熊本地震救援ニュース 第71報

<災害時におけるボランティア事情―51>
 今朝午前11時、やっと気象庁は九州地方の梅雨明け宣言をしました。今年は、熊本地震の被災者のことを考えると、この宣言がどれほど待ち遠しかったか?
 さて、九州北部地区からのボランティアバスですが、いよいよ夏休みに向けて熊本支援ボランティアを活性化するために、下記のように大学による被災地へのボランティア派遣にもボラバスを提供することにしました。

 一昨日の16日は、西南学院大学熊本地震学生ボランティアが総勢23名で西原村に行き、活動を展開しました。現場からのレポートを下記に紹介します。(武久真大)
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本日は、「高遊コミュニティセンター」で足湯・縁日お手伝いをするチームと、お花畑開墾・ひまわり迷路づくりチームに分かれ、随時メンバーを変えながら学生21名、職員2名がボランティアバスとして参加しました。以下は、被災者の声です。

・今年は毎年やっていたおまつりの場所が、がれきの集積所になっているから、おまつりはないのよ。実際、ないって聞いたわけじゃないけど、でもきっとない。だから、こうしておまつりがあるのはとても楽しい気持ちになるわ。(保護者さん)
・学校のプールが今年はなかった。だからこうして、水に入れるのは嬉しい。またプールに入りたい。(小学生中学年)
・いま娘は働きに出てるんだけど、今日は保育園も休みだから、ばばが孫の面倒を見てるの。でも家にいさせても退屈するだけだから、じいじがこのおまつりを教えてくれたの。孫も楽しそうでよかった。
・食器はねぇ、2/3が割れたから、まだまだ。もらったガラスの食器も、怖くてまだ箱から出せねぇ。
(お孫さん3人のおばあさん)
・あ!この前の食器の!今日は何してるのー?(足湯とおまつりのお手伝いですー。食器、また明日ここでやるんですけど、あの後足りてますか?)
ぼちぼちってところだねぇ。いやー、また会えて嬉しいよ。こうしてまた来てくれたんだねぇ。(若いお母さん)
・今日は知らない子もたくさんいるな。外の子も来てるんだ。そうかそうか。(高遊地区の区長さんの1人、碇さん)

◎足湯を受けられたのは、主に水遊びをしたかった子どもさんの層(でも、お湯がいい!という子どもさんもいました)と、子どもが遊んでいるのを見ている保護者さんの層が多く、高齢の方はいないという年齢層の若い珍しい足湯の場でした。だいたい15名ほどに足湯できました。予報に反して昼からは晴れていた西原村ですが、ひさしの下でやっていた日陰で、お湯に浸かりながら皆さんリラックスされていました。お子さんも水をかけてきたりもせず、水の感触を楽しんでいたのと、大人と同じく手をもまれたことが嬉しかった子もいるようです。
また東京の団体さんが仕切られた縁日全体では130食のかき氷が出た、ということなので、来場者の方もそれくらいの数になると思われます。
ボランティアを受け入れる側の反省点として、支援者側の情報共有の甘さがあったように思います。というのは、はじめは素手でお花を植えるだけ、と聞いていましたので、足湯や子どもたちの遊び相手に備えて軽装備で構いません、と言ってしまっていたのですが、蓋を開けると鍬や電動草刈機が出てくる始末。鍬はともかく、おいおい、電動草刈機のような機械は元々の話と違うやんけ、と西南の職員さんと顔を見合わせる一幕も。
また到着早々、足湯の準備もさせてもらえずに、花畑に植えるメッセージプレートを書いてもらいます!メッセージ動画も撮ります!ということになり、学生の中には「いや、俺、西原村とか知らないし。初めて来たし。」とぼやいている子もいて、事前にこういう企画趣旨でお花畑をつくります、と聞いていれば、調べ、考えてきてもらうこともできたのかな、と申し訳なくなりました。

避難所から仮設住宅へと生活のフェイズがシフトし、支援者が展開していく活動も地域に拠点を作ったり、新しい人脈づくりをしたりと変わっていく最中で混乱もしやすいかとは思いますが、(センパイ)ボランティアが(シンジン)ボランティアに、ボランティアさせることで満足してしまっている「ボランティア」になっていないか、少し足元を見つめなおさないといけないな、と心を引き締めたいと思いました。

*なお、同大学は次回派遣を8月中旬に予定しています。

◎こうしたボランティア・バス企画に、ご支援くださいましてありがとうございます。また、ボランティア・バス企画を提案していきますので、今後ともよろしくお願い致します。

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