熊本地震から2年、地域の復興は?

熊本地震救援ニュース第93報

熊本地震から丸2年が経過しました。当センターでは、西原村での支援活動を継続しています。
地震から2年の4月15日に、西原村古閑地区でボランティア感謝祭が行われました。
古閑地区は、地震の被害によって宅地が大きな被害を受けたエリアの一つです。ようやく宅地復旧の目処がたち、工事の着工が始まる直前という状況まで進んできました。とはいえ、宅地復旧に時間がかかるので、住宅の再建はもう少し時間が必要です。
当センターでも災害当初から集落復興のための会合などに参加し、過去の被災地への視察なども一緒に行なってきました。この日は、集落全体の人が集まるということで、まずは消防団の若手メンバーから新潟県での視察について報告があり、次に婦人会から福島県での視察報告、婦人会OGのメンバーから宮城県での視察報告がありました。

視察に参加したそれぞれのメンバーから感想などの報告がありましたが、その中で皆さんが口を揃えておっしゃっていたのが、過去の被災地に行くことで古閑の良さに改めて気づくことができた、ということです。同時にこうして生まれた「被災地のリレー」というものが、本当に意義のあるものだと痛感しました。
古閑地区はもともと約30世帯の小さな集落ですが、集落の中での人のつながりが非常に強く、地震後も助け合いながら生活をしています。また、消防団の若手メンバーが古閑集落での再建を決め、集落を盛り上げようと様々な意見交換をしています。こうした若手メンバーがいるということは、他のところにない古閑の強みの一つであるということに視察を通して多くの人が気づき、世代間の意見交換も徐々に始まっています。
地震以前は、若手と年配の方々は行事ごとで顔をあわせる程度だったそうですが、地震後は頻繁に集落の将来について意見交換をしたり、一緒にお酒を飲んだりという回数が増えたそうです。今回の感謝祭での報告の中でも、若手メンバーも色々と考えていくので、集落の方もそれを見守ってほしいという発表がありました。

また、農作業後に集まることのできるコニュニティスペースがほしいという意見が出てきました。「被災地のリレー」を通じて、集まれる「場」が非常に大切であるという学びがありました。古閑地区では農作業をする方々が多くいらっしゃるのですが、従来は作業後に家に集まってお茶を飲んでいたようです。ところが、地震によって家が壊れてしまい、集まれる場所がない状況になってしまい、現在はそれぞれ農作業を行なっても、その後に集まる機会が減ってしまったとのことでした。そこで、今後はあづま屋など、集まれる場所を作っていきたいという発表もありました。

このように、被災地からの復興に向けて、外部との様々な交流をしながら一歩ずつ着実に歩みが進んでいます。まだ家の再建には時間がかかりますが、当センターは今後もこうした一つひとつの歩みを丁寧にサポートしていきます。

熊本地震救援ニュース第92報

被災地NGO恊働センターです。当センターでは、熊本地震の被災地、西原村を支援しています。
現在、関わりを持たせていただいている古閑集落の若手メンバーが12月に新潟県中越地方へ視察に行くお手伝いをさせていただきました。

中越地震の被災地である山古志村の方々と西原村の方々とは、震災以降、中越からメッセージをいただいたり、熊本地震1年の際に山古志から来熊されるなど、交流が進んでいました。今回は、そういったご縁から集落の若手メンバーが中越地震後の取り組みについて学ぶ機会として訪問をされました。
古閑地区中越訪問_180227_0013

古閑集落では、集落内の再生計画(工事)のある程度の青写真が出来てきており、着工を待っている状態になっています。今までは、集落の再生についての議論を交わしていたのですが、それが落ち着いて来た今は踊り場的な状態になっていて、集落の中でどのような活動をしていけば良いのか、何ができるのかということがわかりづらくなっています。若手メンバーは、その中で集落をどのように活性化していくのか、という活動のヒントを探ろうとされています。
古閑地区中越訪問_180227_0008

視察は、木沢集落や川口町、塩谷集落などを見て回り、住民の方々にお話を聞かれました。
参加者からは、「新潟は70歳、80歳がいても諦めずに頑張っていることに感動した。上の人も意見を変えていった。10年たってもボランティアが来てると感じて、そういう雰囲気、受け入れ作りをしていきたいと思った」というような感想が出てきていました。
古閑地区中越訪問_180227_0010

