熊本地震救援ニュース 第15報

 GW初日のボランティア状況について、テレビ報道は「GW ボランティアの受入制限も」というトーンですね。これを見た新聞社などは、「何故、制限をするのでしょうかね、どう思われますか?」という問い合わせがくる。ここ数日、こうした取材ばかりです。
 もう思わず「どうしてでしょうね?」と言わざるを得ない。ほんとに災害のたびに、同じことが繰り返されるのか?一つの要因として、これまでにも報告しているように、住民同士の助け合いが定着しているために、表面的にはボランティアの助けは要らないということかもしれない。でも、このような切り口で疑問を持ち、深ぼりしようという視点が見られない。とすると、視聴者にはあらたな課題は見えないということにならないか?何となくストレスが溜まる。

●昨日、当NGOのスタッフ等4人が熊本県西原村に向かい、昨晩のボランティアセンターのミーティングに間に合った。ニュース第14報でレポートしたように、住民主体の避難所運営をされているようなところでは、足湯で心身共にリラックスされるのがいいだろうなあと思います。この4人は、足湯のエクスパートばかりです!!

●西原村で支援活動をしている中田美咲さん・西井開さんの二人が係わった「親子カフェ」の様子をお伝えします。
(4/25 14:00-16:30、参加者:おんなのこ8人、おとこのこ8人、おかあさん5人)
  
<おかあさんのつぶやき>
-在宅避難者(子ども3人、高校生、小学生、保育園):>
*一回目の地震で、かなり家の中が崩れて、整理したら、2回目の地震が来て、テレビ以外の家財道具が全部壊れた。
*最初の二晩は車中泊したけど、もう無理ってなった。しょうがなく家を片付けて家のベッドで寝ている。
*在宅避難者の方がお金がかかる。物資も欲しいものは避難所の方々が先に取っているので、自分が欲しいものは買うしかない。区長さんがしっかりしているところは、一軒一軒まわって物資のニーズなどを聞いて欲しいものをくれる。
*高校が今日から始まって、お姉ちゃんがいままで妹と弟をみてくれてたけれど、みてくれる人がいなくて、どうしたらいいかわからない。
*水がでないので、お姉ちゃんのお弁当を持っていくのにもすごい困る。高校で妹や弟を預かってくれるということだけど、もちろん妹弟たちのごはんは学校でないので、持たせなくてはならず、預けるのも、うーんって感じ
*判定が青で、いろんな保険がおりるか心配
*旦那さんがもう会社いってるけれど、会社も大変
*家の片付けをそろそろ始めたい
*実家で3世帯みんなでご飯を食べているから、米が足りない
*地震があってから子供がいつもとは違うので心配。PTSDではないと診断はされたけれど、この状態が続くのは無理。

< 避難所の方(子ども2人、保育園、1歳児)>:
*避難所で1歳半の子どもがチョコレートと飴を覚えてしまって大変。3歳から与えようと思ってたけど、避難所にチョコレートなどがいっぱいあるから、食べてしまう。場所なども覚えてしまっているからなくなったらとりにいってしまい、どうしようもない。
*炊き出しは時間が決まっているからしょうがないし、作ってもらっている身でわがままは言えないしとてもありがたいけれど、子どもが食べたい時間に炊き出しがなかったりするから、ついついお菓子などになってしまう。
(チョコレートなどを覚えてしまって大変というのは避難所で生活している2人のお母さんから聞いた。)

<車中泊している方(子ども2人、保育園、2歳児)>
*子どもがいるので、車に寝泊まりしている。「今日も車で寝るのー?」と保育園の娘に毎日言われるたびにごめんねと思う。
*石田さんが歌を歌ってくれて歌を聞いて号泣。これからどうしようという不安が止まらない。でも歌を聞いてちょっとほっとした

