熊本地震救援ニュース 第11報

 甚大な被害をもたらした熊本の地震により、多くの家屋倒壊をもたらした。(建物倒壊が熊本県1万384棟、大分県468棟、第10報を参照)応急危険度判定については、23日時点で1万1300件で、うち4062件が「危険」と判断された。(2016・4・25付け 朝日新聞に詳細が 掲載)益城町の場合、「危険」という赤紙判定は46%にもなるそうだ。(詳細は東京新聞、2016・4・24付けを参照) 14日の最大震度7を観測した地震後、揺れは800回を超える。全壊のみならず、半壊にしろ、一部にしろ大変な被害だ。現実には、被害程度に対 して格差をつけなければならないのかも知れないが、近年では珍しいケースの地震といえるので、是非超法規的な措置で被災者救済にあたって欲しいも のだ。

●福祉避難所ありきじゃない! さて、今日は被災地熊本での画期的な避難所のあり方を実践されている事例を紹介します。ー今回の熊本の地震で被害も受けている熊本学園大学(熊本市内)は、被災者を受け入れ避難所としても提供されています。(最大避難者800人)そ の中で、障害者の方たちにも優先配慮として避難場所をつくり、スペースを提供しています。学園大学は一般避難所ですが、そこに敢えて障害者の方々 にも利用して頂くというスタイルをとっています。実は、こうして一般避難所にスペースをつくり、一般の避難者と同等の扱いで避難所生活を送って頂 くという支援はごく当たり前のことなのですが、実はこれだけ災害の多いこの国では、こうしたあたり前のような認識が、国・行政・NPO・NGO にも理解されていません。阪神・淡路大震災でできなかった教訓があるだけに、今回の熊本の地震でこのような運営スタイルが実現したというのは画期 的なことだと思います。災害が発生すると障害者は福祉避難所にという画一的な対処になりがちですが、「福祉避難所ありきじゃない!」ということを いつも主張している当NGOにも心強い事例です。ちなみにこの避難所の運営責任を担っておられるのは同学園水俣病研究センターセンター長の花田昌 宣教授です。花田教授は、1971年から水俣病被害者の支援に奔走してこられた方です。-

●今回の地震で、まったくと言っていいほど報道にでませんが、実は不知火海沿岸に住む水俣病被害者の災害時の救命、避難誘導、避難場所の確保等、 地震や原発災害による救済策があまりにも不十分であることが課題として浮かび上がっています。詳細はまた別の機会にします。5月1日で水俣病公式 発見より60年を数えるという節目にあることもあって少し触れておきたいと思います。

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