今後は、将来を見据え、集落内の若手や女性陣を中心にした集まりなどを開いていきたいなどの意見も出てきているそうです。外部の人をどのように受け入れていくかということも話題となっていました。

今後もこうした集落内の支え合いや再生に向けた動きをサポートしていきたいと考えています。

熊本地震の支援活動についてのHPを作成しています。
http://ngo-kyodo.org/kumamotojishin2016

寄付の受付はこちらから
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熊本地震救援ニュース第91報【西原村ドキュメンタリー映画作成支援のお願い】

被災地NGO恊働センターです。
当センターでは、「西原村rebornネットワーク」を通じて、熊本地震の被災地である西原村で支援を継続しています。今回は、その西原村からのお願いです。

今回、西原村の地震直後からこれまでの復興の道のりを、ドキュメンタリー映画として作成するというプロジェクトが進んでいます。
村の住民と役場職員の奮闘を中心にし、後世へと語り継いでいくための映画となります。
映画完成後は、上映会を開催、その後は村へ映画を譲渡されるとのことです。
村役場も全面協力をしていくとのことでした。

みなさま、ぜひご協力をお願いします。

◆プロジェクトの内容や応援方法の詳細は下記のURLからお願いします。
https://camp-fire.jp/projects/view/64810

みなさまのご協力、どうぞよろしくお願いします。

熊本地震救援ニュース 第90報

西原村rebornネットワーク

熊本地震の被災者支援を続けています。西原村では、「西原村rebornネットワーク」が本格的に立ち上がり、活動を展開しています。当センターでは、このネットワークのサポートをしています。今年度1年間を通じて当センターの活動をハンドオーバーしていきたいと考えています。

西原村rebornネットワークは、縮小する災害ボランティアセンターの機能をどのように維持するのかを考えて、当初は「西原村rebornプロジェクト」という名前で発足しました。災害ボランティアセンターを中心として、支援に関わっている村内外のボランティア団体やNPO/NGOをゆるやかにつなぐ場として機能を持たせようという趣旨でした。
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これまで西原村災害ボランティアセンターの運営は、社会福祉協議会が担ってきましたが、どうしても時間が経つと規模を縮小せざるを得ません。がれき撤去などのいわゆるガテン系の活動は徐々に減っていきますが、一方で被災者一人ひとりの困りごとは多様化していきます。例えば、「住宅をどこで再建するか決めかねている」「仮設住宅は狭くてものが置けない」「畑仕事をしたいけど、足がないから仮設住宅から通えない」「みなし仮設に住んでいるんだけど、子どもの送り迎えの間の居場所が村の中にない」など。こうした多様化する個別の困りごとに対応するために、西原村rebornプロジェクトは各種団体と共に情報共有、課題の抽出などの連携を図る場としての機能を果たしてきました。

これから益々、被災地内の課題が多様化していく中で、今年の3月末から事務局をしっかりと持った団体として、そして多くの団体と共に運営・活動していくという意味も込めて「西原村rebornネットワーク」として本格的に立ち上がりました。

現在の活動の柱は、1.集落再生支援、2.村内外の情報共有と発信、3.住民が主役になるイベントづくり、の大きな3つです。当センタースタッフもこの西原村rebornネットワークの事務局をサポートしています。一人ひとりの声に耳を傾けるということを大切にしながら、多様なネットワークで被災者を支えていくことを目指して活動を展開しています。
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まだまだ立ち上がったばかりで、活動は少しずつしかできていませんが、それでも一歩ずつ復興への道のりを歩いているという実感があります。こうした地元の団体が根付いていくことが復興への道のりの中では大きな意味があると感じています。
今後ともご協力をよろしくお願いします。

西原村rebornネットワーク
https://rebornnet.wixsite.com/reborn-network

◎引き続きご支援をよろしくお願い致します。
「熊本地震」活動支援金を募集しています。
郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
*お手数ですが、通信欄に「熊本地震」と明記下さい。
銀行から振り込む場合は、ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

