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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第54報

台風10号により、鹿児島県や長崎県を中心に約7万戸(8日11時現在)が停電をしており、避難先の民家で発電機による一酸化炭素中毒の疑いのある犠牲者が出てしまいました。長引く停電により、熱中症などの関連死も心配です。安全なところに避難し、一日も早い復旧を願わずにはいられません。
今日、村井顧問が神戸を出発し、明日から球磨村などに入ります。以下、増島の報告です。 

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 今回の滞在中では、コミサポひろしまのみなさんと一緒に坂本町での家屋の再生のお手伝いをさせて頂きました。一階はほぼ被災し、2階の床上までも被災しているお宅もあります。秀岳館の高校生は毎日のように来てくれて、泥出しや土壁を取り除いたり、清掃したりと頼れる存在でした。
私も、Mさん宅を毎日お邪魔して清掃活動を続けていました。そこへ、熊本地震の時に西原村で一緒に活動していた軽トラ部隊の森田さんがお手伝いに来てくれました。コミサポひろしまにもなんと一緒に軽トラ部隊で活動していたボランティア仲間の田中さんがおられ、久しぶりの再会を果たせたようです。
そして、森田さんと一緒にMさん宅へ。Mさんも病院に通いながら、家の様子を見に来ています。毎日少しずつきれいになっていく自宅を見ながら、「どんどんきれいになって、こんな幸せなことはないよ」となんとうれしい言葉でしょう。この日は、ボランティアセンターからも女性数名が参加してみるみるきれいになっていきます。泥だらけ、埃だらけの床やむき出しになった床下の根太などをたわしのようなものでブラッシングをして、雑巾で噴き上げて、消毒をしたり、きれいになったところを汚さないように養生したりと毎日少しずつですが、家を再生していきます。木材に入り込んだ泥は拭いても拭いても埃が湧いてきます。それでも何度も何度も拭き上げていきます。とても根気のいる作業です。それでもきれいになっていく柱や梁をみているとこちらもうれしくなります。本当に水害の後は地道な根気のいる作業が長く続きます。

そんな中、人吉市内にあるPOSKOにお米などの物資をお届けしてきました。「お米はとても喜ばれます。ちょうど無くなりかけていたので、これで少し助かります」と、とても喜んでもらえました。また、Sonotas株式会社様からご提供頂いた、ハンドクリームなどもお届けさせて頂きました。水害後の片付けで荒れた手を潤してくれます。天然製油からできたクリームはこちらも好評です。
元教師の女性たちが手探りで始めた物資拠点POSKOを通して、在宅避難者へサポートをしています。災害後に避難所にもいかずに、お風呂場に椅子を並べただけで、在宅避難をしていた男性に出会い、ずっとその方の支援をしています。「お弁当は避難所でもらえるよ!」などの情報も伝えています。彼女たちは「とにかく情報が欲しい!」と、被災して停電して、家電もない中で、ネットや携帯もつながらず、高齢者はなおのことを、紙で情報がほしいと訴えていました。取りこぼされそうな被災者に寄り添いながら、こちらでも被災家屋の再生を考えているそうです。また、障害のある子どもたちへの支援も何かできないかと検討しているそうです。

水害では本当に気の遠くなるような地味で根気のいる作業が延々と続きます。それに加えて、様々な補償制度の手続きなど、時に心折れそうになる被災者一人ひとりに、ボランティアが丁寧に寄り添っています。これからもどうか息の長いご支援をよろしくお願いします。 (増島 智子)
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〈〈緊急のお願いです!!〉〉
お米を少しでもいいですから提供して下さいませんか。お米は大変喜ばれます。当センターが責任をもって、援助の届きにくい人たちを優先し、かつ必要な被災者に届けたいと思います。何卒よろしくお願いします。当センターからお米の提供をお願いして以来、全国各地のみなさまから賛同を得て届けて下さっています。現在約1300㎏を越えました。お米は重宝されていますのでお米集めはまだしばらく続けたいと思いますので、引き続きご支援をお願いします。 

【送り先】
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
「被災地NGO恊働センター」まで
(注)現金でもお受けしていますので、下記の方法でお申し込みください。その場合通信欄に「お米代」とご記入ください。

