本地震救援ニュース 第24報

<災害時におけるボランティア事情-5>
  9日、不通になっていた高速道路が復旧し、25日にぶりに九州の全高速道路が復旧した。一方、報道ではGW明けのボランティア激減という記事が目につく。 

ところで、この二つのニュースをあわせると、「ボランティア激減対策」のアイデアが浮かぶ。つまり、九州全県の主要駅から「ボランティアバス」をだすというしくみだ。
 九州一円のみならず全国からボランティアが動き出している。すでに阪神・淡路大震災や東日本大震災、広島土砂災害、鬼怒川水害などなどこれまで災害にあった被災地から、「困った時はお互いさま!」と駆けつけている。「被災地から被災地へのリレー」だ。
しかし、発災後の各ボランティアセンターからの呼びかけが「熊本県内に限る」としていたこともあって、同じ九州人として心配していた人はたくさんいたでしょうが、GW中に大掛かりに動いたという話は聞きません。それで、九州圏内でも被害のほとんどない長崎県、佐賀県、福岡県などの主要駅からボランティア・バスを出せば、乗ってくれる人はたくさんいるかと思います。そこで、被災地NGO恊働センターの責任者でマイクロバスを手配し、マスコミに告知し、走らせたいと思います。
ボランティア・バスの添乗員募集!!
(長崎、佐賀、福岡県内在住の方に限る。旅行会社の添乗員経験者大歓迎!)
 そこで「ボランティア・バス」の添乗員をして下さる方を確保し、早速走らせたいと思います。みなさん、ご協力下さい。
(ボラ・バスに関する問い合わせは、村井まで。090-3160-3816)
 
*トピックス
<熊本地震>ボランティアが激減 大型連休明け 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160509-00000093-mai-soci
(2016年5月9日 毎日新聞)

*引き続きご支援をお願い致します。
「熊本地震」活動支援金を募集しています。
郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
*お手数ですが、通信欄に「熊本地震」と明記下さい。
ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座
0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

*「熊本地震」支援活動の一部は、公益社団法人Civic Forceからのご支援を戴いてパートナー事業として展開しております。

熊本地震救援ニュース 第23報

<災害時におけるボランティア事情-4>
 長い連休明けとなりましたが、被災地はあいにくの雨で、二日連続でボランティア活動は中止となりました。やがて梅雨の季節にもなるので、被災者にとってはほんとにいらいらする日々が続くようだ。
 今日から被災地で被災者の避難所となっていた小・中・高の学校が再会する。これに伴って避難所の統廃合もおきるので、ボランティア活動にも影響を与えるでしょう。子どもたちにとっても晴れて、学校が始まるので大喜びの様子が報道されているが、被災者の方々も、これで「ホッ!」としたと安堵されている方もおられた。

  さて、連休が終わり何処のボランティアセンターもボランティアセンターが激減する。
対策に頭を悩ませることになる。そんな中で益城町社会福祉協議会によりますと、「連休中は多い時で700人以上のボランティアが集まりましたが、7日は半分ほどだったということで、原則として県内に限っていたボランティアの募集を9日からは全国に広げて呼びかけることにしています。」とHPに書かれてあった。これも智恵だなあと思う。
 当センターが関わる西原村ボランティアセンターでは、オープン当初からボランティアの制限をせずに全国に呼びかけていたので、混乱はないのだが、激減は同じなので頭が痛い。

 そんな中で、ホッとする話が舞い込んできた。西原村の万徳、宮山、門出地区の3ヶ所に「六地蔵」さんがあるのだが、ここを毎日お参りしていたおばあさんが、この地震で地蔵さんが倒れたままになっていたので、「心苦しい」思いをされていた。そこで、その話を聞いたボランティア本部のスタッフが、「おばあちゃんのために何とかできないか?」と思い、こちらに相談があり、阪神・淡路大震災以来ご支援を戴いている高野山の真言宗の方に相談したところ、片付けボランティアとして出動することを快諾して頂いた。
 きっと地蔵さんが修復されることによって、このおばあちゃんのみならず地域の皆さんも喜んでくれるだろう。本来、日本では宗教施設を公的資金で治すということはなかったようだが、新潟県長岡地震(2004)の時に新潟県知事の英断で、神社仏閣の修繕が可能になった。その理由は、「地域においてこうした施設が壊れたままでは、どこか寂しい。こういう施設がいち早く修復されることで地域の方が元気になるならこれは意味があるだろうということで、「コミュニティづくり支援」の一環として公的支援が行われるようになった。
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 こういう積み重ねが復興へとつながるのだろうと痛感させられた次第である。
先日の神社の参道清掃も同じことだが、こうして復興の道筋の中で、人の気持ちも復興していくということが大切なことだ。まぁこれも「小さな心のケア」といえないか?
(*「六地蔵」の歴史については、下記のアドレスで詳細が分かります。)
http://www.ar.kumanichi.com/2016/04/16217