熊本地震救援ニュース 第89報

4月に入り猛烈な暴風に見舞われている、西原村。

地震後から時折聞かせてもらっていた、阿蘇の外輪山の一つ、俵山から吹き下ろされる季節風「マツボリ風(かぜ)」である。

あまりの強風なので、地域を回ってみると、全壊して取り壊された後に建てられた運動会に使われるようなテントを物置小屋代わりに使われているお宅が多数あるが、幾つかがすでに吹き飛ばされ、あるいは風圧によって骨組みが折れてしまっているテントも幾つかあった。

西原村の風当(かざて)地区。「この風が一番当たるから、風当なんだよ」と地区の方。

他の地区に比べて、確かに特に風がひどく感じる。

「周りに地震で家もなくなって、木も少なくなったからか、今年は特に風がひどく感じる」

「とにかくこの風がおさまらないと、どうしようもない。地震の後はなんだかいろんなことが起きる気がする。」

 

これからの作付けのために畑に張られたマルチが風で飛ばされたり、屋根のブルーシートがめくれ上がっていたり。ゴーゴーとうねる風の音、揺らされる電柱や信号機、これ以上何も起こらないことを願うばかりである。

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▲テントが飛ばされて修理も大変

そんな中、夜、布田地区の公民館において、地震の後の断層の状態がどうなのか、特に布田地区、小森地区、畑地区、風当地区に隣接する「大峯山」の中の断層の状態、亀裂なども含めて今後の余震などによる影響、また6月に迎える梅雨の時期の影響などについて、熊本大学や防災科学技術研究所の専門家の方々からの実際に実地調査をされての今の現状について、住民の方々への説明や意見交換を行う研修会が布田地区の地域再生委員会の主催で開かれた。

 

今後、昨年のような規模の地震が発生する確率が少ないこと、だが今後の大雨による影響で土砂崩れなどが発生する可能性を孕んでいるところも少なからずあること、特に人家に被害が及ぼされるところはそれほど多くないが、ただいざという時のための備えや避難ということを充分に準備しておくことなどが話された後、住民の方々からの質問など意見交換が熱心に行なわれた。

やはり気になるのは、ご自身の自宅への影響がどうなのか、またこれから住宅再建をしたとして、そこは安全なのか、そのことがやはり気がかりで、そうした具体的な「◯◯地区のここは大丈夫か?」や「安心がないと元の地域に戻ることはできない。もし予測があるのであれば教えて欲しい。今後の地震の可能性と崩落の可能性の有無について教えて欲しい。」という質問などもやりとりされた。

 

地震後に片付けのお手伝いをした、久々に再会したお母さんは、「さっきの話の中には自分の宅地のところの断層がどうかということはなかったけれど、実際はこれからの再建をどうしようか悩んでいる。住宅のすぐ裏にあった牛舎があったところに亀裂が走っていたので、それを見た父が心配をしてなかなか家族の中でも再建先について決まらない。」とこぼした。


再建をこれからどこにするべきなのか、またご自身にとって安全で安心できるところはどこなのか。なんとなくも先行きを考えつつも揺り戻し、また前を見て、という振り子のように揺れる気持ちを誰もがどこかで抱えているのを垣間見た、研修会だった。(鈴木隆太)


◎引き続きご支援をよろしくお願い致します。
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熊本地震救援ニュース 第88報

熊本地震から1
西原村古閑地区の「いま」

2月下旬、西原村の古閑地区で住民の方々が集まっての会合が仮設住宅の集会所で開かれました。
まもなく1年を迎えようとしている被災地・西原村では、仮設住宅での生活もひと段落し、また自宅に戻られた方々もそれぞれの暮らしがあり、またみなし仮設や親類の方を頼っての生活をされている方など、それぞれがそれぞれ今与えられている環境での「くらし」が一定になりつつある中、むしろ「停滞感」を感じている方も少なくないようです。

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そんな中、古閑地区の方とお話する機会がありました。
「今はなんか落ち着いたというか、それぞれがそれぞれになってしまってバラバラ。誰がどうしようと(家の再建など)しているのか全く分からなくなった。」
地域から離れての仮設などでの暮らしをしている方、かろうじて残った家に戻っての暮らしを始めている方、それぞれがそれぞれの環境下にあって、なかなか集まる機会を作ることも難しいとおっしゃいます。