■活動支援金のご協力をお願い致します。
・Yahooからも募金ができるようになりました!!
https://donation.yahoo.co.jp/detail/5240003/
・クレジットカードでも寄付ができます。
https://congrant.com/project/ngokobe/605
・郵便振替
    口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
・銀行振込
    ゆうちょ銀行 一一九支店 当座番号 NO 0068556
 名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「7月豪雨」もしくは「POSKO 」と記入して下さい。

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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第52報

大型で強い特別警報級の台風10号は、昨日午後9時ごろには沖縄・南大東島辺りから北北西に進んでおり、今晩(6日)夜には鹿児島に上陸するだろうと言われています。

 被災地球磨村の様子を午前8時頃に尋ねたところ、渡の島田・峯地区区長大原さんから次のような第1報が届きました。
「おはようございます。 降ったり止んだりですね。 
不気味な静けさ、午前中に保育園を開けて準備をします。 
うちの隣の公民館も開放します。 
村役場が放送している避難所は、多良木高校と一勝地地区なので峯や島田の人たちは遠いですね。」ということで、大原さんがお世話をしている島田・峯地区のみなさんは、公民館か高台にある保育園に避難することになるようです。とにかく早期の避難を願うところです。
台風10号は、5000人以上の命を奪った伊勢湾台風級(1959)の強い台風だとのことです。ほんとうに心配ですが、7月の球磨川の氾濫による豪雨災害後の復旧すらままならない中で、この上この台風が襲うと、もうやるせないという思いが強くなるばかりです。被害が軽微に終わることを祈るばかりです。

私は8日、3度目の熊本入りをします。新たなPOSKOとつながりましたのでお米などを届けに参ります。ただ、台風10号の傷跡がどの程度残るのか心配で、高速道路の通行不可や国道219号線の通行止めなどが再び行われる可能性が大です。
そして、今最も気がかりなのが、在宅避難の方々の健康被害です。すでに報道でも紹介されていますが、クーラーもない、カビだらけの自宅で暮らしている被災者が少なくありません。障害を持っておられる方々は、避難所での集団生活を敬遠される方もおられます。避難所で貰ったお弁当を夜に半分、翌朝に半分食べ、昼は抜くという生活の方も報道されていました。とにかく行政が徹底したローラー作戦で、取り残されている被災者を救助して欲しいと思います。ボランティアでは限界なのです。
                               (村井雅清)

〈〈緊急のお願いです!!〉〉
お米を少しでもいいですから提供して下さいませんか。お米は大変喜ばれます。当センターが責任をもって、援助の届きにくい人たちを優先し、かつ必要な被災者に届けたいと思います。何卒よろしくお願いします。当センターからお米の提供をお願いして以来、全国各地のみなさまから賛同を得て届けて下さっています。現在約1300㎏を越えました。お米は重宝されていますのでお米集めはまだしばらく続けたいと思いますので、引き続きご支援をお願いします。
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〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第51報

「2020年7月豪雨・被災地の現場から(第3回)」オンライン会議報告NO3

 猛暑が続く中で、台風9号、10号と続いています。9号は、今晩九州西北をかすめるように北上するようです。佐賀、長崎辺りへの影響が心配されます。続いて台風10号も大型で、2年前の西日本を襲った台風と同じ進路かもという心配な予測がされています。
さて昨日に続いて「2020年7月豪雨・被災地の現場から(第3回)」オンライン会議報告NO3を配信させて頂きます。

 第3回は水俣の谷洋一さんからの報告です。本レポートでも度々紹介して来ましたが、谷さんは、1970年代に水俣に入り、以後50年になりますが、水俣病事件の被災者支援とアジアを中心とした水銀中毒被災者との連帯や水銀条約に関する提言活動など、水俣に住みながら、被害者と共に闘ってこられた第一人者です。加えてこれまでにも「水俣市宝川内集地区土砂災害(2003)や熊本地震(2016)の時にも支援活動をされていますが、そもそも水俣病被害者の日常支援をしているため、災害の事前・事後には安否確認や見守りは日常の延長でもある活動なのです。今回の「2020年7月豪雨災害」においても、谷さんが住む芦北町津奈木での土砂災害や女島集落での被害など、地元の被害もありながらも、八代市坂本町、熊本県人吉市内、球磨郡球磨村などの被災地全域を見守って来られてきました。