こうした被災者の生の声(つぶやき)を見ていると、支援のあり方もいろいろ考えさせられることも少なくないですね・・・・・。

IMG_0367_s
IMG_0368_s

熊本地震救援ニュース 第14報

今朝、NHKを見ていると西原村の河原小学校避難所が紹介されていた。「住民主体の避難所運営」というテーマでした。避難所のリーダーは、消防団の団員でもあり実は村役場の総務課長でもあるという方です。リーダーは、「避難所運営にあたって、住民の誰一人も役に立たない人はいない!」と断言していました。確かに、小学生も救援物資を運ぶんだり、、体育館の床を掃除したりと働いている。また、元自衛官という人は、食事の時の人が動く
動線を考えて、ビュッフェ方式にし、好きなものをお皿にとって進んで行くという流れをつくった。そしてその料理は、もと小学校の調理師さんが担当。他にも地域には学校の先生がいて、保健師さんもいる・・・・。
 何故、このような体制が取れるのかという質問に、「大規模災害の時に、この村は孤立すると言われていた。日頃から訓練をしていた」とのこと。すばらしい!!

 そして圧巻は、小学生の女の子の言葉です。
「考えること と (大人)がいうことをすること と両方やっている。」

小学生がこんな哲学的なことを言えるということには感心させられるが、私たちは21年前の阪神・淡路大震災後に小学校6年生の女の子が書いた詩に衝撃を受け、ライフスタイルの見直しを誓ったものだ。その詩とは、
「きっと神様の罰があたったんや」「もう、モノはいらん。ぜいたくはいらん」「水も、電気も、何もかも、ムダに使うとった」「消防も、警察もこえへん(来ない)。いざというときは、やっぱり、ご近所さんや」「これからは、自然をいじめんの、やめとこ」というもの。

被災地の各所でボランティアの受け入れにとらぶっているという話も。被災地に入ればボランティアにとっては質を問われることになる。まさに

「考えること と (大人)がいうことをすること と両方やっている。」

お詫びと訂正:ニュース第13報で、西原村のボランティア受入対象を「九州在住者」と書きましたが、地域の限定はしていません。ただし200名と人数制限をしています。必ず事前に「熊本地震 西原村災害ボランティアセンター」のHPで確認してください。

熊本地震救援ニュース 第13報

熊本県熊本地方を襲った地震から2週間が経過した。これまでに震度1以上の地震は1000回を超えた。ここ2~3日の状況を見ると、だいぶ地震の数がおさまったように思えたのだが、また同地方で午後12;56頃震度4の地震が発生した。その上に、「雨」という悪天候が重なる。

 ●西原村、ボランティアの受け入れ開始、明日に延期!
 こんな状況での一つの朗報は、ボランティアが応援にくるという情報だろう。しかし、
先日ボランティアセンターを開設した西原村は、予定では今日28日にボランティア受入を開始する予定でしたが、雨のため土砂災害など二次災害が予測されるので明日に順延となりました。その上、ボランティアの受入対象は、一応九州在住者支援(状況により変更)と発表されています。阪神・淡路大震災以来、こうして県外からのボランティアを控えるようなことが少なくない。本来被災者は、一人でも多くのボランティアが来てくれることを心待ちにしている筈である。残念だ!
 一人でも多くのボランティアが被災地に入り、被災者に寄り添える状況をつくり、被災者が「たくさん来てくれてありがとう!」という声で、「状況により変更」としたい。

 ●西原村の被災者の中には、24時介護や看護の必要な方もいます。こうした要配慮者に対しては、地元の保健師さんや外部から応援にきている看護師さんなどが24時間介護・看護でサポートしています。西原村でも消防団活動をはじめ、地域の助け合いが強く、今回の地震後も住民が主体的に炊き出し活動をされています。ボランティアによって、一時炊き出し活動もボランティアにバトンタッチできればと願う。