 梅雨の声を聞く前に、大方の目処が多々なければ暮らし再建がままならない。まだまだ前途多難だが、踏ん張るしかない。冒頭でも触れたが、被災者のストレスは想像以上のものだ。それを思うと、ボランティアが思うようにならないストレスはたいしたことはない。ボランティアも辛抱する時は、辛抱しよう!

*なお、今日の話題となった西原村の倒れた六地蔵さんを興す作業は、高野山真言宗の僧侶たちのボランティア活動で行われます。

*トピックス
熊本地震 ボランティア専用キャンプ場開設 参加者減少も「まだまだ人出は必要」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160509-00000071-san-soci
(2016年5月9日 産経新聞)

児童ら、笑顔で登校=避難所と共存も―熊本地震
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160510-00000036-jij-soci
(2016年5月10日 時事通信)

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熊本地震救援ニュース 第22報

<災害時におけるボランティア事情-3>
 熊本地震の被災地である益城町や西原村、南阿蘇という地域は、日頃から助け合いや支え合いが浸透していたという話をよく聞く。その一つ西原村大切畑地区では、「「みんなとここで暮らし続けたい」と自力で再興に向けて歩みを少しずつ進めている。」(毎日新聞、2016/5/7)
 西原村の避難所では、地元の被災住民たちが率先して炊き出しをされている。被災者でもある人たちが、そのような活動にまで精を出しておられることには頭が下がる。災害が起きると、よく「ボランティアがやりすぎると自立を損なう!」というが、むしろ無理しない程度で自分たちでやる方が精神的にもストレスが溜まらないだろうと思う。ただし、こういう役割はだいたいが女性に負担がかかる。特に熊本の文化として特に「男子、厨房に入らず」という諺があるように、女性が台所仕事を賄う。
 こういうときには、ボランティアがすべてを奪うように「炊き出し」をしてしまうのは、どうかと心配する。黒子に徹して、少しお手伝いを心がけることを提案したい。阪神・淡路大震災の発災直後に、「鍋・釜作戦」と言って、炊き出しをして配膳するのではなく、鍋や釜、まな板、包丁などを持ってテント生活者を廻り、「資機材と食材を提供しますのでご自分でやりますか!」と呼びかけさせて貰ったら、被災者はみんな「それなら自分でやるよ!」と反応された。被災者にとっては大変だろうということは理解しているが、本人たちが自身でされるという意思がある以上は、こういう「黒子」になっての支援も必要ではないかと思う。

 ノーベル経済学者のアマーティア・センは、「ニーズが大事なのではなく、当事者が自由になることが大事なんだ」と書かれている論文を読んだことがある。この「鍋釜作戦」を振りかえると、「自由の確保」と言えるような気がする。また、亡くなられた精神科医のなだいなだ先生は、「信頼関係さえあれば、人間はそこそこ自由にやっていける」。と、ご自身の体験から言っていた。

 これからのボランティアは、こうした智恵を働かせての活動が求められるのではないだろうか?いうまでもなく、ボランティアのストレスより被災者の方が何倍ものストレスが溜まっていることを、あらためて受け止めよう!!

<被災者のつぶやき>
*眠れないから、朝5時くらいに歩いてきちゃった。こんなところにいたら鬱になっちゃいそう。たぶん、ストレスからきてる神経性の胃炎になっていると思うんだ(70代女性)
*パーテーションの仕切りがこの男性のいる区画まで到達しようとしていた。
男性が一番不満だったのは、間を仕切ることが自分の知らないところで決まっていたことであったようで、その後自分の望む形に一辺を開け放した形にしてもらい満足そうにされていた。(80代男性)

○西原村災害ボランティアセンターに農業復興ボランティアセンターが立ち上がりました!農業を通じた復興にご興味のある方、これから息の長い活動になると思います。どうぞよろしくお願いいたします。
https://www.facebook.com/nishihara.agri.volunteer/timeline