 今回の報告で、印象的だったのは、球磨川流域で長く孤立していた芦北町白石や小口などの支援を早くから続けており、1971年の球磨川の氾濫の苦い経験をもとに、白石、小口などは2段階のかさ上げをしていたにもかかわらず、今回はそれを上回る水量だったために被害を受けたと、対岸からその2段階かさ上げがはっきりと分かる写真を紹介しながら説明してくれたことです。恥ずかしながら私は一緒に回っていて、谷さんから説明を受けるまではそのことに気づいていませんでした。さすがに水俣病の解明にも尽力されてきた豊富な経験が、こういう時にも自然にでてくるところが、すばらしいなぁと感心していました。私事で恐縮ですが谷さんとは50年来のお付き合いをさせて頂いてきましたが、今回の被災地視察にも大きなお力添えを頂いています。(POSKOの一つとしてご支援もさせて頂いています)。そして球磨川による自然の恵みの一つである鮎との共生が暮らしの一部であることが、白石集落を訪問した時に被害家屋の入り口に鮎を捕獲するための投網が干されていたのを教えてくれました。こうして谷さんと歩いていると、自然と暮らしの一体化がよくわかります。貴重な経験をさせて頂きました。

谷さんが、最後に強調されていたことは、防災・減災に関する取り組みは行政区を越えて行わなければならないということでした。芦北町と球磨村は隣接しているので、お互いに何事においても協力関係を築いておくことが大事だということでした。このことも、要は生活文化圏を考えると、普段の交易が住んでいる行政区ではなく、隣の行政区であるということも少なくないということを考慮しなければならないということでしょう。今回被災を受けた大分県中津江村も、普段の生活圏は隣の熊本県小国町などだとのことでした。従って県外ボランティアが被災地にはいるのは許されないというのは、被災地によって現実的ではないということが容易に判断できることです。
今後の課題にして欲しいと願うばかりです。(村井雅清)

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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第50報

「2020年7月豪雨・被災地の現場から(第3回)」オンライン会議報告NO2

 さて今日9月1日は防災の日ですが、猛暑が続く「2020年7月豪雨災害」の被災地ではどういう気持ちで9月1日を迎えているでしょうか。
さて昨日に続いて「2020年7月豪雨・被災地の現場から(第3回)」オンライン会議報告NO2を配信させて頂きます。

 NO2の報告は、災害直後の早い段階から八代市坂本町に入り、支援活動をされている「コミサポひろしま」の増田勇希さんからです。増田さんたちは、被災地の「チーム桃ちゃん」というママさんたちチームが展開している炊き出し活動や物資配布などのサポートをしています。一方で小玉代表をチームリーダーに、地元の高校生たちの応援も受け、浸水した被災家屋の“洗い”を、丁寧に丁寧にされています。私事で恐縮ですが、以前「洗い屋」という仕事をしていたことがあるので、「コミサポひろしま」のやることは、洗い屋を思い出すような仕事です。というより泥水の被った家屋の清掃ですから、平時における古民家の洗いとは何倍も大変だということが想像できます。「清掃」とか「片付け」とかを越えた作業です。こうした丁寧な作業なので、一度は再建をあきらめた被災者が、もう一度頑張って見ようと希望を見出すことができるのだろうと痛感します。コミサポ広島の増田さんが強調されていたのは、「再建するか、解体するか」と迷っていたいる人たちが、帰って来れる場所をどう作れるか?」ということが最大の課題ですとおっしゃいました。まさに「コミサポひろしま」もPOSKO 
ですが、POSKOのKOは、コミュニケーションとかコーポレーションという意味もあります。コーポレーションとは、「株式会社」とか「法人」を示す言葉ですが、ここでは共同事業体のようなイメージです。増田さんが強調された「地域の再生」というのは、いわゆるコミュニケーションのつなぎ直しであると思われます。そのつなぐ役割を担うのがボランティアであることをコミサポひろしまは実践しています。

