熊本地震救援ニュース 第58報

<災害時におけるボランティア事情-38>
(前号より続く)熊本地震からの復興を見据えると、人間復興を最優先する「暮らしの再建」が重要で、それには多様なボランタリーな関与が不可欠であると前号で書いた。
 当NGOが支援に入っている熊本県阿蘇郡西原村では、すでに農業復興支援センターを皮切りに、災害直後の対応を主とする「災害ボランティアセンター」から、少しづつ分野を拡大し、復旧・復興のステージに入っていく道筋を模索している。

西原村でのそのチャレンジとは、「西原村rebornプロジェクト」である。「reborn」とは、新しく生まれ変わるというイメージだが、あくまでも西原村で先達が残してきた自然を生かした共生術やまた地域の支え合いを育み続け、他方地震を機に衣替えをしたほうがというものは、新しい革袋を用意しようという試みでもある。しかし、何よりも急がなければならないことは、地震前の暮らしを取り戻す「暮らし再建」でもある。住まいやしごとのこと、また農業など生業のこと、これらを元に戻すことが先決である。絶対にこれ以上震災関連死を出してはならない。こうした見通しが立たなければ「住まい再建」も目処がたたず、仮設住宅や在宅での暮らしも落ちつかない。
 いうまでもなく国や行政は、救済制度による積極的な支援を充実させなければならないし、現行にないものは新しく設置してでも、救済策を拡充すべきだ。それが蒲島知事の言う「先例のない事例」だ。ただ、その上でもう一つは被災者に寄り添う多様なボランティアの関わりを見逃せない。
 先日開かれた第1回西原村rebornプロジェクト連携会議では、西原村の住民と地域外から支援に入っている多彩な人たちが、一堂に会して議論をした。もちろん、この救援ニュースで何度か紹介した「わかばちゃん」も担い手の一人で、「わかばmeeting」は牽引役となる大切な場だ。
 
 復興というのは、これまであったさまざまな「つながり」が災害によって、切れ切れになったものを、あるいはコトを、あらためて“つなぎなおす”ということだと思う。そのためには、ボランタリーな関わりが不可欠だ。阪神・淡路大震災後、設置した「阪神・淡路大震災復興基金」は、この分野に相当な支援メニューをつくり、21年経過した今も一般財源で継続しているものもあるほどだ。
 暮らし再建の「いま」を見据えつつ、復興と向き合って生きたいという思いが、この「reborn」にある。(次号へ)
                 (村井雅清)

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