○水俣のTさん一家の奮闘!
(4月16日午前1時25分頃、震度7を観測した“本震”の時の様子)再再度の緊急地震速報のアラームが鳴り、大きな揺れが来ました。時間も30秒以上と長く、これは大きいと実感させる揺れでした。そして、すぐに津波警報、津波の到達予測情報が続き、津奈木町では震度5弱、これは大変だと思い、自宅から最も近い津奈木町赤崎のIさん宅へ向かいました。津波の危険があるので、う回して高台から海の様子を伺い、港近くのIさん宅に着きました。近所では、漁師さんたちが海を心配そうに眺めたり、港に泊めていた車を高台の駐車場に移動させていました。漁師さんと今は潮が引いているので、大きな津波にはならないだろうと話しながら、別れましたが、近所の方は不安そうにしていました。Iさんは「怖い怖い」を連発、でも同居しているお母さんは耳も遠く、睡眠薬を飲んで熟睡しており、しばらく様子を見ていると、水俣市内に住んでいるお兄さんが2時半ごろ到着、結局この日はお兄さんに泊まってもらうようにして、3時過ぎ自宅に戻りました。(『季刊 水俣支援東京ニュース』NO77 季刊春号 熊本水俣病公式確認60年 2016・4・25より)

「熊本地震」活動支援金を募集しています。
郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
*お手数ですが、通信欄に「熊本地震」と明記下さい。
ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座
0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

熊本地震救援ニュース 第12報

 昨日の第11報で紹介しました熊本学園大学の画期的な避難所運営のあり方を 紹介させて頂きましたが、メディアでも数日前から「福祉避難所機能せ ず」 「慢性的人手不足が露呈」(神戸新聞、2016・4・23)など、福祉避難所の課題が 取り上げられています。
もともと絶対数が足りないのも事実ですから、日頃から受け入れ態勢が取れてい なければ、熊本地震のように対応ができないということになります。
 そうなると熊本学園のように、むしろ一般の避難所でも障害者のみならず災害 時要配慮者を積極的に受け入れるというしくみをつくることが急がれま す。福 祉避難所に避難してもらう、とか一般の避難所に福祉避難室をつくるという、特 別対応ではなく、「合理的配慮」という考え方があるように、そ れが当たり前 の施策にならなければならないでしょう。

<熊本学園大学の花田教授のコメントを紹介します。>
――避難者が多く来たとき、そこには地域の障害者がいるわけで、難しく言えば 「合理的配慮」としてのスペースの確保は当然。深い考えもなく講堂を それに 当て た。どこでもできることで、障害当事者の教授、障害者問題に40年にわた り関わっている教授、や水俣学研究センターの経験を生かしてやってことではあ れ、 何も難しいことはない。障害者本人たちと相談しながら勧めていけばい い。それがなぜできないのか。――

  障害者の受入をなんのてらいもなく当たり前のようにやったのですが、どうも阪 神、東北の被災と今回の地震を通して初めての試み。電気、水に加えてガスも戻 りつつあり、自立生活センター・ヒューマンネットワーク 熊本のメンバーもか なりの方々が帰宅されています。とはいえヒューマン以外の障害者たちがまだま だおられます。障害者だけではなく一般の避難者たちも、帰 宅の準備をされて おり今日の夕食段階で200名前後になりました。
  ただ、介護の体制は綱渡りです。残っておられる方々には、見守り、一部介助の 必要な方々がいますが、長くなってきましたので介護ボランティアが足らなく なってきました。とくに28日以降がめどが立っていません。昼もそうですが特に 夜来て下さる方募集です。介護といっても身体介護ばかりではなく、 見守り、 お話、移乗、移動の支援、身の回りの世話など広い範囲にわたります。

 一方「当NGO+宮本(兵庫県立大学)」が支援している西原村の避難者対応 の中で、高齢者の方などの対応として「24時間介護看護」の必要な被 災者もお られます。最優先で支援の必要なケースですが、ちょうど今朝、阪神・淡路大震 災から21年間、医療・福祉分野の専門家と連携をとってきた 先生たちが、 「今、西原村に向かっています!」という連絡が入りました。なんとありがたい 知らせなのか!
 日本災害復興学会の関係者も得意の専門分野での支援体制の検討に入ってくれ ています。
少し他の被災地よりは支援体制の構築が遅れた感がありますが、これからが第一 段階の正念場です。引き続きご支援をお願い致します。