 今後、復興というステージに移行していく中で、地域再生の核となる「坂本地区住民自治協議会」(坂本町には74自治会、27市政協力員、8振興区など複雑にあり、役割によって中心なる担い手が異なるようです。)が鍵を握ることになりますが、コミサポひろしまなど外部支援者と地元の団体との連携が不可欠になるでしょう。余談ですが、「洗い屋」というのは、ただ家屋を新品のように磨き上げるだけではなく、長年そこの住人が大事にしていた例えば「床の間」とか、あるいは子ども成長を刻んだ「柱の傷」とか、じいちゃん・ばぁちゃんとお茶のみをした「縁側」とか、生活の歴史を洗い直すという意味合いもあると思います。 (次に続く、村井雅清)

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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第49報

「2020年7月豪雨・被災地の現場から(第3回)」オンライン会議報告NO1

昨日30日当NGOと姉妹NGOであるCODE海外災害援助市民センターの主催で、「2020年7月豪雨・被災地の現場から(第3回)」オンライン会議が開催されました。
 今回のゲストスピーチは、球磨村神瀬に住む大谷知広さん、水俣市内に拠点をおいて芦北町、八代市坂本町、球磨村、人吉と熊本県全体を見ている谷洋一さん(ほたるの家)、そしてやっと8月中旬に球磨川流域が全線開通となった八代市坂本町の広域被災地を発災直後から支援されている「コミサポひろしま」の増田勇希さんの3人から、発災後2か月を迎えようとする被災地および被災者の厳しい状況を各々の立場でご報告頂きました。
 新型コロナウイルス感染症下での自然災害として近年例を見ない大規模広域かつ複合災害となった「2020年7月豪雨災害」の検証を意識しながら、次の復興というステージに向けての取り組みが大切であることを3回に分けて報告します。

 まず3人は各々、発災直後の被災状況を写真や動画を使って説明して下さいました。すでにみなさんもテレビやネットで見てきた映像ではあろうかと思いますが、ほとんどの被災家屋が1階屋根をすっぽり浸かる浸水もしくは2階屋根を越える浸水被害になったというものです。映像を通して痛感させられることは、まさに命からがら逃げ伸びたという未明の午前2時頃から午後9時頃までのピーク時までの時間と被災者に想像を絶する絶望感と恐怖感が襲ってきた時間、空間であったことをあらためて知ることになりました。
 まず球磨村の状況については、神瀬に住んでおられる元地域おこし協力隊の大谷さんは、長く通行禁止状態が続いていた道路も一応開通したにもかかわらず、被災者が今も分散避難を強いられている数カ所の避難所の中で、旧多良木高校避難所の状況を報告して下さいました。災害前まで住まわれていた神瀬から同避難所に行くのに車で1時間半もかかるそうです。同時に避難所はすべて間仕切りをしているものの両隣り、後ろの方とはくっついており、一人畳一枚半ほどのスペースで暮らしていると。食事をはじめいろいろな制限があるため、毎朝ラジオ体操をする以外はほんとんどの被災者は一日中その狭い空間で過ごすという日々が続いているとのこと。コロナによる感染や食中毒を懸念して、炊き出しは一切なく、その他の野菜類や果物類までも食することができないという制約下での避難生活は、とっくに心身共に疲労の限界を越えていることは想像に難くないことでした。

 ただ私は、実に様々な厳しい現状の中でも、災害前まで住んでいた自然豊かな土地から、避難所まで1時間半もかかるというこの距離は、実距離より以上にどんどん、心が無理やりその知から離されていくことが、もっとも辛い、耐えがたい状況だろうと思いました。
 その上、「見たくない!」という気持ちと葛藤した後、やっとの思いで元の住まいの惨状を見た時に、追い打ちをかけるように、その心の距離が引き裂かれるだろうと思うのです。   
これまでの被災地ならば、泥が入り、浸水で大切な仏壇や電化製品家などの家財道具、がひっくり返っている惨状の中でも、ボランティアが泥まみれ、汗まみれになりながら一心不乱に片付けをしている姿を見て、被災者は「心が洗われるような気持ち」になり、勇気や元気を貰うという光景が各地で見られてきたのですが、今回かコロナ禍の影響でほとんどボランティアを目にすることはないのです。これほど厳しい災害はここ近年遭遇することはなかったでしょう。今回の災害は、これほど悲惨な災害であることを私たちはあらためて受け止めなければならないと思います。第48号でお伝えした「二拠点生活」が必要な理由はここにもあるのです。

引き続きご支援をお願いします。―次に続く。
                        (村井雅清)

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020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第48報

二拠点生活はPOSKOの第1歩!!

