<個庫茶屋メンバーの普段着の支え合い―15>
前号で「“被災者主体”をいざという時に発揮しようとするならば、平時からそうした生活習慣が身に就くにはどうすればいいのかを考えなければならないのではないでしょうか?」と問いかけました。以前、事前防災に関する研究調査で、ある地域の集落内での懇談会に参加した時の話です。「最近は豪雨による災害が多いので、とにかく早い目に避難して下さいね!」と言うと、参加者のお一人が「避難ってどうすればいいの?」と応答されました。一瞬「えっ・・・・?」と二の句が出ませんでした。でも考えて見ると、災害に一度も遭っていない地域によっては、こういう感覚が当たり前なのだと気づかされました。その方は続けて「どうしていいか分からないから、ここより上流のAさんの家に逃げるわ!」と。「あっ、これが普段着だ!」と大発見です。でも、こういう場合、被災者主体といってもこの現実にはどう向き合えばいいのだろうか?正直悩むところです。
おそらく、寝たきりの障害者の方たちも同じでしょう。「とにかく逃げてください!」と叫んでも、一人ひとりのとらえ方が違うのが現実です。そうすると、いざという時に「とにかく逃げる」には、普段の防災訓練などでサポートするボランティアは、実際に一人ひとり違う逃げる行動から確認し、一人ひとり違うとらえ方にどう対応するのかを考えることが非常に大切なのではないかと思います。
例えば南海トラフ大地震が発生すると、最大34メートルの津波が襲ってくると言われている高知県黒潮町では、訓練の時に一人ひとりの住民に大学生ボランティアが同行して、住民自身がスマホを見ながら「こっちの道なら、以前の避難路より5分早くなるなぁ」と確認し、その人にとっての避難路を決めていく。この瞬間に一人ひとりが主体的になるのではないだろうか。つまり、災害時における被災者主体とは、普段根気よくこの“瞬間の気づき”を数多く経験するということではないでしょうか(津波避難訓練アプリ
逃げトレ/nigetore.jp)を参照)。もう一つ、この黒潮町では「日本一短い避難訓練」なるものも取り組んでいます。詳しくは次号をお楽しみに。
(村井 雅清)
〈〈懲りずにお米を集めています!〉〉
5月の被災地訪問のお話として、「先日の被災地訪問でご縁があってあるお宅の法要に出席した時のこと。法要が終わってご住職がお話しされた中で、『もうすぐ1年になるのに、未だにお米はありませんか?』と寺に訪ねて来られる被災者がおられます。まだまだなんですね・・・・」」とご紹介したところ、東北の同じ法人から昨年に続き、今年も大量のお米の提供をという嬉しい話がありました。また、お米代として寄付をして下さる方も絶えません。まだまだお米は集め続けたいと思いますのでよろしくお願いします。
【送り先】
〒652-0801 兵庫県神戸市兵庫区中道通2-1-10 TEL078-574-0701
「被災地NGO恊働センター」まで
(注)現金でもお受けしていますので、下記の方法でお申し込みください。その場合通信欄に「お米代」とご記入ください。
■活動支援金のご協力をお願い致します。
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ゆうちょ銀行 一一九支店 当座番号 NO 0068556
名義:ヒサイチNGOキョウドウセンター
*お手数ですが、備考欄に「7月豪雨」もしくは「POSKO 」と記入して下さい。