熊本地震救援ニュース 第23報

<災害時におけるボランティア事情-4>
 長い連休明けとなりましたが、被災地はあいにくの雨で、二日連続でボランティア活動は中止となりました。やがて梅雨の季節にもなるので、被災者にとってはほんとにいらいらする日々が続くようだ。
 今日から被災地で被災者の避難所となっていた小・中・高の学校が再会する。これに伴って避難所の統廃合もおきるので、ボランティア活動にも影響を与えるでしょう。子どもたちにとっても晴れて、学校が始まるので大喜びの様子が報道されているが、被災者の方々も、これで「ホッ!」としたと安堵されている方もおられた。

  さて、連休が終わり何処のボランティアセンターもボランティアセンターが激減する。
対策に頭を悩ませることになる。そんな中で益城町社会福祉協議会によりますと、「連休中は多い時で700人以上のボランティアが集まりましたが、7日は半分ほどだったということで、原則として県内に限っていたボランティアの募集を9日からは全国に広げて呼びかけることにしています。」とHPに書かれてあった。これも智恵だなあと思う。
 当センターが関わる西原村ボランティアセンターでは、オープン当初からボランティアの制限をせずに全国に呼びかけていたので、混乱はないのだが、激減は同じなので頭が痛い。

 そんな中で、ホッとする話が舞い込んできた。西原村の万徳、宮山、門出地区の3ヶ所に「六地蔵」さんがあるのだが、ここを毎日お参りしていたおばあさんが、この地震で地蔵さんが倒れたままになっていたので、「心苦しい」思いをされていた。そこで、その話を聞いたボランティア本部のスタッフが、「おばあちゃんのために何とかできないか?」と思い、こちらに相談があり、阪神・淡路大震災以来ご支援を戴いている高野山の真言宗の方に相談したところ、片付けボランティアとして出動することを快諾して頂いた。
 きっと地蔵さんが修復されることによって、このおばあちゃんのみならず地域の皆さんも喜んでくれるだろう。本来、日本では宗教施設を公的資金で治すということはなかったようだが、新潟県長岡地震(2004)の時に新潟県知事の英断で、神社仏閣の修繕が可能になった。その理由は、「地域においてこうした施設が壊れたままでは、どこか寂しい。こういう施設がいち早く修復されることで地域の方が元気になるならこれは意味があるだろうということで、「コミュニティづくり支援」の一環として公的支援が行われるようになった。
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 こういう積み重ねが復興へとつながるのだろうと痛感させられた次第である。
先日の神社の参道清掃も同じことだが、こうして復興の道筋の中で、人の気持ちも復興していくということが大切なことだ。まぁこれも「小さな心のケア」といえないか?
(*「六地蔵」の歴史については、下記のアドレスで詳細が分かります。)
http://www.ar.kumanichi.com/2016/04/16217

 梅雨の声を聞く前に、大方の目処が多々なければ暮らし再建がままならない。まだまだ前途多難だが、踏ん張るしかない。冒頭でも触れたが、被災者のストレスは想像以上のものだ。それを思うと、ボランティアが思うようにならないストレスはたいしたことはない。ボランティアも辛抱する時は、辛抱しよう!

*なお、今日の話題となった西原村の倒れた六地蔵さんを興す作業は、高野山真言宗の僧侶たちのボランティア活動で行われます。

*トピックス
熊本地震 ボランティア専用キャンプ場開設 参加者減少も「まだまだ人出は必要」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160509-00000071-san-soci
(2016年5月9日 産経新聞)

児童ら、笑顔で登校=避難所と共存も―熊本地震
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160510-00000036-jij-soci
(2016年5月10日 時事通信)

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