 8月27日付熊本日日新聞で、「ダムありきではない抜本的な治水対策を求める意見や、ダム緊急放流を不安視する声が相次いだ。」と報じている。また同紙8月28日付「「安心」のみ込んだ濁流」記事では、「今回の豪雨は1965年の流量を上回った可能性が高い。川辺川ダムがあれば被害は抑えられたかもしれないが、ゼロにはならない。」「地域ごとに最も大きく水害に影響した原因を見極めた上で、優先順位を付けて対策を急ぐ必要がある」と熊本大学大学院先端科学研究部 大本照憲教授は指摘している。
 そもそも河川の多い日本の国土を考えると、山や川とどうつきあうのかという壮大な課題と徹底して向き合う必要があったはず。すでに2006年には国交省が、「川は溢れるものだ」と警告を流し、流域の総合治水を呼びかけていた。

 ところで6月30日、環境相と防災担当相が、気候変動リスクを踏まえた防災・減災戦略をまとめた。その時に、「自然の地形など地域の特性を生かした「適応復興」という新たな概念を示し、国の防災政策に反映していくことを目指すと発表した。(毎日新聞、2020・8・25)両相が言う「適応復興」とは、「被害を最小限にする『災害をいなす』発想を持ち、災害後はすぐに地域の復興に取りかかれる『すぐに興す社会』を目指したいということのようだ。同紙によると、山梨大学地域防災の専門家である秦康範准教授が「近年の豪雨災害では、想定を上回る高さの浸水被害が起きることも少なくない。このため今回の戦略では、被災地の復興の際には地域の特性を把握し、リスクが高い土地には人を住まわせないような移転を促進し新規の開発を抑制する施策や、自然の性質を生かした防災対策などで被害を軽減していくことを提言した」と紹介している。
 要は山や川と向き合い、伝統技術(霞提や輪中、遊水池など)を生かし、自然との折り合いをつけながら、復興の過程においてはあくまでも地域の特性を生かした、レジリエント(しなやかな回復力)な地域コミュニティを軸に再生するということだろう。

 こうした復興の考え方を、「20207月豪雨災害」の被災地に当てはめると、防災・減災の為にはハード対策だけでは対応できないことは誰もが認識し、まずその地域に住む人のことを最優先に考えなければならないということだ。つまり、人と自然との共生社会を創造しなければ災害を「いなす」ことはできない。今、一時的に被災者の多くは避難所もしくは仮設住宅に住んでいる。やがて多くの被災者は災害公営復興住宅に移るか、元の被災地で自宅を再建するかのどちらかである。前述の指摘のように「リスクが高い土地には人を住まわせないような移転を促進し」と言っても、自然の恵みを受け、長年住み慣れ、先祖の墓を守ってきた土地には、離れられない愛着もある。ならば、私は行政に「二拠点生活」を促進せよよと提案したい。二拠点生活というのは、災害で新たな土地に住むことになっても、愛着のある元の土地にも、週に一~二度は戻って住んでもよいとする制度だ。リスクを回避して安全第一にとは理解できるが、安心して暮らせるという住まい方を支えることも必要ではないかと思う。POSKOはその第一歩とも言える。              (村井雅清)

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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第47報

引き続き「POSKO支援」にご協力をお願いします。!!

 かなり早い時期から、八代市坂本町の被災地に入ってボランティアをされてきた「コミサポひろしま」(本部・広島)をPOSKOの一つとして財政的支援をしたいと思います。みなさん、是非応援して下さい。コミサポひろしまが坂本町で活動されている様子が、昨日の増島智子から送られてきた下記のレポートに紹介されています。(村井 雅清)

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 少し涼しい風が朝夕吹き始めている熊本ですが、日中はまだまだ容赦ない日差しが照り付けています。
 コミサポひろしまのみなさんと入っている現場は、まだまだ家財の搬出や泥出しが終わっていません。その後、再生できない個所は床や壁、天井を剥いだり、釘を抜いたり、床下の根太や大引きを清掃・ブラッシング・消毒・養生シートを張ったり、これ以上家が傷まないようにしたりとやることは山積みです。そんな現場で、以前紹介した秀岳館の高校生やボランティアさんだけでは、手が足らず、コミサポメンバーが1人、2人で対応している家屋もあります。本当なら10人以上で仕事をする現場でも人手不足のために1人2人でも入るだけで進み方は全然違います。家財を出した後は、床やサッシなどの拭き掃除など力仕事の苦手な女性でもやることはたくさんあります。住民さんとのお話などの交流も大切な活動の一つです。ぜひ、女性の方も参加してみませんか?