熊本地震救援ニュース 第21報

<災害時におけるボランティア事情-2>
 今朝、テレビを見ていると熊本市内のボランティアセンターが、受付開始後15分で受付を終了し、長蛇の列をつくっていたボランティアが困っていたのが報道されていた。
 しかし、GW始まって以来毎日のように同じような報道が流れている。ボランティアに行く前に、各ボランティアセンターに問い合わせればある程度の事情は予測できるとも言える。ボランティアは自己責任、自己完結、自己判断が原則だ。ボランティアに行く方も、もう少し考えたらどうなのかとお願いしたい。

 これからの災害支援ボランティアには、「SNS」が活躍するだろう。すでに今回の熊本地震でも活躍しているが、一方でデマも流れ足を引っ張っている。情報のトリアージが必要になる。それでも、いろいろな工夫をすることで新たなボランティア文化を生み出すことに期待が出来る。
 SNSが上手く機能すれば、ボランティアセンターやコーディネーターさえ要らなくなるかもしれない。朝日新聞デジタルニュースで紹介された “湧き水シャワー”がよく分かる事例なので、以下に紹介する。

――「こぎゃん被災地に」 益城の被災宅庭にシャワー完成(朝日新聞デジタル 5月6日 23時57分配信)
 熊本地震で自宅が全壊した益城町の増永信喜さん(70)宅の庭に、わき水を使ったシャワールームが、ボランティアの協力で完成した。被災し自宅で入浴できない近所の人たちに、開放している。増永さんは、自宅に40年前から出ているわき水があることから、庭先にテントを張り生活している。水は、近所の人たちにも開放し、朝から水をくんだり洗濯をしたりする人が訪れている。京都府からボランティアに訪れた建築業の国領義数さん(60)が、増永さんが水を開放していることを知り、持参した湯船と薪で燃やす釜で、シャワールームを作ることを提案。SNSなどで活動を知ったボランティアの協力を得て、4日に作業を始め、翌5日には完成した。一番風呂に入った増永さんは、「こぎゃん被災地に、こぎゃんシャワーが出来るなんて」と完成に驚き、妻の春代さん(69)も「これで遠いところまでお風呂に行かないですみます」と表情をゆるめた。(関田航)――という話だ。

 この事例は、ボランティアセンターを通さずに、SNSで応援ボランティアセンターを募り、自己完結・事故責任・自己判断で活動をし、何の問題もなく終わったということだ。しかも何より被災者が大喜びだ。つまりボランティアセンターも、コーディネーターも必要としないボランティア活動ということではないか。というかSNSがコーディネータの役割を果たしている。
 実は2年前の広島土砂災害でも、SNSが活躍し効果をあげたという話がある。広島土砂災害でも、8時半にボランティアセンターが開設し、8時半には受付が閉められた。溢れたボランティアさんたちは、何かできることはないかと被災地を歩いていたら、被災者が家の玄関に入ってきた土砂を一人で書き出している。「手伝いましょうか?」と訊ねたら、「ありがたい、よろしく!」となる。そこでそこに入ったボランティアは、「今、○○で泥出しをしているんだけど、誰か手伝ってくれないか?スコップがあればスコップも欲しい!」とSNSで発信すれば、人もスコップも集まってくる。丁度、現場に地元の人が庭を開放して、ボランティアの休憩場として場所を提供していた。集まった道具を被災地に寄付して帰ろうと思えば、おいて帰ればいいだけだ。迷惑さえかけなければ完璧なまでのボランティア活動と言える。

 これからは、災害がおきてもこうした光景があちらこちらで見られるでしょう。私たちがお手伝いをしている西原村のボランティアセンターは、実は現場に近いところにサテライト(拠点)をおいて、被災者のニーズを集約し、そこから人も送り出すという方式を採用している。SNSを使いこなせる人がいれば大歓迎だろう。

<被災者のつぶやき>
・旦那とおじいさんが作った家だったんだけどねぇ、はいれなくなっちゃってねぇ。中のものが取れないことなどよりも、家そのものが一番の思い出であったようだ。(70代女性)

・俺が赤紙だー。手首や足など、怪我やむくみなどで思うように動けない男性。家屋の危険度をあらわす赤紙と自分の体を重ね合わせ、冗談を言うように笑いながらつぶやいた。(70代男性)

