるようで、ボランティア不足ではありますが、「ボランティアさんにお願いしてくださいね。」とお伝えしました。

それでも今日はごく一部のつぶやきで、もっともっと声を出せない方がいることは容易に予想がつきます。今後も各所で足湯を展開していきたいと思います。

なお、今回足湯の道具を提供してくださったのは、薬師寺の猪さんです。どうもありがとうございました。足湯用のタオルも岩手県遠野市さんはじめ全国のいろいろな方々から送られてきたものです。また足湯をするときに飲んでいただくお水は高野山金剛峰寺社会人権局さん、そのお水を入れる紙コップは、神奈川の総寺院さんなどたくさんのご支援をいただいております。

みなさんのお陰で活動できています。どうぞ今後とも長期支援が予想されますので、ご支援・ご協力の程よろしくお願いいたします。
(増島智子)

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「平成30年豪雨水害 ボランティアバスを運行します」

交通費はいりません!!「平成30年豪雨水害」の被災地の方々の為、神戸からボランティアバスで応援にかけつけましょう!!

-被災地応援のボラバスを以下のように運行します―
「ボランティアをしたいけど、初めてなので一人でどうしたらいいのか?」
「1日でも何か役に立たないだろうか?」と思っている人は、是非参加しませんか?

日時:8月5日(日)JR神戸駅南口集合午前7時出発(集合6時40分)
JR神戸駅前午後6時半頃着(運行:名鉄観光)
活動場所:倉敷市真備町
定員 20名(先着順)

西日本や中部地方の一部を襲った「平成30年豪雨」災害は、平成時代最悪の甚大
な被害をもたらしました。被災地では連日の猛暑にもかかわらず、全国各地からボランティアが駆けつけ、泥出しや家具の片付け、清掃などの作業を行っています。
しかし、ボランティアの数は全く不足しております。被災地ではまだ断水が続いていたり、渋滞があったりと不便な状態ですが、一人でも多くのボランティアさんを被災地まで届けるために、標記のようなスケジュールで運行します。参加希望者は、下記の被災地NGO恊働センターまでご連絡下さい。

●総合問い合わせ
【事務局】被災地NGO恊働センター
E-mail info@ngo-kyodo.org
TEL 078-574-0701 FAX 078-574-0702
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10
全体責任者 村井雅清 090-3160-3816
当日担当者 上野智彦 090-5857-6794

ボランティアバス事業は公益社団法人Civic Forceからご支援をいただき、パート
ナー協働事業として行います。

本ボランティアバス運行の詳細は添付書面をご覧ください。

→PDFは2018年8月5日ボランティアバスから

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