熊本地震救援ニュース 第43報

<災害時におけるボランティア事情-23>
<大工ボランティアの1日(5月30日レポート)>
 当センターのボランティアさんが現場で汗を流しながら活動しています。三木市にある稲見建設代表の稲見充典さんは、2級建築士であり大工、そして、被災度区分判定技術者でもあります。ここ西原村では、多くの家屋や納屋が倒壊しています。そこで、大工さんなどの資格がある方の指導のもと、倒壊した納屋などからトラクターや耕運機や車を救出しています。現場では“棟梁”と呼ばれボランティアさんともわきあいあいと活動をしています。ボランティアさんの中にも、植木屋さん、設備屋さん、司書、僧侶、動物病院などなど多くの技術を持った人たちが被災地に駆けつけています。いわゆる専門家ボランティアです。
 稲見さんのチームにもそんな方たちが参加しながら、トラクターなどの救出大作戦を行っています。そのメンバーの中には、阪神・淡路大震災当時に一緒にボランティアをしていた“一番さん”(西原村通称)が活躍しています。
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救出大作戦 (3)_s
救出大作戦 (4)_s

 丁寧に一枚一枚瓦を剥いで、それをボランティアさんが運び、出てきた木枠を細かく切り出し、それをトラックへ積み込み、「ゴミ」処理場へ運んでいきます。炎天下の地道な作業が続きます。
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 いくつもの被災地で活動しているベテランさんのボランティアさんに「ゴミ」処理場に連れて行ってもらいました。そこには、たくさんの「がれき」が運び込まれていました。木材、土瓦、コンクリート瓦、アスファルト、ガラス、鉄くずなど被災現場で細かく分類され持ち込まれます。
ガレキ (2)_s
ガレキ (3)_s
ガレキ (4)_s

ベテランのボランティアさんは、「発災直後は瓦やブロック塀、アスファルトなどそして木材や生活用品など時間を追うごとに処理場に集まってくるものが違う」と話してくれました。「だんだんと運び込まれるものも少なくなりつつあるのは、あとは解体を待っているのだろう」と、「ゴミ」処理場からも被災地の現状が見えてくることを教えてくれました。
そこには多くの思いでの詰まったものがあり、その背景を考えると胸が押しつぶされそうになります。一番さんが家屋の片付けの現場を続けていて「もう、思い出を捨てるのは辛い」とつぶやいていました。「ゴミ」や「ガレキ」ではなく、思い出や財産なのです。
車洗浄_s

 使い終わった車や資器材は、きれいに洗浄されて、翌日の活動に備えています。ボランティアのみなさん毎日本当にお疲れさまです。

◎21年前の阪神・淡路大震災後も、多彩な専門家の方々が支援に来られましたが、専門家がボランティアをされる場合の共通点があるように思います。それは、専門家というのは縦割りが当り前のようなところがあるのですが、ボランティアにくると自分の専門外の分野に細かな配慮ができるということです。視点を変えると、だからこそ専門家と言えるのかなぁとも思います。敢えて一般ボランティアと専門家ボランティアと分けて見ると、一般ボランティアと言えども“プロの素人”と言われるほどのボランティアの鏡のような方もおられます。

◎「走れ ボランティアバス」佐賀便、長崎便の企画が進みつつあります。引き続きご支援をお願い致します。お手数ですが、ご寄付は下記の郵便振替口座で、「通信欄」に「ボラ・バス」と記入ください。
 郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
銀行から振り込む時は
 ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

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