●荒尾市社会福祉協議会のフェスブックに段ボールベッドの作り方が出てます。
https://m.facebook.com/227962200909862/photos/a.227964334242982.1073741828.227962200909862/227963770909705/?type=3&refsrc=https%3A%2F%2Fwww.facebook.com%2Fv2.5%2Fplugins%2Fpage.php

○引き続きご支援をお願いします。
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○なお、「熊本地震」支援活動の一部は、公益社団法人Civic Forceからのご支援を戴いてパートナー事業として展開しております。

熊本地震救援ニュース 第20報

<災害時におけるボランティア事情-1>
 いよいよ大型GWも明日で終わりますが、GW後のボランティア減少にまた悩まされることになるでしょう。GW中駆け足で、被災地を訪問してきました。熊本学園の画期的な取組(一般避難所で障害者も一緒に避難)、熊本城の崩落現場とそのまん前の二の丸パーキングが被災者とボランティアの車中泊に解放されていたこと、益城町総合体育館の大規模避難所に圧倒されたこと、西原村の風当地区の家屋倒壊は30件のうち27件が全壊、同じく益城町馬水の家屋倒壊の惨状、阿蘇山麓の牛舎が潰れ牛が圧死、布田川断層帯と日奈久断層帯とが合流して地表に出ているところなどなどを見てきました。これからの暮らし再建の困難さを想像すると愕然とします。
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 一方、GW前からボランティアのありようについて、メディアはいっせいに報じ、GW中も毎日報道されている状況です。話題の柱は、ボランティアの受け入れ制限のこと、そして危険家屋などの片づけをボランティアができるか、否か?などでした。益城町の家屋倒壊 の多い地域の通り沿いで拠点を設け、瓦礫片付けなどのボランティアをしている日本財団のKさんの話では、「我々はボランティアが安全に作業をできるような環境をつくることが目的で、大型重機を投入して一気に片付けるという業者のようなことはやらない。それがモットーだよ!」ということで、21年前の阪神・淡路大震災からお世話になってきた私としては、“目から鱗”で久しぶりに「Kさん語録」に1ページが増えたという、心地よいひと時をすごしました。
 被災者にとっては、応急危険度判定は終わっても、被災判定(全壊、大規模半壊、半壊、一部損壊)が確定し、罹災証明が発行されなければ落ち着かないというのが現実です。
瓦礫片付けと一言で言っても、被災者のこうしたもどかしくも、複雑な心境にも気遣いながらの活動が必要で、いつも災害後の非常時であっても、「暮らしに仮はない!」ということを念頭に置きながらの活動に徹したいと思う。
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 西原村の山西サテライトでの活動に一つに、以下のような粋な配慮をされた活動がありましたので紹介します。
 -山西地域のある神社の参道が倒壊し、災害前まで毎日ここの参道の掃除していたおばあさんがいました。この方は、それが日課だった。しかし掃除が出来なくなったのでしょんぼりしていたところ、ボランティアさんが集めて来たニーズから、コーディネーターのMさんがそれに注目し、「じゃあ、参道の片付けに行こう!そしておばあさんと一緒に参道の掃除をしましょう。」とその日の活動メニューが成立します。このMさんは「がれきの撤去だけで被災者の希望が見えるわけではない。対話を重ね、支え続ける姿勢が大切」(神戸新聞、2016・5・7)と話しています。

<被災者のつぶやき>
一人暮らし。子ども夫婦も熊本市内で被災。神経性胃炎でキリキリ痛む。不安でご飯もあまり食べられない。いつまでこの生活をしないといけないのか。今日からり災証明の手続きが始まったらしいけど、それが終わらないと妹のいる福山にはいけない。色々時間がかかるからね。平屋の村営住宅は賃貸で危険度判定は黄色紙だけど、水が出ないと帰れない。便秘で6日出ていなかったけど昨日出た。今日病院に行くつもり。(70代女性)

こうして積もるストレスが体調悪化の引き金になる可能性が大であることにも注意しなければならない。

*トピックス
熊本地震の被災建物 「危険」判定に焦りと嘆き
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201605/0009058829.shtml
(2016年5月7日 神戸新聞)

熊本の復旧工事、国が肩代わり 大規模災害法を初適用
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016050601001847.html
(2016年5月7日 東京新聞)

