熊本地震救援ニュース 第80報

●被災古民家再生プロジェクト始動

 地元工務店の方々を中心に、古民家を近隣地域の建設関係者やボランティアで修繕し、地域のコミュニティスペース・ボランティア宿泊所等に使えないか模索中です。
 西原村では、被災家屋に対して専門家の検証があまりなされないまま、解体を決める方が多くみられます。まずはモデル的に全壊家屋である家を修復することにより、「全壊=解体」ではなく、木造建物だからこそ全壊でもなおせることを伝えていく一つの拠点になればという想いで、このプロジェクトが立ち上げられています。また、技術専門学校の生徒や建設関係ボランティアなどと一緒に修繕をしていくことで、熊本に少ないと言われている”なおせる大工”の育成、そして伝統工法の技術の継承にもつなげていけるのではないかと期待されています。外部から修繕ボランティアがくることで、地域とボランティアの交流の場ともなりえます。

 九州大学の先生のご紹介で、熊本の復興に向けた社会的事業や地域をつなぐ仕組みづくりを考える「明日のくまもとを考えるプロジェクト(あすくま)」のメンバーが古民家再生に興味をもち、10/17にヒアリングにきていただきました。このあすくまのメンバーが今後、何かしら古民家再生に向けたプロジェクトを企画するかもしれません。もしこのプロジェクトが進行しなかったとしても、地元工務店の方々は、近隣の地域で興味をもっている方を集めて、被災古民家の再生プロジェクトをスタートさせたいとの思いをもっています。
 このヒアリング時に建築士プロンティアネット(いつも建物調査に協力してくださっている佐賀の建築士さんを中心とした建築士の有志ネットワーク)にも、一緒に話を聞いてもらい、興味をもってくださったので、今後また新たな協力体制ができそうです。

 こうした取り組みを通して、被災者一人ひとりの想いに目を向けた住宅再建が実現していけるようサポートしていきたいと思います。

◎引き続きご支援をよろしくお願い致します。
「熊本地震」活動支援金を募集しています。
郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
*お手数ですが、通信欄に「熊本地震」と明記下さい。
銀行から振り込む場合は、ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

*「熊本地震」支援活動の一部は、公益社団法人Civic Forceからのご支援を戴いてパートナー事業として展開しております。

熊本地震救援ニュース 第79報

西原村より、玄界島視察ツアーを終えて

 台風18号がどうにか過ぎた10月7日、西原村の古閑地区、大切畑地区の方々、そして西原村役場の方々と総勢20名で11年前の2005年3月に発生した、福岡県西方沖地震の被災地である玄界島に訪問し、復興の様子についての視察ツアーを行いました。
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 このきっかけは、古閑地区において、新潟から長岡造形大学の澤田先生や、兵庫県立大学の宮本先生も参加した、7月初旬に開催された座談会に端を発します。この座談会の中で、古閑地区のある住民の方から「他の地域、玄界島での復興がどのように行われたのか、実際に見てみたい」という声から実現することとなりました。

 天候も曇りの中、玄界島の港では現福岡市漁業協同組合玄界島支所・運営委員会会長である細江四男美さんが待ち受けてくださり、私たちを集会所へと案内してくださいました。その後は玄界島の復興の様子をまとめたビデオと、合わせて西原の方々からの質疑応答という形で話が進みました。
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 玄界島人口約700人、住民の大半は漁業で生計の島が地震によって道路、擁壁の被害、住宅のほとんどが被害を受け、ほとんどの島民が福岡市内に避難されました。仮設住宅は半分を島内に、半分を福岡市街側の漁業施設の近くに建設され、島側には漁業関係者、学校に通う人は福岡市街側へ。そのため、家族でバラバラになる世帯もあったそうです。
 復興に向けた体制作りとして、玄海島復興対策会議、その下部組織としての復興委員会など設置されました。島民総会は2005年5月21日を境に勢いを持ち、神戸への視察や、意向調査も行うなどの中で、「玄界島復興だより」を出したり、ワークショップ、座談会を開催しました。2006年1月の第5回島民総会で新しい島作り案を提示、承認を得たとのは地震からわずか10ヶ月のことでした。
 復興計画では、斜面地に戸建、平地に市営住宅とし、海沿いは住宅ではなく集会場などの公共的な利用を。斜面には、車が通れる道も作られました。2007年3月、県営住宅への入居開始。2008年3月、概ね住宅復興完了という流れのご説明をいただきました。

 このような流れの中、どのように再建をしてきたのか、特にどのように合意形成をしてきたのか、ということが西原の方々からの質問として上がっておりました。島という独自の風土の中で、お互いが助け合って生活を積み重ねてきた、そうした中でできた文化を基に、復興の計画が作られていたように感じます。