だからこそ、今一度集まってそれぞれがどう考えていらっしゃるのか、そのことを確認しようということで、冒頭の仮設での会議となりました。

今はまだどこをどう修復するのか、また住宅は元の宅地に建てられるのか、あるいはどこか別の場所に建てることになるのか、まだまだ不確定な部分はありますが、そうした中でもそれぞれのご家庭でどのような再建をされるのか、そしてその集合体としての集落のこれからはどうなっていくのか、この地域におけるそれぞれの「納得」をしながらの合意形成を図っていかなければならない、そうしたことを確認する場となりました。

昨年6月の梅雨。地震による大きな被害を受けた西原村では大雨による二次災害が各地で発生しました。そして3月。またも6月を目前とする時期に差し掛かる中、雨による再び起こるかもしれない被害への警戒が村内ではあちらこちらで声として聞こえてきます。
様々な要因でなかなか前に進めない今、焦燥感と疲労が見え隠れします。中には地域での話し合いが行われないまま、これからどうなるのか先行きが全くつかめない人も。

4月。一軒ずつのヒアリングが始まりました。これから住宅再建をどうしていくのか。それは「これからどの地でどのように生きていくのか」という問いに他ならなく、またそこから聞こえてくる声はまだまだ悩みの真っ只中にある、そうした心象風景が垣間見えます。
「戻りたくても、今のところは雨が降った時に不安だから」
「俺の思うところはあるけれど、それはまた親父とは違う考えだと思う」
「公営住宅に入ろうと思う。元の地域にできるなら、それがいいけれど、それも難しいのではないか」
こうした声を聞きながら、これからの地域についてそれぞれが思いを馳せておられます。

そんな中、こんな言葉も聞かれました。
「一人でも多く、この地に戻ってきてくれたら。」

今まであった地域のつながりの中で生きてきた方々だからこそ、今一度、という気持ちが強くにじみ出る方も決して少なくありません。

1年を目の前にして、あらためて今までを振り返り、これからを見据える。そうした「踊り場」に今、被災地があることを感じます。そしてこれからのここ西原村の復興を目指して、やはり一人ひとりと向き合いながら、なお、地域での合意形成を図る、そんな一助ができればと願ってやみません。(鈴木隆太)

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熊本地震救援ニュース 第87報

西原村の仮設住宅で新たな「生きがい・仕事づくり」が始まっています。
今回は、その活動をお届けします。

 西原村の仮設住宅にて、住民の方々による手芸グループ「ののはな舎」が発足しました!空いた時間に仮設住宅の集会所に集まって、思い思いに手芸をして楽しんでいたお母さんたち。「作ったものを売って、収益を復興に役立てることはできないだろうか」という提案に、「これまで多くの方に助けてもらった。今度は私たちも、ものづくりを通して、誰かの役に立ちたい!」「助けられるだけでなく、私たちも西原村の復興に携わりたい!」と、お母さんたちの声が上がりました。
 中越地震や東日本大震災で被災された方々が、西原村の仮設住宅に訪れる機会がありました。その際に中越地震や東日本大震災で被災された方々によるこれまでの活動を聞き、「私たちも何かしなければ」と思うようになったと、ある方はおっしゃっていました。素朴だけれどもかわいらしく、どこにでも根を張って生きていく野の花のように、ふと足元に見つけて小さな喜びをもたらす野の花のように、自分たちが作ったものが誰かの小さな喜びになれば、そんな想いを込めて、「ののはな舎」という名前がつけられました。
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 「狭い部屋にこもっていたら、どうにかなってしまいそうだ。こうやって人と顔を合わせて、手を動かしていると、楽しく過ごせていい。」という声も聞きました。
 仮設住宅に入って初めて出会い、この活動を通して仲良くなられた方々もいます。集会所に集まってものづくりをしていると、散歩中のおじちゃんが様子を見に立ち寄ったり、近くに住むおばあちゃんが「私は目が悪くて加われないけど」と差し入れを持ってきてくれたりと、住民の方々同士のつながりが広がっているようです。
 お母さんたちが和気あいあいとものづくりをしている姿は、まさに仮設住宅に野の花が咲き始めてように感じられます。(寺本わかば)
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第一弾の商品は、紙バンドで編んだ小物入れです。お菓子や鍵を入れるのにきっと役立つと思います!
価格:350円 大きさ:直径約13㎝、高さ約6
イベント等で販売させていただける場を探しています!ご協力いただければ幸いです。
またこれからさまざまなものづくりに挑戦して、商品の種類を増やしていく予定です。