 そして、住民さんの動線づくり、居場所づくりのために、コンパネをひいて小ぎれいにします。やっている私たちも、「もう住めそうだよね。お父さんの喜ぶ顔をみたいね。」など泥だらけだった家屋が少しずつきれいになっていく姿をみるとうれしくなってきます。被災者の方が、3日ぶりに来て家の中をみると「わぁキレイにしてくれてありがとう!もう寝れるよ!」と嬉しそうに話してくれました。いまは、被災を受けたことで書類の申請が忙しいようで、「初めてのことだからわからないことがいっぱいだよ。」と言っておられました。

 そしてお隣に住んでいる方は、家の再生の様子をみて、「こんな養生をするんですね。ちゃんと消毒もしないといけないんだ。参考にします」と言ってくれました。少しずつ再建への道筋が見えてくると被災者の顔が柔らくなります。あきらめかけていた再建もボランティアの手によって、泥がなくなり、柱の一つ一つがきれいになっていくさまを見ていると、再建をあきらめかけていた気持ちが一筋の光に照らされて、「よっし、もう一度再建してみようか!」という気持ちになります。コミサポひろしまは代表の小玉さんを中心に地元の人には「ずっと長期で私たちを支えてくれる人たちです」と信頼は絶大です。少ないメンバーでも丁寧に被災者に寄り添いながら、毎日活動に汗を流しています。ぜひ、みなさん応援よろしくお願いします!! 
(増島智子)
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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第46報

引き続き「POSKO支援」にご協力をお願いします。!!

 八代市坂本町に入っている増島智子からのレポートです。26日熊本県知事は定例記者会見で、球磨川の治水対策について「川辺川ダムも選択肢の一つ」と発言し、「ダムを含む多様な方策を検討した上で新たな決断をすると発言されました。にわかに「ダムありき!」という声も出ていますが、下記のレポートにあるように、球磨川と共に生きてきた人たちの声も受け止めて欲しいと思います。(村井 雅清)

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 ここ坂本町は球磨川沿いから谷合へ約90の集落があるそうです。熊本県八代から鹿児島県霧島までの区間を走る肥薩線、水害前はSLが走る風光明媚な景色が広がっています。
 そして、球磨川が流れる坂本町には荒瀬ダムというダムがあったそうです。終戦後の電力供給不足を背景に発電目的として1955年に造られ、県内最古のダムでしたが、2010年から環境対策の一環としてダムの撤去の方向で動き出したのです。周辺住民も以前から放水による振動被害や洪水被害への不信感を持ち、約8年の歳月をかけて2010年にダムの撤去方針を示し、2012年から撤去工事が始まり、2年前2018年の展望台整備が終了したことでダムの撤去工事が終了となったのです。
 その撤去によって、貝類の漁獲量が上昇し、ウナギも獲れるようになり、水生昆虫なども生息数を回復したそうです。

 住民さんもよく球磨川で子どもが小さい時にカヌーで遊んだり、泳いだりしていたことを話してくれます。自分が小さいころにケンカするのは川の中だったなどと懐かしそうに話してくれます。家の中に入ると川から涼やかな風が流れて、きっと夏には子どもたちが故郷帰ってきて、昼寝をしたり、スイカ割りをしたりする風景が思い浮かびます。これまでも急流を活かしてラフティングやカヌーなどが観光の目玉だったそうで、球磨川の流域の人たちにとって暮らしの一部だったことがよくわかります。
 秀岳館高校の生徒さんもボランティア活動後に川で汗を流していました。こういう風景が日常の中の至る所にあったんだなと思いました。先生がふと「この穏やかな川がね・・・・」といった言葉が忘れられません。
 今回の水害では、ダム建設の話も耳にすることもありますが、「ダムを造ってもどうなのかね。自然に謙虚に生きないと」という被災者の言葉が胸に残りました。
 今後は治水対策などいろいろな議論がされると思いますが、暮らし再建に向けて、長期的に見守っていけたらと思います。(増島智子)                         
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〈〈緊急のお願いです!!〉〉
お米を少しでもいいですから提供して下さいませんか。お米は大変喜ばれます。当センターが責任をもって、援助の届きにくい人たちを優先し、かつ必要な被災者に届けたいと思います。何卒よろしくお願いします。当センターからお米の提供をお願いして以来、全国各地のみなさまから賛同を得て届けて下さっています。現在約1000㎏を越えました。お米は重宝されていますのでお米集めはまだしばらく続けたいと思いますので、引き続きご支援をお願いします。
【送り先】
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
「被災地NGO恊働センター」まで
(注)現金でもお受けしていますので、下記の方法でお申し込みください。その場合通信欄に「お米代」とご記入ください。