熊本地震救援ニュース 第19報

熊本の被災地に入っているスタッフからレポートが届きました。

 昨日3日は、益城町の布田川断層帯と日奈久断層帯の重なる地形を観た。あらためて自然の驚異を目の当たりに実感したが、さらにその布田川断層帯の上に建っていたいた家、家がほとんど全滅という地域を訪ねて回った。ここは14日の発災後、高野山真言宗のご支援で頂いたカセットコンロなどを届けた馬水地区の公民館とその周辺だ。新築販売したところの建売住宅や最初の震度7では、まだ家は建っていたがその後の地震で倒壊した家、前震の時は車庫に止めていた2 台の車は無傷だったのに、道路に転がっていた大きな石のために車を出せなかったために2度目の本震でグシャッとつぶれたという家・・・・。どれもついこの前までは普通の暮らしをされていた営みが壊された光景ばかりであった。阪神・淡路大震災のあと、しばらくして国道2号線沿いを観た時の衝撃と同じものだっ た。そんな中で残念ながら亡くなられた方もおられる一方、奇跡的に助かったという人もおられる。なんと無情なのか?と思わざるを得ない。
(馬水のこの公民館は、指定避難所ではなかったために発災後4日までは食料が届かなかった。なんとか無事だった公民館に避難した住民は自主運営をせざるを得ない状況になった。)

<足湯のつぶやき>
(避難所で足湯をしていると、被災者の生の声が伝わってくる。これを被災者の“つぶやき”と言っている。)
・年老いた母親と息子さんの声。足の太いテーブルの下に6人がもぐり、身を寄せた。
2度目の震度7、助かったと思った。

・二人の息子さん(小学校5年生と2年生)を抱えたお母さん。地震の恐怖がトラウマになり車中泊をしていたら、しばらく子どもが避難所に入らなかった。家の柱はひびだらけ。2階が台所で、恐々上がったら家具がめちゃくちゃ。グラッグラッときて飛び出したから助かったが・・・・。住めるのだろうか。夫と4人 でもう元のように暮らしたい。

・胡瓜とプチトマトを食べてからくちびるが荒れて、それ以来食べていない。ご飯の魚も薬の匂いがしたと言って食べていない。(88歳、女性)

・大阪大空襲の時に比べたら今は贅沢。水害じゃなくて地震のボランティアは意味ないなぁ。赤紙でも入っていける専門的な技術が必要だよね!家を壊して新築するなら、この家は捨ててアパートでも借りる方がお金の面では楽かなぁ・・・・?(95歳、女性)

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熊本地震救援ニュース 第18報

顧問の村井が今日から3日間、被災地で活動しますが、そのレポートが届きました。

今日は朝9時から、たつの女性が担う地域防災塾のメンバーと共に西原村西原中学校に足湯に来ています。普段は100人以上が避難生活をおくっておられるのですが、30人くらいの方しかいません。「あれ~?」と思っていたら、昨日から「お泊まり体験」ということで、政府が手配した八代港停泊のフェリーに一泊二日のお泊まり体験に行っておられました。午後1時前に帰ってこられました。それでも午前中から20人の方々が足湯に来てくれました。「昨日もやって貰って、凄く気持ちがよかった!」といわれる人や「えっ、足湯?そんなのあるの?」っと来てくれたり、やはり足湯は人気があるようです。合同でやっているもう一つの「ふくいチーム」の学生さんたちと大忙しでした。他に整体ボランティア、全身マッサージボランティア、散髪ボランティアや音楽ボランティアなどが来ていました。避難所の見守り隊では、福岡県DPAT(心のケアチーム)、熊本県看護協会、日赤医療団、大阪市保健協会、熊本県警察、警視庁など完璧な見守り体制が組まれるようになっています。

※被災者のつぶやき
・家が倒れ、30%~40%倒壊。赤紙を貼られた。逃げる途中、足をはさまれた。ふくらはぎをはさまれた。
・冷え性なのでとっても気持ちがよかつた。あなたの手があたたかいので、よりあったかい見たい(80歳代女性)
・いつもは200人くらいいるんだけど(収容人数400人)、昼間はとても少なくなった。
・午前中、畑にサツマイモの苗植えで汗を書いたので、とっても気持ちがいい。1回目の地震はそうでもなかったが、2回目の地震で家具が全部倒れ、何が何だかわからず庭先の車に瓦が飛んで来たので、必死に逃げて助かった!
・昨日、足湯をやって貰って、疲れがとれ、ぐっすり眠れた。
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熊本地震救援ニュース 第17報