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 今回は、佐賀大学の後藤隆太郎先生にもご同行いただきました。後藤先生からは今回の視察についてのアドバイスをいただいた経緯もあり、今回現地の案内などもしていただきました。
 今回の視察では、参加された古閑地区、大切畑地区の皆さんそれぞれ「勉強になった」「良い機会になった」という感想をいただきました。玄界島の復興がそのまま西原での復興に当てはまる、ということではなく、むしろプロセスの中で何を重要視してきたのか、そのことが再認識されたこと、また一度西原から離れて他の地域での取り組みを見ながら改めて自分の地域を見直す、良い機会になったのではないかと思います。
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 西原村から視察に来たあるお母さんが仰った。「ここだと夫婦喧嘩も大変だと思う。喧嘩して外に出ても船が出てしまったら行くところがない。山に上がって叫ぶくらい?」
 この言葉から島の暮らしを想像するに、この島ならではの「我慢」「納得」「譲り合い」が存在するのかもしれない、ということです。

 一方、お母さん曰く、西原村では喧嘩をしたら俵山に行って、ひとしきり泣いてから、涙を拭って家に帰ったり、時には実家に帰って、一時してからまた家に帰ったり。
 暮らしの有り様は違うけれども、今回の視察で暮らしを慮るお母さんのその感性に驚かされ、また続けて「やっぱり私は西原がいいわ」と言われた、その言葉を聞いた時に、離れてみて自分の住む地域への思いが湧き上がってきたのかもしれない、と感じました。

 こうして玄界島を訪れてみて、道行く西原の方々に声を掛けられた島民の方と話し込む姿があちらこちらで見られ、それぞれが交流をされていましたが、玄界島の方々が口々に仰っていたのが、「とにかく話し合うこと。納得すること」というフレーズです。

 どれだけ意思疎通ができるのか、そのことがこれから復興の道のりを歩む上で地域にとって大きな鍵になっていることは間違いないと感じました。
 また同様に、西原の皆さんもそれを感じながら、これからの復興の取り組みに励んでいきたい、そんな声もいただきました。(鈴木隆太)

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熊本地震救援ニュース 第78報

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 当センターのニュースでも何度か紹介してきましたが、仮設住宅にお住いの方とともにものづくりを行う、「西原村木もくプロジェクト」が人気です。また、同プロジェクトは広く募金も募っています。当センターも「西原村木もくプロジェクト」を応援しています。


 改めて西原村木もくプロジェクトの理念と活動を紹介致します。


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西原村木もくプロジェクトは木工ものづくりを通じたボランティア活動を通して、西原村の仮設住宅を中心とした住環境改善に取り組む団体です。


 


●活動内容


1.住民参加型木工ワークショップの開催


“住民自身が自分でつくる”ことを大切にしながら、ボランティアもお手伝いをしつつ、木工ものづくりのワークショップを行っています。


 


2.手すりの取り付けや段差の解消


保健師さんや作業療法士さんと連携を取り、必要な世帯に対して玄関やトイレの手すり設置や段差の解消などを行っています。


 

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●西原村木もくプロジェクトで大切にしていること


1.自分の手で「つくる」


住民自身が自分の手でつくることにより、ものづくりの楽しさを知り、スキルを学ぶことが出来ます。後から必要なものが出てきた時、「今度は自分で作ってみよう」と自分自身で環境を改善していく意識に繋がります。


 


2.解体材の利用


地震の影響で多くの方が長年住み続けた家の解体を余儀なくされています。家族との思い出がたくさんつまった自宅。ただ解体するのではなく、その自宅の木材を使い、家具に変身させ、新しい生活の一部として利用することで、「思い出の保存」につなげていきます。


※余談ですが、当センターにも、能登半島地震(2007)の解体材で、釘を一本も使わずに造ったテーブルがあります。


 


3.お父さんの生きがいづくり


ものづくりワークショップは、仮設住宅にこもりがちなお父さんが外に出るキッカケにもなります。日曜大工が得意なお父さんは、若い学生ボランティアがものづくりに慣れていない手つきを見ると、寸法の測り方や作り方を学生に教えてくれるようになります。そういった瞬間が仮設住宅に暮らすお父さんの喜びにもなります。


 


4.ボランティアと住民の交流


ボランティアはものづくり素人の若い学生が中心です。住民と若いボランティアが一緒にものづくりに取り組むことで、自然と会話が生まれ、時には深い絆が生まれます。若い力が住民に力を与え、ボランティアも被災された方のお話を聞くことで被災地の現状を学んでいきます。


 


5.木育の機会


子どもから大人まで木にふれ親しむことにより、木材の良さを知り、広く森林資源や地球環境の保全、地域材の利用の意義を学ぶ機会となります。



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【活動資金ご協力のお願い】


西原村木もくプロジェクトでは、今後も西原村における木工ものづくりを通じた継続的なボランティア活動を展開していくため、?活動資金のご寄付を下記の通り募っております。


皆様からいただいたご寄付は、木もくプロジェクトの活動資金として、仮設住宅等の住環境改善に向けた、木材や工具の購入、ワークショップ開催のための物品購入等にあてさせていただきます。


《振込口座》?ゆうちょ銀行 からの振込?記号 17110 ?番号 32177321?口座名 西原村木もくプロジェクト

      ○他金融機関からの振込?ゆうちょ銀行?店名 七一八(読み ナナイチハチ)店番 718 ?普通預金 ?口座番号3217732?口座名 西原村木もくプロジェクト