■活動支援金のご協力をお願い致します。
・Yahooからも募金ができるようになりました!!
https://donation.yahoo.co.jp/detail/5240003/
・クレジットカードでも寄付ができます。
https://congrant.com/project/ngokobe/605
・郵便振替
    口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
・銀行振込
    ゆうちょ銀行 一一九支店 当座番号 NO 0068556
 名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「7月豪雨」もしくは「POSKO 」と記入して下さい。

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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第45報

 引き続き「POSKO支援」にご協力をお願いします。!!

 昨日(25日)、球磨村渡地区区長の大原伸司さんが、ラジオ関西の番組で「PUSH!」の中の「つながる神戸から」というコーナーで出演されました。この番組は林真一郎さんと高橋守雄さん(ひょうごボランタリープラザ所長)が担当する番組で、一般の社会ニュースもありますが、防災・減災の話が盛り込まれています。ラジオ関西の圏内で直接、球磨村の区長さんのお話を聞く機会はほとんどないと思われますので、昨日話された内容の要約ですが以下に紹介します。発災からまもなく2か月を迎えようとしていますが、厳しい被災者の様子が垣間見えます。

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*(まず7月4日の発災時の様子)「午前2時過ぎに、物凄い雨音で目が覚めた。村の防災行政無線が避難を呼びかける声が繰り返し、繰り返し聞こえてきた。これは緊急事態ではないか?と思った」。

*(大原さんの住まいは高台に位置していたので被害がなかったが)「隣にある公民館のカギを開け、住民が避難できるように準備した。高台なので浸水よりも山崩れを心配していた」。

*大原さんが住む球磨村渡地区の今は、「落ち着いているというか、静かだ。夜は真っ暗。何故かというと、ほとんどの方が元の家に戻っておらず、避難生活をしているから」。

*「球磨村の仮設住宅は約300戸を予定しているが、現在入居済みなのは48世帯ほど。9月の下旬もしくは10月上旬にはすべて完成する予定」。

*「役場に行って村長に会えば、区長としていろいろ提案したいことがあるが、役場の職員の40%が被災者であるので、思うようにいかない大変さは理解できる」。

*「被災者が今一番何に困っているのか?何を求めているのか?などを聞こうにも、とにかくコロナで避難所にも入れないので、被災者とコミュニケーションができない。被災者のニーズが集められないということが最大の課題!」

最後に(これからの課題は?という質問に対して
1、人口減少が心配。村の存続にかかわる。
2、今後の住まいのこと、暮らし再建のこと。
3、安全な土地とはどういうところなのか?移転も考えなければならないかも?
など不安が尽きない。
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以上概ねこのような現状を話して下さいました。余談かも知れませんが、私が信頼するある大学の看護学科の教授が、「被災者が避難所や在宅で避難生活をされているときに、コミュニケーションがなくなることが健康悪化に大きく影響する」と言われたことを思い出します。引き続きご支援をお願いします。                              (村井 雅清)

〈〈緊急のお願いです!!〉〉
お米を少しでもいいですから提供して下さいませんか。お米は大変喜ばれます。当センターが責任をもって必要な被災者に届けたいと思います。何卒よろしくお願いします。当センターからお米の提供をお願いして以来、東日本大震災の被災者や被災地から、米処の山形県、兵庫県、栃木県でこれまでに被災を受けた人たちから、また全国各地のみなさまから賛同を得て届けて下さっています。現在約1000㎏を越えました。お米は重宝されていますのでお米集めはまだしばらく続けたいと思いますので、引き続きご支援をお願いします。
【送り先】
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
「被災地NGO恊働センター」まで
(注)現金でもお受けしていますので、下記の方法でお申し込みください。その場合通信欄に「お米代」とご記入ください。

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2020年7月豪雨水害に関する支援ニュース 第44報

引き続き「POSKO支援」にご協力をお願いします。!!