ののはな舎のfacebookページ
https://www.facebook.com/nonohanasya/?fref=ts

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熊本地震救援ニュース 第86報

 熊本・西原村での支援活動を継続しています。私が現地を訪問するのは、12月以来2ヶ月ぶりです。2月7?8日の2日間の駆け足となりましたが、その時の現地レポートをお送りします。

 西原村では住宅の解体が進んでいます。重機を使って更地にしてしまうので、久しぶりに訪れると風景の違いに戸惑ってしまいます。
 解体を待つお宅からのご依頼もポツポツと出てきます。家は解体するけど、隣の倉庫が完成したから家から倉庫へ荷物を移してほしい、解体予定の家の窓枠だけを使用したいから取り外してほしいなど。
 また、瓦のふき替えの依頼をした際に、古い瓦を残したまま業者が帰ってしまったというお宅もありました。瓦の回収作業をお手伝いしていると、「一人でやるとなるととても大変だから、やる気が起きないけど、こうして手伝ってもらえるとやろうかなという気になるよ」とおっしゃっていました。ボランティアが身近にいるというだけで、その方の生活が間接的に支えられているのかなと寄り添い活動に意義を感じます。
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 仮設住宅への入居から少し時間がたち、生活は少しずつ落ち着いてきていますが、その先の暮らし再建へ向けて、それぞれの方の悩みは多様化しています。
 ある住民の方は、「村の中で差ができてきている」と話をされていました。もともとの自分の集落での再建を目指すのか、別の地域に移って再建をするのかまだまだ迷って揺れ動いている方々も多くいらっしゃる一方で、自宅に戻り地震前に近い生活に戻りつつある地域の方もいらっしゃるという状況で、なかなか「村」として復興に向かっていこうという意識を持つことが難しい、という意見もあるようです。村人が一つになるきっかけづくりとして、ボランティアによるイベントなどの多様な関係づくりがこれからは求められるのかもしれません。
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 仮設住宅の集会所を覗くと、住民の方々が集まってお茶を飲んでいました。集会所に入ってみると、「寄ってけ寄ってけ」と声をかけてくださいました。暇な時は集会所に集まってお茶を飲んでいるという3人の方がおられ、ボランティアでふらっときたんです、とお話すると「ここは誰でも使っていい集会所だから気にせずに」とお話してくださいました。
 こうした何気ない日常での関わりも大切にしつつ、長期にわたる復興の課題にボランティアも一緒に悩んで行くことが重要だと改めて感じました。(頼政良太)

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熊本地震救援ニュース第85報

「鬼神殿」

西原村・鳥子、布田・宮山の両地区におきまして、秋の例大祭が執り行われました。

この祭りは「鬼神殿(きじんどん)」と呼ばれる神様が本殿から現れ、子どもたちを泣かしながら境内を歩き回り、その後神主さまによってお鎮まりになって帰って行かれる、いわば秋田のナマハゲのような子どもの成長を祝い、そして秋の収穫に感謝をする、そんなお祭りです。

まずは鳥子地区にあります三宮神社にて「きじんどん」さんが現れます。
ここは本殿の手前に拝殿があり、奉納の舞を納められた後、いよいよきじんどんさんの登場です。
舞が終わる頃には子どもたちはソワソワ。拝殿を覗きながら、また拝殿から遠くへと走って隠れる子、拝殿に上がって親御さんと共にその時をじっと待つ子、もう耐えきれずに泣き出してしまう子。きじんどんさんの登場が近づくにつれてだんだん子どもの様子が賑やかになってきました。
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そしてきじんどんさんの登場。いよいよ泣き出す子、遠くまで逃げ惑う子、きじんどんさんなんて怖くないと言わんばかりに走り回る子、様々です。
境内を怒鳴りながら歩き回り、最終的にはまた拝殿へと戻ってそこで神主さんとの問答が繰り広げられ、本殿へと帰って行かれました。神様に怒られる神主さんというのも初めて目にする光景でした。
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ここ三宮神社では、境内で地区の方々によるおみくじ、神社修復協力のためのバザーや、カレーやおにぎり、カライモなどの炊き出しもあり、地域でお祭りを盛り上げていらっしゃいました。
自分たちでできることを持ち寄りながら、工夫しながら場を盛り上げ、一つの空間を作り出していく。これこそ復興における大切な共通体験なのではないかと感じました。