熊本地震救援ニュース 第11報

 甚大な被害をもたらした熊本の地震により、多くの家屋倒壊をもたらした。(建物倒壊が熊本県1万384棟、大分県468棟、第10報を参照)応急危険度判定については、23日時点で1万1300件で、うち4062件が「危険」と判断された。(2016・4・25付け 朝日新聞に詳細が 掲載)益城町の場合、「危険」という赤紙判定は46%にもなるそうだ。(詳細は東京新聞、2016・4・24付けを参照) 14日の最大震度7を観測した地震後、揺れは800回を超える。全壊のみならず、半壊にしろ、一部にしろ大変な被害だ。現実には、被害程度に対 して格差をつけなければならないのかも知れないが、近年では珍しいケースの地震といえるので、是非超法規的な措置で被災者救済にあたって欲しいも のだ。

●福祉避難所ありきじゃない! さて、今日は被災地熊本での画期的な避難所のあり方を実践されている事例を紹介します。ー今回の熊本の地震で被害も受けている熊本学園大学(熊本市内)は、被災者を受け入れ避難所としても提供されています。(最大避難者800人)そ の中で、障害者の方たちにも優先配慮として避難場所をつくり、スペースを提供しています。学園大学は一般避難所ですが、そこに敢えて障害者の方々 にも利用して頂くというスタイルをとっています。実は、こうして一般避難所にスペースをつくり、一般の避難者と同等の扱いで避難所生活を送って頂 くという支援はごく当たり前のことなのですが、実はこれだけ災害の多いこの国では、こうしたあたり前のような認識が、国・行政・NPO・NGO にも理解されていません。阪神・淡路大震災でできなかった教訓があるだけに、今回の熊本の地震でこのような運営スタイルが実現したというのは画期 的なことだと思います。災害が発生すると障害者は福祉避難所にという画一的な対処になりがちですが、「福祉避難所ありきじゃない!」ということを いつも主張している当NGOにも心強い事例です。ちなみにこの避難所の運営責任を担っておられるのは同学園水俣病研究センターセンター長の花田昌 宣教授です。花田教授は、1971年から水俣病被害者の支援に奔走してこられた方です。-

●今回の地震で、まったくと言っていいほど報道にでませんが、実は不知火海沿岸に住む水俣病被害者の災害時の救命、避難誘導、避難場所の確保等、 地震や原発災害による救済策があまりにも不十分であることが課題として浮かび上がっています。詳細はまた別の機会にします。5月1日で水俣病公式 発見より60年を数えるという節目にあることもあって少し触れておきたいと思います。

熊本地震救援ニュース 第10報

 今回の熊本地震で、建物倒壊が熊本県1万384棟、大分県468棟(23日午後4時現在)と発表されています。熊本県の場合は、屋根がずり落ち るという被害が顕著ですが、先日来の雨でブルーシートによる一時的対応も間に合わず被害の増大を招いている被災者も少なくありません。 建物の応急危険度判定が終わり、一級建築士などの指示がなければ被災家屋の片付け手伝い等にボランティアが入れません。被災者の中には、全壊に なっても、倒壊した家屋から位牌や思い出の写真などを取り出して欲しいとボランティアセンターに要望される方も少なくありません。しかし、ボラン ティアの事故を考えると無責任にお願いするわけにはいきません。そうすると被災者にとっては、大きなストレスが押し寄せてきます。 一方、「5000棟以上の住宅が損壊した熊本県益城町では24日にも調査が終わる見通し。」(毎日新聞、2016・4・24)とのニュースで少し 明るい希望が出てきました。しかし、危険度判定と全壊、半壊の被害認定とは違うのですが、被災者が混乱するケースが後を絶たないので、丁寧に説明 をして歩るくようにしたいと考えています。

●今日午前中、西原村で副村長や社会福祉協議会の局長・次長・職員の3人が加わり今後のボランティアのかかわりについて1回目のミーティングを持 ちました。<支援者側からの出席者;宮本匠講師(兵庫県立大学)、稲垣文彦さん(公社・中越防災安全推進機構復興デザインセンター長)、同村在住のF教授 (熊本学園)、Mさん(ハビタット・ヒューマニティ)、関西学院大学災害復興制度研究所他兵庫県からの大学関係者らと頼政良太代表(被災地NGO 恊働センター・)など>