23日から八代市坂本町に入っている増島智子よりレポートが来ましたので紹介します。

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 23日からコミサポひろしまと合流し、八代市坂本町で活動を開始しました。坂本町は1ヶ月半以上が経っても、家財の搬出や泥出しが続いています。被災者のみなさんはすでに再建をあきらめかけている人もいます。坂本の「道の駅」の若手のMさんもその1人でした。1か月前まで再建をあきらめていたそうですが、コミサポひろしまとの出会いで、もう一度再建しようと気持ちが変わったそうです。また、今後の被災のことを考えて2地域居住も考えているそうです。

 別のお宅でも再建をあきらめていたそうですが、こちらもコミサポひろしまとの関りによって、再建を考えようとしているお宅でした。やはり、被災当時の家の姿を見て、もう無理だと思い、それでも毎日のように自宅の片付けに来ていたそうです。そして、地元秀岳館高校の高校生が泥出しに汗をかき、だんだんときれいになっていく自宅を見て、住民さんの顔も少しずつ笑顔になって行きました。
 こうして途方にくれる被災者の方にとって、ボランティアの寄り添いによって、少しでも光が見えたことによって明日につながることがあります。住民のお母さんも「被災してて途方に暮れる中、初めてボランティアさんにお世話になって、まだまだ捨てもんじゃないね。」と涙を浮かべておられました。お母さんにお米とハンドクリームをお渡ししました。
 住民さんの笑顔が、ボランティアにとっても生きがいです。秀岳館高校の生徒さんが活動を終え、最後に「ありがとうございました!」と言って帰っていく姿を見て、ボランティアをするのではなく、ボランティアさせてもらってありがとうという、仏教でいう布施の気持ちを思い出しました。

 そして坂本町住民自治協議会の会議に参加させてもらいました。被災後の初めて顔合わせということもあり、みなさん、これからどうしていいのかわからないといった声がほとんどでした。家の再建、町の再建など議論は白熱し、当初予定の時間をオーバーしました。坂本町は人口約3800人で高齢化率は50%、限界集落の多い土地柄で、この被災を受けて、また人口が流出しないかとみなさんの悩みの種は尽きません。それでもまずは、顔合わせができて想いを共有できて、少し安心されたように感じました。まだまだ坂本町の復旧活動ははじまったばかりです。ボランティアも足りません。被災者の方が再建をあきらめる前にぜひ、力を貸してください。(増島智子)
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 上記レポートにありますように、被災者はボランティアの振る舞いを見て感謝し、ボランティアは「ボランティアさせてもらってありがとう!」と、おたがいさまの心根は、25年前の阪神・淡路大震災でも培われたことで、あの時の興奮を思い出しますね!
 東日本大震災の被災者Yさんたちが送って下さったお米が、坂本の被災者に届けられ、きっとYさんは、「ボランティアさせて貰ってありがとう!」と言われているでしょう。(村井 雅清)

〈〈緊急のお願いです!!〉〉
お米を少しでもいいですから提供して下さいませんか。お米は大変喜ばれます。当センターが責任をもって必要な被災者に届けたいと思います。何卒よろしくお願いします。当センターからお米の提供をお願いして以来、東日本大震災の被災者や被災地から、米処の山形県、兵庫県、栃木県でこれまでに被災を受けた人たちから、また全国各地のみなさまから賛同を得て届けて下さっています。現在約1000㎏を越えました。お米は重宝されていますのでお米集めはまだしばらく続けたいと思いますので、引き続きご支援をお願いします。
【送り先】
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
「被災地NGO恊働センター」まで
(注)現金でもお受けしていますので、下記の方法でお申し込みください。その場合通信欄に「お米代」とご記入ください。

■活動支援金のご協力をお願い致します。
・Yahooからも募金ができるようになりました!!
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