熊本地震救援ニュース 第45報

<災害時におけるボランティア事情-25>

 今日は、熊本地震発災以来ご支援を頂いている高野山真言宗総本山金剛峯寺社会人権局の呼び掛けにより、福岡教区のみなさんが参加者を募り西原村災害ボランティアセンターを通して、足湯活動やガレキの撤去、家屋の掃除などの活動に参加してくれました。(以下6月2日の現地レポート)
 この日は、村内にある2カ所の避難所で足湯を行いました。被災者の方は、「お坊さんにしてもらえるなんて、ありがいたい」ととても喜んでくれました。
足湯2_s
足湯1_s

そして、足湯をしていると「家は赤紙で入れんし、何もしとらん」という方がいたので、急きょ現場を確認に行きました。家の中の畳はすでに雨漏りでびしょ濡れで、あちこちにカビが生え、タンスが倒れ、あらゆるものが散乱し、地震の力のすさまじさを実感します。仏壇以外はほぼ手つかずの状態で、被災者の方はポツリと「家にかえってくると悲しくなる」と一言こぼされていました。
そして、そのお隣のお宅では同じ避難所生活をしている住民の方が自分たちで荷物を出すなど片づけをしていました。部屋の中を見せてくれたのですが、仏壇はあるもののお位牌が床に落ちていました。同行してくれた僧侶の方が、宗派は違いますが、「お参りさせて頂いてよろしいですか」と了解を得て、お参りをさせて頂きました。僧侶の方が「仏さまはどういう状況でも怒りませんよ。安心してください。心の中で祈っていれば大丈夫だから」と話してくれました。震災により何もかも壊されてしまいましたが、心だけは壊されずにしっかり気持ちを持ち続けられることができれば何よりかもしれません。
お位牌_s
お参り_s

 僧侶の方が足湯をして拾ったつぶやきを紹介します。「ずっと農業をしてきた。今、豚を飼っているが、地震で大変だった豚に被害はなかったのがよかった。今みんな草取りやニンニクの収穫の時期で朝早くから出掛けている。」(80歳代女性)。西原村では畜産をしている方、唐芋やニンニク、ピーナッツなどの農業に携わっている方が多くいます。

 午後からは福祉避難所で足湯を行いました。みなさん常連さんで足湯を楽しみ待っておられます。そして、まけないぞうもプレゼントさせてもらったら、「かわいい!!」と早速、押し車に飾ってくれました。
まけないぞう_s

また、私は石鹸フラワーを作っているのよと石鹸をポットに入れてお花を生けた素敵なフラワーポットを見せてくれました。まけないぞうも一緒に記念撮影をしました。
フラワーポット_s
足湯3_s
足湯4_s

そして、避難所では西原村で被災した「俵山コーヒー焙煎所」の方がコーヒーを無償提供しています。また、全国のコーヒー店からもお茶菓子などを含めたご支援を頂いているそうです。不自由な避難生活に一杯のコーヒーは被災者の方にくつろぎと笑顔を運んでくれています。被災地では被災された方が自ら地元のために動いている方々がたくさんいらっしゃいます。地域での支え合いが息づいていることを、そこかしこに感じています。そして村の人たちから「西原村に来てくれたみなさんに感謝しています。」という言葉を頂いています。
コーヒー1_s
コーヒー2_s

なお、高野山真言宗のみなさんは、今後も被災地支援のために、寺院の復興を軸に当センターとも連携しながら活動を続けて下さいます。6月は福岡青年教師会の方々が週に2~3回程度、数名単位で西原村などで活動を行う予定です。2007年の能登半島地震で「高野山足湯隊」が結成されたのですが、こうしてその趣旨がしっかり引き継がれ、熊本でも活躍しておられるのが嬉しいですね!!

●みなさまからの多大なご支援、ご協力がこうして被災地で生かされ、つながりが広がり、多くの発見や学びを頂いていることに心からお礼を申し上げます。ありがとうございます。引き続きご支援をお願い致します。

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