>ミーティングの結果以下のことを確認しました。*副村長の意向で、ボランティアセンターの設置については今日発表する。理由は「被災者である村民が安心されるから」ということです。こうして被 災地においてボランティアが歓迎されて受け入れられるというケースはごく当たり前ではないので、こちらも身の引き締まる思いです。*正式なボランティアの受け入れは、来週の中頃から始める。避難所になっている2ヶ所の公式避難所にボランティアセンターのサテライトを設置し、 被災者に近いサテライトからの提案を受け、むしろセンターがサテライトをサポートするというこれまでとは逆の流れのボランティア体制のしくみにす る。(これがほんとの「補完性の原理」)(サテライトに静岡から手供されたバルーンテントを張る。)(ボランティア用の駐車場は400台分確保している。)*副村長は、「住民のニーズを把握するのは、ボランティアならではの仕事。被災者のためなら何でもやればいい!」と力強いメッセージを言ってくれ ました。*当面、週2回開かれる予定の村災害対策本部会議に社協のメンバーも参加する。*日本災害復興学会は専門家ボランティアが応援できる体制を検討する。など。


いよいよ本格的にボランティアによる西原村支援がスタートします!!

熊本地震救援ニュース 第9報

24日、早朝のテレビで、「熊本県熊本市、益城町、南阿蘇の避難所で物資の受入、一時中断!」というのが報じられました。予測できたいたことです が、北海道南西沖地震(1993)、阪神・淡路大震災(1995)、新潟地震(2004)と物資でさまざまな課題が浮かび上がったにもかかわら ず、全く生きていないことが残念だ! 被災者への物資の需給格差が起きる原因の一つに、メディアが特定の避難所に集中することを挙げざるを得ない。21年前にそのために被災地の一部 で大きな混乱が起き、被災者間で無用の衝突が起きた。

阿蘇郡西原村での炊き出し活動に応援してください!
あくまでも被災者自信が自主的になさっている炊き出し活動のお手伝いです。!
ご一報を!! (被災地NGO恊働センター 078-574-0701)

 14日の最初の地震震度7は、“熊本県阿蘇郡益城町と西原村で観測、そして南阿蘇が孤立”という報道から始まった。しかし、この西原村は直後、 大切畑ダムが決壊の可能性があるということで週辺住民が2000人に避難勧告が出されたので大変心配された。結果的には決壊しないですんだのです が・・・。 この西原村は、家屋の倒壊率は他の被災地に比べても最も大きいのです。でも、この村には支援の手が届いていないのです。(熊本県が仮設建設第1 号、50戸を発表)
 
しかし、幸い西原村は消防団の活躍で、直後の救命救助活動が注目され報道もされました。この村からは、こうして住民同士の助けあい、支えあいが行 き届いているという事実が見えてきます。(この行動は21年前の兵庫県淡路の救命救出活動を思い出すほどよく似ている)また、公式避難所も6ヶ所ありすべてで住民と役場職員が炊き出しをされています。でも、住民同士が自ら助け合いをされているのはすばらしいのです が、地震発生から10日が経過し、疲労困憊しています。私たちはしばらくゆっくり休んで頂こうと考えておりますので、一人でもこの村の炊き出しを 手伝ってやろうと思われる方は是非連絡を下さい!(*当センターは益城町の支援の薄い地域には支援を継続していきます)

■引き続きご支援をお願い致します。「熊本地震」活動支援金を募集しています。郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター*お手数ですが、通信欄に「熊本地震」と明記下さい。ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

熊本地震救援ニュース 第8報

 地震発生から丸8日を迎えた熊本地震の被災地に、強風と大雨という気象の意地悪が遅いかかってきた。この雨で、土砂災害の危険性があるため避難 所が閉鎖され移動するという事態も起きた。ほんとに落ち着いて休めないという日々が続く。また、阿蘇大橋が陥落した南阿蘇村では、「集団移転」の 話もささやかれはじめたようだ。ほんとに自然災害は、これでもか、これでもかとたたみかけてくる。