ゴールデンウィークに入り、熊本の被災地には全国から多くのボランティアが駆けつけています。本日、西原村の避難所となっている西原中学校では福井大学医学部の先生や学生からなるふくいチームが足湯ボランティアを行っています。足湯ボランティアは非常に喜ばれており、足湯を受けた避難者の方もホッと一息ついた様子です。

武田産業株式会社さまからご提供いただいたノーパンクタイヤ自転車が熊本の被災地に届きました。自転車は西原村、熊本県看護協会、熊本学園で被災者を支援するボランティアらの移動に活用されます。ご提供いただき誠にありがとうございます。

ニュース第13報で紹介させていただきました水俣在住のTさんから以下のようなご報告が届きました。紹介させていただきます。
―――
避難所では物資は余り気味ですが、個人宅や小さな避難所ではまだまだ物資不足のところもあり、保存できる缶詰や飲料などは必要とされる方がいるので、それらを積み込みました。八代以北の高速道路も開通しましたが、道路が波打っていたり、橋の部分は盛り上がりや陥没もあり、速度は抑え気味に走らなければ危険でした。これらは東日本大震災後の東北道や関連高速道路と同じで、昼間の走行はまだいいのですが、夜間はよほど注意しないと危険です。御船IC以北は一部一車線通行のため渋滞が発生しており、一般道を走行、益城町に向かいました。一般道も道路と補修のため、一方通行個所もあり、渋滞気味でした。
 その後、熊本で立ち上がった被災地障がい者センターや障がい者を訪問、今後の支援体制について意見交換、カンパをお渡ししてきました。また、近くの障がい者労働センターで被災状況や今後の計画、40人ほどいる障がい者の被災状況などを聞いてきました。ここでは障がい者が運営するオレンジカフェが使用不能、菓子など製造部門も大きな被害を受けていますが、できるだけ早い時期に再開し、県外も含めて早い時期に販売を拡大したいとのこと。アパートや家が壊れた障がい者も多く、仮設、市営住宅など住居の確保など大変な状況が続いています。
 熊本学園大学は最大850人いた避難者も、今日は60人ほど、障がい者や高齢者も10人ほど日減っていました。市内は電気、ガス、水道などライフラインが復旧、自宅に戻られた方も多いようです。学園大では、次々に閉鎖される避難所が多い中、縮小はするが避難者がいる限り、支援は続けるとして活動は続けるとのこと。支援物資はあり、今後は住宅再建など生活支援への移行が必要なことになりそうです。
―――
※今回のご紹介している活動を行っているTさんはじめ水俣ほたるの家には当NGOからわずかながら活動支援の寄付をさせていただきました。

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熊本地震救援ニュース 第16報

●西原村のボランティアセンターは、29日からボランティアを受け入れていますが、30日の両日共に約200名のボランティアが活動してくれました。受付は、一応午後12時までとなっていることもあって、特に混乱はないようです。しかし、二日目の昨日は予想を外れて、ボランティアが少なかったとのこと。

●<ガテン系ボランティア>
*住家の応急危険度判定がほぼ終わったようなので、当然なのですが、被災者には焦りが見られ、家の週辺のみならず「家の中の片付けの手伝いを」とボランティア要請が来るのですが、「危険」判定の建物には入れないし、「注意」判定でも専門の建築家ボランティアなどのアドバイスの下でなければ入れないというもどかしさがあります。もちろん、それ以上に被災者のストレスもピークなので、辛いところです。重機ボランティアさんも入っていますが、やはりガレキの片付けは最終的には「施主さん」が判断しなければならないことなので、厳しい状況です。
*今は“から芋”の種植えの時期だそうです。ボランティアの手が空いていれば、何人でも応援して欲しいという農家さんの話です。今、調整しているのは地元の農協関係者が間に入ってボランティアの指導をしてくださるようにお願いしています。