そして次なるきじんどんさんの活躍の場は布田・宮山の八王神社。
八王神社は拝殿が地震によって倒壊してしまったため、拝殿の跡地に舞台を作り、今までにないオープンな場での例大祭となりました。
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ここでは様々な屋台や出店が地域の方、またボランティアの方、学生の方などと協力をしながら出店されているのがとても印象的です。この地域がこれまでどのように外の人達と繋がりながら地震後7か月を歩んできたのかが想像できる、とても賑やかなお祭りとなりました。
極めつけは「マグロの解体ショー」!
神事が行われている目の前で、解体されていくマグロに舌鼓を打つ参加者の皆さん。それはそれは大盛況でした。
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拝殿が崩れても、そこにまた新たな露天の舞台という「場」を作り出し、それがその会場の中心となって人々が笑顔で集う。コミュニティの核と言われる神社でこうした従来から住んでおられる方々と外からの方々が一緒になって過ごすこの「祭り」という空間を通じて、これからの西原の復興の先にある姿を垣間見る、そんな気持ちになりました。
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西原の祭りを通じて、復興へと進んで行くお一人お一人の力強さを感じさせていただく、そんな貴重な体験をさせていただきました。(鈴木隆太)

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熊本地震救援ニュース第84報

【大切畑集落*での1日】

「大切畑の創造を楽しもう!」
「復興の鍵はみんなの心意気にある!」
 11月13日、大切畑の集落内に掲げられた横断幕にはこう記されています。
 今回の地震で大きく被害を受けた大切畑集落。今はほとんどの方々が仮設住宅で生活をされていますが、この日は天候も良く、皆さんの手によってこの横断幕が掲げられました。
 
「久しぶりに大切畑でゆっくりするなぁ」
 こんな声が聞こえてきたのは、お昼、滋賀県から来られたボランティアさんによる炊き出しをいただいている時のことです。普段は大切畑に戻ってきても、畑や家のことなど、様々な仕事があるため、慌ただしい日々を過ごされているのでしょうか。
 みんなで集まって、こうしてお昼を食べながらひと時を分かち合う。こんな普通だったことに心が緩む、それほどに大変な時期の中に今でも皆さんがいらっしゃることは想像に難くありません。
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 大切畑では月に一度、全体会として住民の方々が集まって、これからの再建について話し合う会議を設けています。
 それぞれのご家庭によって、これからどのように再建を目指していくのか、それは様々であり、また現段階においても迷われている方は大切畑の皆さんに限らず少なくありません。それでもここ大切畑ではそれぞれが今どのように考えているのか、悩んでいることも含めてお互い共有をしよう、また共通して悩んでいることについては、役場とも相談しながら解決策を見出していこう、そうした雰囲気作りを、区長さんを中心としながら話し合いが持たれています。
 
 先日、大切畑と古閑の皆さんと11年前に被災された福岡西方沖地震の被災地・玄界島を訪れた際、玄界島の住民の方がそれぞれ口にされていました。
「とにかくみんなで話し合いの場を持つことが大切だ」
 これは、12年前に発生した中越地震の被災地を訪れた時も異口同音にこのことが熊本地震の被災地へのメッセージとして聞かれました。
 
 こうして大切畑では話し合いの場を皆さんで持ちながら、お互いがこれからどのようにしていくのか理解をし合いながら、一歩ずつ復興の道のりを歩み始めています。(鈴木隆太)

*大切畑地区・・・当センターと深いつながりがある水俣の方からご紹介いただき、つながりのできた集落です。西原村の中で最も被害の大きかった集落の一つです。

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