■被災地NGO恊働センターは熊本県阿蘇郡西原村を中心に支援体制をつくることを決定しました。 「平成28年(2016)熊本地震」の最初の地震で震度7を観測した西原村です。直後は大切畑ダム決壊か?という情報が流れ、一時は2000人 が避難したという村です。全体で倒壊家屋は6割という甚大な被害がでています。なお、発災直後から支援をしている益城町の平田地区なども継続して 支援します。さらに熊本学園を居転に障害者支援をされている「ゆめ風基金」とも連携しながら協力をしていきたいと考えています。今回のような余震が続き、また本震もあり得、さらに南部には川内原発を抱えているという厳しい中での支援活動ですが、長期的な支援を前提に取り組 みたいと思います。

●さて、数日前から西原村に入って、現地の関係者と調整をしている頼政代表は、同村の社会福祉協議会や村役場、消防団関係者らと話し、同社協をと おして支援する用意があることを伝えました。また先遣隊に合流していた宮本匠さん(兵庫県立大学講師)は、一度帰神されましたが、再び明日土曜日 に西原村に入ります。なお宮本さんは、兵庫県立大学西原村支援プロジェクトのチーム長として今後係わることになりました。-24日(日)、午前中に西原村で、村役場の職員、社協スタッフ、外部支援のNGO・NPOがミーティングを開き、今後の体制についてのミーティ ングを行います。―同西原村には、頼政代表の他、神戸大学当時のボランティア仲間や広島での後輩などが助っ人に来てくれています。

<西原村の被害状況>*西原村 人口7070人(2016・3・1日現在)*全壊家屋 344棟   半壊 1087棟(4月19日午後1時現在)(西原村風当地区は、倒壊率9割といわれています。*避難生活者 1400人(以上、毎日新聞 2016・4・22)(西原村の基礎情報については下記のURLを参照して下さい。http://www.code-jp.org/images/nishihara.pdf)
IMG_0330_s - コピー
IMG_0332_s
IMG_0311_s

熊本地震救援ニュース 第7報

 14日の地震発生から1週間が経過しました。当分この揺れの状態は鎮まる傾向にないとのこと。さらにあいにくの雨で、被災者の方々の心労にまた 拍車をかけるのではないかと心配です。加えて、特に地盤が緩んでいる山間部の表層崩壊も心配されます。震災「関連死」は10人となりましたが、予 備軍のことを考えると今後どうなるのだろうかと頭を抱えます。震災「関連死」というのは、長期化する避難生活による疲労やストレスの増大による体 調悪化が招くものです。

◎昨日、現場から入った阿蘇郡産山村の被害状況です。(頼政)昼間は家に帰っている人が多く避難所は人がいないことが多い。夜は避難勧告が出ているのでほとんどの人が車中泊。お年寄りが避難所の中に入り、若手は車中泊。みたところ、全壊・半壊は少ないが屋根が壊れている家などが多い。話を聞くと、「熊本と比べれば被害が少ないから大丈夫。」「東北も大変だったんだから、私たちも頑張らないと」

一軒のおたくに伺って話を聞きました。「断層に沿って被害がある家が直線に並んでいる」「産山は全然報道されていない。熊本から孤立しているので陸の孤島のようだ。」「家の中はぐしゃぐしゃ。余震があるので片付けてもまた散らかったり。」「一人暮らしの人は息子さんのところに行ったりしている人もいる。」「支援は全然ない。初めてのボランティアだ。」(まけないぞうを渡して)「すごく嬉しい。励みになる。こんな支援をしてもらって本当に嬉しい。」

――阪神・淡路大震災から災害被災者が作り続けている「まけないぞう」をプレゼントしたらで喜んでくださったようですが、少しでもストレスの軽減 になっていることを祈るばかりです。

◎昨日、熊本市内の高齢者から「膝の裏にしこりがあるようで心配だ。どうすればいいか?」という問い合わせが事務所に入った。「何故、ここに?」 と戸惑っていたが、「エコノミークラス症候群」予防チラシを配布しているのだが、チラシの発行責任として当NGOの連絡先を記入しているからだっ た。当NGOと連携している海外災害救援NGO「CODE」のスタッフが対応してくれたので、適確なアドバイスをして対応してくれた。