●<ほっこりボランティア>
  すでに紹介しましたように、西原村は住民主体での避難所運営が注目されています。またボランティアセンターからのお願いに対して、地域の老人会や民生委員の方々が積極的に手を上げ、協力して下さっています。こういう時は、ボランティアは黒子に徹することだと思いますが、住民のみなさんも疲労困憊の中での活動だろうと容易に推測できます。こんな時には、避難所などで「足湯」をしてあげれば、きっと心身のリラックスになり、ほっこりすること間違いなしです。
*昨日30日は、西原村山西小学校で足湯をしました。被災者のみなさんには大変好評でした。足湯は阪神・淡路大震災から21年間にわたって被災地で実施して来ましたが、ほんとに心身が癒やされるのは実証済みです。
(参加団体は、兵庫県立大学の学生、神戸大学OB/OG、被災地NGO恊働センターなど)

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熊本地震救援ニュース 第15報

 GW初日のボランティア状況について、テレビ報道は「GW ボランティアの受入制限も」というトーンですね。これを見た新聞社などは、「何故、制限をするのでしょうかね、どう思われますか?」という問い合わせがくる。ここ数日、こうした取材ばかりです。
 もう思わず「どうしてでしょうね?」と言わざるを得ない。ほんとに災害のたびに、同じことが繰り返されるのか?一つの要因として、これまでにも報告しているように、住民同士の助け合いが定着しているために、表面的にはボランティアの助けは要らないということかもしれない。でも、このような切り口で疑問を持ち、深ぼりしようという視点が見られない。とすると、視聴者にはあらたな課題は見えないということにならないか?何となくストレスが溜まる。

●昨日、当NGOのスタッフ等4人が熊本県西原村に向かい、昨晩のボランティアセンターのミーティングに間に合った。ニュース第14報でレポートしたように、住民主体の避難所運営をされているようなところでは、足湯で心身共にリラックスされるのがいいだろうなあと思います。この4人は、足湯のエクスパートばかりです!!

●西原村で支援活動をしている中田美咲さん・西井開さんの二人が係わった「親子カフェ」の様子をお伝えします。
(4/25 14:00-16:30、参加者:おんなのこ8人、おとこのこ8人、おかあさん5人)
  
<おかあさんのつぶやき>
-在宅避難者(子ども3人、高校生、小学生、保育園):>
*一回目の地震で、かなり家の中が崩れて、整理したら、2回目の地震が来て、テレビ以外の家財道具が全部壊れた。
*最初の二晩は車中泊したけど、もう無理ってなった。しょうがなく家を片付けて家のベッドで寝ている。
*在宅避難者の方がお金がかかる。物資も欲しいものは避難所の方々が先に取っているので、自分が欲しいものは買うしかない。区長さんがしっかりしているところは、一軒一軒まわって物資のニーズなどを聞いて欲しいものをくれる。
*高校が今日から始まって、お姉ちゃんがいままで妹と弟をみてくれてたけれど、みてくれる人がいなくて、どうしたらいいかわからない。
*水がでないので、お姉ちゃんのお弁当を持っていくのにもすごい困る。高校で妹や弟を預かってくれるということだけど、もちろん妹弟たちのごはんは学校でないので、持たせなくてはならず、預けるのも、うーんって感じ
*判定が青で、いろんな保険がおりるか心配
*旦那さんがもう会社いってるけれど、会社も大変
*家の片付けをそろそろ始めたい
*実家で3世帯みんなでご飯を食べているから、米が足りない
*地震があってから子供がいつもとは違うので心配。PTSDではないと診断はされたけれど、この状態が続くのは無理。

< 避難所の方(子ども2人、保育園、1歳児)>:
*避難所で1歳半の子どもがチョコレートと飴を覚えてしまって大変。3歳から与えようと思ってたけど、避難所にチョコレートなどがいっぱいあるから、食べてしまう。場所なども覚えてしまっているからなくなったらとりにいってしまい、どうしようもない。
*炊き出しは時間が決まっているからしょうがないし、作ってもらっている身でわがままは言えないしとてもありがたいけれど、子どもが食べたい時間に炊き出しがなかったりするから、ついついお菓子などになってしまう。
(チョコレートなどを覚えてしまって大変というのは避難所で生活している2人のお母さんから聞いた。)

<車中泊している方(子ども2人、保育園、2歳児)>
*子どもがいるので、車に寝泊まりしている。「今日も車で寝るのー?」と保育園の娘に毎日言われるたびにごめんねと思う。
*石田さんが歌を歌ってくれて歌を聞いて号泣。これからどうしようという不安が止まらない。でも歌を聞いてちょっとほっとした

こうした被災者の生の声(つぶやき)を見ていると、支援のあり方もいろいろ考えさせられることも少なくないですね・・・・・。

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