●自衛隊が、避難所として船を提供しました。益城町では車中泊の人が1万人近くもいるという。“揺れが怖い、エコノミークラス症候群も怖い、でも 家を離れられない”という被災者も多いことでしょう。でも、例え一晩だけでもゆっくりと休んでくださいねと伝えたい。(一人の命が救える可能性が あれば、費用対効果を考える必要はない。こんなときは、たった一人のためにも寄り添うことが大切だと思う。)**安倍首相は、20日「早急に入浴、食事、宿泊の提供が可能なフェリーを避難所として活用していく」と表明しました。◎CODE海外災害援助市民センター(被災地NGO恊働センターの姉妹NGO)が、昨年4月に発生したネパール地震でもご支援を頂いた「アウトド ア義援隊(モンベル)」が、熊本地震の被災地でテントの提供を始めました。小ぶりのものなので車中避難している被災者には朗報です!1日1時間で も軽い体操をしたり、足を伸ばして仮眠をすれば「エコノミークラス症候群」の予防になります!!モンベルさんは、いつも「痒いところに手の届く」支援をされますね!!

熊本地震救援ニュース 第6報

昨日も熊本県八代地域で震度5弱、5強の地震が連続して被災地を襲った。「18日夜に熊本、大分で震度5強の揺れを観測して以降、地震は増加傾向 にある。」(産経新聞、2016・4・20)まったく地の中は安定する気配がない。さらに、専門家の指摘では日奈久断層帯付近での震度5は初めて だと指摘しいている。日々の不安が消えない。○そんな中で「ホッ!」とする話が・・・・・。「被災地に畳を届けるプロジェクト」が、昨日330枚の新品の畳を被災地に届けた。同プロジェクトの事務局は神戸の畳屋さんです。やはり21年前 の阪神・淡路大震災のお返しだ。避難所に運び込まれる様子がテレビで紹介されていたが、小学生らしい子どもが運ぶのを手伝っていたり、被災者が並 んで畳を頂き、自分の居場所に各々運んでいた。何故か「ホッ!」とする。○ボランティアセンター開設!!熊本市が22日にボランティアセンターを設置し、ボランティアの受入を始めることを発表した(活動制限あり)。全国の多くの人が、待ち望んでいた でしょう。でも考えてみれば、先述の“畳プロジェクト”もそうだが、すでに各々がボランタリーに動いている。しかも被災者もボランタリーに動いている。経験 豊富なNGOやボランティアも動いている。「ボランティアが入れない!と騒ぐこともないということだ」きちんと自分で考えて動けばいいのではない か。これからも、災害発生後こうして制限されるケースが出て来るだろう。でも、こうして被災者自身が「ボランティア化」したり、グループをつくっ て、支援に入っているNGOやボランティアグループと連携して「自助・共助・互助」活動を展開すればいいのではないかと気づいた。もし、災害に遭 遇し孤立してしまったらお互いが支え合うしかない。南阿蘇の避難所でも、被災した大学生たちが率先してボランティアをされている姿も紹介されてい た。◎昨日は、救援物資を届ける鈴木たちの佐賀チームが熊本市内の避難所になっている保育園に物資を提供した。一時のように物資が何もないという状況 は脱したようだ。◎宮本・頼政チームは、孤立しているのではないかという情報から阿蘇山中の大分県竹田市と隣接する「阿蘇郡産山村」の調査に入った。幸いというか 大きな被害がないとのこと。また隣県の竹田市へ買い物には行くことができるということで一安心だ。◎連日、エコノミークラス症候群の話題で持ちきりだ。すでにお伝えしたように、当NGOは、関連ネットワークのアドバイスも頂き、予防啓発チラシ を作成しすでに避難所等で配布している。チラシの配布は、「れんげ国際ボランティア会」(蓮華院誕生寺内)のご協力を得て、ボランティアに来られ ている「九州看護福祉大学」(玉名市)の学生さんたちが、炊き出し支援をしながら配布してくださっている。◎阪神・淡路大震災以来、当NGOにご協力を頂いている高野山真言宗の僧侶たちが熊本に到着した。今日の午前中には、先日益城町の公民館に避難し ている方から要望のあったカセットコンロを10台届けて頂く。
IMG_2243
IMG_2259